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ミステリアスアイズ考察~アイドルという美しい嘘~

こんにちは。

ミステリアスアイズを担当しています、みゅーちゃると申します。

今回は、シンデレラガールズ10周年の節目に際して、私の担当アイドルユニットであるミステリアスアイズを自分なりに解釈してみることに挑戦します。(本音を言うと、直接的なキッカケは10thファイナル公演day2を受けて、なのですが...あれから個人的に忙しく、かなり時間が経ってしまいました。)

ここで言う「解釈」とは、自分が感じた印象やフィーリングを言語化することを指します。つまり、私の印象や感想が先行し、それのウラを取れるような情報を適宜拾ってくる、という考察にしては非常にズルい方法を採用しているということです。

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個々の情報から帰納的に結論を導くのが正しい考察の形ではあるのでしょうが、私の第一印象を覆すことは我ながら困難だと予想されたこと、今回が初めての考察となる私にはハードルが高かったことなどを考慮した結果ですので、ご容赦ください。それでは、参ります。

§1.本考察の目指すところ

本考察では、ミステリアスアイズというアイドルユニットには2つの軸が内在することを確かめた上で、冒頭でも述べた通り、ミステリアスアイズとはどのようなアイドルなのか、なぜ私(たち)は彼女らに惹かれるのか等を言語化することを目指します。
なお、今回の考察で対象としているのは、主にスターライトステージ内『Pretty Liar』コミュの全てと楽曲『Pretty Liar』の歌詞となります。

§2.1つ目の対比軸


早速参りましょう。
1つ目の対比軸として【大人↔子供】の対比が挙げられると思います。
私個人は、【大人の楓さん↔子供の奏さん】と捉えています。
映画の役振りとしても年長の楓さん、年少の奏さん、という描かれ方がされていました。その他にもこの対比は3点の根拠(と言える程でも無いですが)から説明されます。

①キャラクター
速水奏さんは”子供”です。
より正確に言うならば、私は、彼女を、「子供だけど大人、やっぱり子供」であると解釈しています。

彼女に関してまず目立つのは17歳とは思えない外見、言動の数々でしょう。色気が凄い、色気が。【エンド・オブ・ザ・ブルー】とかヤバいですよ...。
一方で、内面は17歳のソレです。
(私は現在彼女より年下なので何を偉そうに、という感じではあるのですが)度々覗かせるあまりにも高いプライドを筆頭に、やはり子供だなあという所が見受けられます。「大人びた子供」という評価は彼女のためにあるのでしょう。楽曲でも「少女でもLady」であると謳われています。


一方で、高垣楓さんは”大人”です。かえでちゃん25歳児でもありますが。
私は、彼女を「大人だけど子供、やっぱり大人」であると解釈しています。
楓さんは大人を象徴する要素と子供を象徴する要素をそれぞれ1つずつ持っています。前者は「酒豪」、後者は「ダジャレ」です。

素敵なステッキ。

しかし結局は、後に述べることも考慮すると、楓さんは「大人」ということでファイナルアンサーでしょう。楽曲でも「大人なのに少女」であると謳われていますね。

②嘘の種類
これは後半の内容とも関わってくるのですが、いわゆる「子供の嘘」と「大人の嘘」は微妙にその果たすべき使命を異にします。

「子供の嘘」を一言で表現するなら「虚栄」でしょうか。
小学生が言いがちな「宿題やって来たけど家に忘れた」がコレに当たるような気がします。実態よりも優れた自分を見せたい、認められたい。そのような嘘です。

一方で「大人の嘘」は「迎合」(←もっと良い単語がある気がします)とでも換言できるでしょうか。いわゆる「優しい嘘」、すなわち、相手が望む応答や対応を理解した上で先回りするような嘘のことです。例えば、微塵も嬉しくないプレゼントを貰っても「ずっと欲しかったんだよね!ありがとう!」などと言うのは、「迎合の嘘」の代表と言えるでしょう。日本人が得意だと言われているアレです。事実として、「迎合の嘘」を評価するにはある程度の年齢が必要だそうです。

また、「虚栄の嘘」は自分を良く見せようとする嘘である一方、「迎合の嘘」は他者を重んじる余り、自分を蔑ろにすることを厭わない嘘であるという点で差があります。

以上が、私が考える「子供の嘘」と「大人の嘘」の差異になります。
それでは、ここで、2人が吐いてきた嘘を確認します。

ⅰ.速水奏の嘘
速水奏さんは、17歳の、普通の(顔が良すぎるめっかわな美)少女です。
彼女は美しいモノに憧れ、それ故に本当の自分をひた隠し、落ち着いた、大人の女性を演じています。

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「大人びた雰囲気も、綺麗な姿も、冷静な言動も、きっと、すごく頑張って、背伸びをしているんだと思うんです」
「カレシなんていないのにモテてるフリとか」

