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雪国放浪記2023早春編その1~谷川岳天神平へ~

今回の一連の記事は、バスとは(あまり)関係のない、普通(じゃないかもしれない?)の旅行記になります。同じ方面への旅をしたいと思っている方々の参考になるかもしれない情報を絡めつつ、お届けします、、、というか、第1日目は、同じ方向に旅をした友人の旅行記を参考にさせていただきました。
ただ、旅の前の方と後の方で、かなり様相が異なってきてるので、その点はあらかじめご了承のほど…

きっかけ

 鍵盤弾き仲間であり、旅好きな友人が、2月中旬にふらりと上越国境方面に旅に出た。その模様を半ばリアルタイムにてツイッターやツイキャスで配信した後、詳細なレポートをノートの記事に纏めてアップロードしていた。
(その一連の記事の第1回目が↓こちら↓)

 この方面へは、自分も雪の季節になると半定期的に旅をしていた。友人も「雪分補充」と言ってたのだが、ここ数年(??)は諸事情で自分も「雪分」が足りておらず、今シーズン中には行きたい、と決意?を固めていた。
 そこへ、3月上旬に「鉄道開業150年記念 ファイナル JR東日本パス」が発売されるというニュースの正式版が舞い込んできた。JR東日本エリア(と周辺の一部第3セクター)の鉄道路線が、新幹線を含め特急の自由席にも3日間乗り放題、という切符である。指定席も4回までは追加料金なしで予約・利用ができる。
 最大の問題点は、この切符は駅の(みどりの)窓口などでの発売は行わず、「えきねっと」というJR東日本が運営するインターネット予約サイト限定での発売であったことである。旅行は大好きな自分であるが、そのほとんどが突発的な放浪旅っぽいものであったため、これまで、この手の予約サイトを使ったことがなかった。3日前までに購入、というのも自分にとっては意外とハードルが高かったのだが、なんとかチケットを手に入れたでのあった。

 本記事では、この旅の第1日前半大宮→高崎→水上→谷川岳天神平の部分をお届けする。ちなみに、友人が1泊2日で行ったエリアを初日に突破し、2日目以降は更に先を目指す旅となる。

大宮から高崎へ

 さて、東京都周辺から上越国境の手前(=太平洋側)を目指す場合、上越新幹線で直接乗り付けるのは、ちょっと便利が良くない。上越新幹線は高崎駅を出ると上毛高原駅を経て、その次はもう新潟県の越後湯沢駅に至る。谷川岳天神平や水上温泉には上毛高原駅から路線バスでアクセスすることになるのだが、在来線の水上駅までの30分程度、余分に時間がかかる。上毛高原駅に停まる新幹線も1時間に1本程度となるため、ならば、高崎駅から在来線で直接水上駅を目指した方が早い時間帯の方が多い。
 今回の切符は、新幹線も含めた特急列車の自由席にも、追加の特急料金無しで乗り放題であるので、高崎までは新幹線の自由席を使うことにした。東京都ではあるが多摩地区在住の筆者らにすると、北の方へ行く新幹線に乗るには、武蔵野線経由で大宮駅にアクセスするのが、都心の東京駅や上野駅に出るよりもはるかに便利である。で、普段会社に行くような時間帯に自宅をでて、ゆっくり目に大宮駅を目指し、新幹線ホームにたどり着いた時点が、以下の画像である。
(以下、2023年3月18日のダイヤ改訂以前の情報であることには留意されたい。)

大宮駅新幹線ホーム、朝9時台半ば。
左側が東北新幹線方面/右側が上越・北陸新幹線方面。

 この時間帯に上越国境を越えて新潟まで一直線に行くのであれば、9時34分発の新潟行「とき311号」一択である。この列車は、大宮駅を出ると次に停まるのは終点の新潟駅なので、新潟に行くのには非常に便利な列車である。ただ、高崎とかの群馬県内が目的地の場合は勿論、新潟県内でも比較的大きな街である長岡に行きたい場合に乗ってしまうと、少々大変なことになる。大宮―新潟間をノンストップで走破する新幹線「とき」号は1日1往復だけなので、タイミング良く(悪く?)当たってしまうことの方がレアであるが…
 ともあれ、高崎駅から上越線の在来線で水上を目指す場合は、その1本前の高崎駅に停車する9時28分発の「あさま605号」長野行に乗らなければならない。これに乗り遅れた場合、1本後の9時45分発「かがやき507号」金沢行は北陸新幹線の速達列車で、大宮駅を出ると長野駅まで停まらないので、その後に来る9時53分発の新潟行「とき313号」まで待たねばならない。
 つまり、高崎に停車する新幹線は、臨時列車の運転が少ない日や時間帯によっては間隔が大きくあく場合もあり、高崎から先、水上方面へ向かう上越線の鈍行との接続も、かならずしも良好とはいえない点には留意しておく必要がある。

大宮駅のホームに入って来た、長野行「あさま」。
北陸方面に向かう「かがやき」「はくたか」と車両は共通です。

 今回は、新幹線も含め特急の自由席であれば追加料金なしで利用できたので迷わず「あさま」で高崎を目指したが、それ以外の切符を使っているのであれば、必ずしもこのルートが最適とは限らない。実際、新幹線を使わなくとも行程に大差なかったことが後日判明しているが、これについては、後の記事で説明する。また、上述した友人もこの点には気づいていたようで、全区間在来線を使って水上入りしている。流石である。

