彼のキャラクターシート


彼を選んだ人はスクロールしてください。














彼女は死にたがりだ。

「さよなら」のメールも初めてではない。

フェンスの向こう側に立つたびに連絡を送ってくるし、飛び降りずに到着まで待っているのは本当は死にたくないからだと思う。

僕に向けてSOSを出しているのなら僕は何度だってどれほど仕事で疲れていたって屋上へ迎えに行くよ。

死にたがりの彼女と僕は明日を迎えたい。

ー・ー・ー


彼女は同じマンションの住人だ。最近引っ越してきた彼女。

一目惚れだった、と思う。あの日も彼女はフェンスの向こう側にいて、今にも飛び降りそうな彼女を助けた。
その後、会話が弾んですぐに仲良くなった。

お付き合いの関係になるまで、時間はかからなかった。

彼女はブラック企業で働く僕の寂しくて荒んでいた心を癒す天使のような存在だ。


僕は彼女が死を渇望するタイプの人だと理解していた。

「タナトス」に魅入られた人間には死神が見える。

彼女は屋上でよく泣き叫ぶ。

死神が呼んでいる、と。

死神なんていないと言うとさらに泣く。

死神を見つめる彼女はまるで恋をているのうな顔で、僕はそれが嫌いだ。

虚空を見ているだけにしか見えないのに、彼女の心が僕以外に向いているようで。

僕は死神に嫉妬している。

彼女の心を奪う死神を許せそうにない。


行動指針

彼女が死ぬのをやめるように今日も説得する。

死神の正体をさぐる。


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