自業自得
他人を指して「自業自得」と言うな。
「自業自得」とは自らの行いを省みた者、本人が自分と向き合い、得る結果であると思う。他人が立ち入る余地はない。何人たりとも。
本人だけが自分をそのように評することができる。自分の人生に起こったこと、それについての振る舞い、感情や言葉を踏まえたうえで。それらの結果と全ての責任を自分に戻す。
極めて尊いことであると思う。そんなことができるのは人間をおいてほかにない。
人の行いや発言を根拠にして「自業自得だ」と言う人はいる。それはその瞬間の切り取りにすぎない。本人が何を考え、感じ、どのようなことを意図して発言や行動を起こしているかなど、本人にしかわからない。しかしその意図すら自覚できないまま行動の選択をしている人も少なくないだろう。
そうしてそんなつもりじゃなかった。こんなはずじゃなかったという結果を手にすることになる。
しかしそもそもそれ自体が勉強なのだ。自分と言う人間がどのような選択をしてきたのか、どのような結果を得てきたのか。それが経験として蓄積されている。
私たちはそれぞれ、違う課題を通して勉強している。だからある人から見たら全く理解できないことをすることもある。誰かがすでに理解していることをわざわざ自分がする必要はない。経験は似たものはあっても同じものはない。他人に理解される必要もない。
だから実は誰も、他人を指して「自業自得だ」などと言えないのではないか、と思う。
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