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言えなかったありがとう

小学校でミニバス、中学ではソフトボールとガチガチの運動部に所属して、そのどちらも下手だった。めちゃくちゃノーコン、とか突き抜けてたら笑えるけど、監督が無言で溜め息をつく感じの、だれも幸せにならない下手さ。勝ちたい、上手くなりたいっていう向上心が全く無かったのも原因だと思う。

それでも懲りずに始めたのがダンスだった。なんだか今までと違って心から楽しくて、好きだと思えたのがダンスだった。毎日毎日練習して、やっぱり下手くそで、初めて運動神経の欠落を自覚したんだった。

それでも、長く緩く踊り続けてもう8年になる。ダンスを好きで居続けられたのは、下手でも存在していいと思えたから。初めて応援してくれる人ができた。リズム感も無ければキレも無いハチャメチャな動きを見て、好きだと言ってくれた。その人たちのおかげで、ただただ楽しく踊り続けられた。

運動神経と同じくらい社交性も無かったので、声を掛けてくれてもヘラヘラしたり、スンッとした態度を取ってしまったことをずっと後悔している。キラキラした視線や自分の名前を呼ぶ声が、いつまでも眩しい宝物になった。あの時言えなかったけど、続ける理由をくれてありがとう。






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