高崎駅

 新幹線でかっ飛んだ(所要時間23分)にもかかわらず、高崎駅で34分待ちとなってしまったので、高崎駅周辺を探索してみる。とはいうものの、駅からあまり離れられないので、手近なところ限定となる。なお、この1本後の高崎駅停車の新幹線は、上越線水上行が発車した直後の到着となり、その次の列車までは1時間程度?以上?待たねばならない。
 鉄道好きならば、JR高崎駅と構造上は一体化しているが改札口は完全に別になっている、上信電鉄の高崎駅へ行ってみるのがおすすめである。

上信電鉄の高崎駅。構造上はJRの高崎駅と一体化していて「0番線」を名乗っています。

 とはいうものの、上信電鉄の駅構内は、JR高崎線のホームからの方がよく観察できる。そして、高崎線ホーム南端からは、この界隈でイベント列車に使われるリアルでレトロな車両を遠くから眺めることができる。

上信電鉄の主力の電車。
実はJRのお古で、高崎界隈のローカル運用に使われていた車両です。
高崎駅の南側に留め置かれている、リアルにレトロな客車たち。
ちょっとピントが合っていないのが残念…(汗)

 実は、線路に沿って数分歩くと、上信電鉄の高崎駅に併設された車庫の脇に行くことができるのだが、今回は荷物が重かったので断念している。

駅弁

 そして、この先、食料調達が困難(??)になる可能性があることを鑑みて、高崎駅で駅弁を手に入れる。「峠の釜めし」は、本来は高崎駅から信越線で数十分行った、軽井沢の1つ手前の横川駅の名物駅弁である。横川まで行かなくても手に入るのはうれしい。ちなみに近隣の国道沿いのドライブインや高速道路のサービスエリアにも出店している。
 筆者の場合、買ってしまったら長時間の我慢ができない性格なので、高崎駅から水上駅に向かう電車の中でいただいていたりする。

味付けが自分好みの有名駅弁は、手に入れるとテンションが上がります。
蓋を開けると、更にテンションが上がります。

 で、画像を見てお気づきになられたかたもいると思うが、これは、厳密な意味では「釜めし」ではない。釜めしの中身を樹脂製?の容器に詰め込んだバージョンである。中身は全く同じなので、普通に美味しい。食べた後、重たい「釜」を持ち運ばなくて済む/捨てる場所に困らなくて済むという点で、この先の長旅を控えている身としては、非常にありがたい。

そして谷川岳天神平へ

 水上駅での路線バスへの乗り継ぎは非常に良好で、ほとんど待たされることなく「谷川岳ロープウェイ」行のバスが発車する。ちなみに高崎方面からの電車は駅舎直結の1番線に到着。バス乗り場は改札出て右手に十数m行ったところある。写真を撮ってる時間がなかったので、画像類は帰り道ということで。
 JR線は水上駅までがSuicaの首都圏エリア。乗り換える先の関越交通バスも交通系ICカード対応。そして、終点で乗り継ぐロープウェイも、クレジットカードのみならず、交通系ICカード対応。さすがに「タッチ・アンド・ゴー」では無かったが… ともかく、都内からはキャッシュレスで雪山の一角に立てる世の中、感慨深いものがある。

「谷川岳ロープウェイ」の山麓側の駅である土合口まで登って来た、関越交通バス。
カラーリングから判る通り、東武グループです。
交通系ICカード対応になったのは、比較的最近だったような?
谷川岳ロープウェイの乗り場が入っている建物。
実はこの入口は6階で、ロープウェイ乗り場は7階です。
急斜面に建っているためで、1~5階は駐車場になっています。
交通系ICカードで購入した、ロープウェイの往復乗車券。
中級以上のスキーヤーさん/スノーボーダーさんであれば、滑って下山することも可能。
スキー場の1日券は、ロープウェイの下り乗車も1回だけ可能。
なので、往復乗車券は雪見観光客の利用がかなり多い様子。

 なお「谷川岳ロープウェイ」という名前になっているが、正確にはゴンドラリフトである。すなわち、登り線と降り線がループになっていて、定員十人程度のゴンドラが多数ぶら下がっているタイプである。
 冬季であれば山麓の土合口駅(標高746m)界隈もかなり雪深い場所になっているのだが、山上側の天神平駅(標高1319m)周辺は、11月下旬頃~5月連休位まで、一面の銀世界となる。かつてはこの期間中はフルにスキー場も営業しており、関東地区で最も営業期間が長いスキー場として知られていた。筆者も若いころは、11月中に初滑りで何度も行っているし、5月連休に日向ぼっこがてらスキーを楽しみに行ったこともある。
 近年はコロナ禍の影響もあったためか、スキー場としての営業期間は大幅に短縮される傾向があるようなので、滑りに行こうという方は公式サイトなどで営業期間をチェックすることをお勧めする。

山上側の天神平駅を出たところの正面方向。
画像右奥に見える一際白い山が谷川岳の主峰。
流石にそこまで行くには、それ相応の装備と経験が必要です。
以前は画面やや左に移っているリフト乗り場から、冬季でも観光客も更に上に行けました。

 なお、天神平駅のすぐそばには、大きなレストハウス「ビューテラスてんじん」があり、食事をしたりお茶やお酒を飲んだりもできる。

「ビューテラスてんじん」から望む、谷川岳(左)/朝日岳(右)。
ガラスの反射の映り込みは、室内からの撮影ということでご容赦を。
釜めしでおなかがいっぱいいなってたので、味噌こんにゃくと日本酒で一息、です。
ちゃんと、山の神様への奉納も忘れません。にゃん。

(以下、その2~水上温泉郷から湯沢温泉郷へ~に続く)

ここまでの行程

※列車時刻は2023年3月18日のダイヤ改訂以前のものです。
立川8:26→西国分寺8:36→武蔵浦和9:10→大宮9:28→あさま605号→9:51高崎
高崎10:25→11:31水上11:35→バス→谷川岳ロープウェイ(土合口)→天神平

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