奏さんの内面をこれ上なく言い表しています。
大人びたフリ、冷静なフリ、達観したフリ...これが「虚栄」でなくて何でしょうか。


ⅱ.高垣楓の嘘
楓さんの嘘はとっても厄介です。言語化がとっても難しいのです。とても難しい、のですが、勇気を振り絞って、彼女が言っていたことを私なりに表現すると、恐らく
「ありのままの自分を見てほしいと言ってきたが、それはやはり嘘で、自分の望む、誰かの憧れになれる、高垣楓を作りたい」
といった風にまとめられると思います。
では、なぜ、楓さんは「ありのままの自分を見てほしい」などと言っているのでしょうか。
私は、その理由は、「そう求められてきた(と楓さんか感じてきた)」からではないかと思います。楓さん自身も、「ありのままの自分を見て欲しい」というセリフでさえ、それ自体が「歌姫の意外で親しみやすい一面として自身の評価を上げてしまう一方通行の階段」であることを理解していたのでしょう。

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川島さんによると楓さんの「ありのままの~」というセリフは界隈では有名な話らしいですし...。「非力なふりをして、純情ぶって」、完璧だけど親しみやすい、他者の思い描く高垣楓像に自らを近づけようとして、その結果としてのこの嘘ではないでしょうか。
要するに、この嘘は既に、他者を失望させないための先回り、すなわち、「迎合の嘘」の名を冠するにふさわしい嘘であると思うわけです。

ただ、美術館のモナリザ(?)のシーンなどを鑑みても、「ありのままの~」の文句は100%嘘、という訳でもないように思われます。そういった類の願いは少なからず存在する、でもいざというと、それに対しての覚悟は出来ていない、という二律背反的な感情が少なからずあるのでしょうか。

「ペットボトル開けてってヒリキなフリとか」

 この歌詞は「迎合の嘘」をよく表していると思います。

以上より、私は、2人が吐く嘘には微妙な差があり、それは「子供↔大人」という対比軸をもって理解されると考えています。
自分のプライドを守るため、「虚栄の嘘」を吐く「子供」の奏さんと、他人を慮るばかり「迎合の嘘」を吐く「大人」な楓さん、という解釈も可能なのではないでしょうか。


③おまけ
彼女らはなぜフランスに行ったのでしょうか?
それは奏さんがお酒を飲むためです。(←個人の見解です)
向こうでは、16歳以上であれば弱いお酒を飲むことは合法です。
(←厳密には真っ赤な嘘です。ごめんなさい。2009年に16才から18才に引き上げられています。もう飲めません...)
ではなぜ奏さんは、お酒を飲むの必要があるのか?
それは「飲酒」という行為が「大人」を象徴する行為であり、奏さんはミステリアスアイズを通して自らの嘘を認め、自らをさらけ出し、成長したからです。17歳の速水奏は、フランスで「大人」になったのだと思います。


あともうひとつだけ、おまけを。これは一般論としてですが、子供は大人に憧れます。大人はいつだって強く、そして美しく、子どもの目に映るものです。ここからが問題なのですが、大人は子供に憧れられたいと思うものなのでしょうか。仮にそうであったとすると、2人の相互に思い合い、相互に憧れる関係もこの文脈の中でよりよく理解出来ると思います。大人の皆様、教えていただけると幸いです。

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「憧れ、だったのよ、どうしようもなく」
「もう一度、あなたの憧れになれますか」

(↑ちなみに私が一番好きなシーンです)

ここまでこんなアホ長い駄文にお付き合い頂いている方々、本当にありがとうございます。本当に申し訳ないのですが、あともう少し続きます。
最後までお読みいただけると泣いて喜びます。

§3.2つ目の対比軸

2つ目の対比軸に移ります。例によって例の如く、私の第一印象を大きな拠り所としている今回の考察ですが、この対比はかなりあからさまですね。【嘘↔真実】の対比です。こちらがメジャーな方だと思います。
もうあまり説明する必要はないのでは、とさえ思うのですが...。
前のセクションでも2人の嘘については触れたことですし...。
軽く気になったことをいくつか書いておくに留めます。

①「ミステリアスアイズ」というユニット名
日本には 「目は口ほどに物を言う」という諺があります。
「目は口と同等かそれ以上に雄弁にその人の心情を語る」という意味で使われる場合が多い言葉ですね。
さて、私の担当アイドルユニットの名前はミステリアス”アイズ”です。
アイズがミステリアスなのです。
つまり、「口ほどにものを言う目」が「不思議な、よくわからない感じ」であるというのです。
そもそも2人はビジュアル、キャラデザ的にも、確かに、ミステリアスなアイズを持っています。しかしそれ以上に、内面として、本心を隠し、上から幾重にも飾り付けることでそれを見えなくしてしまった、そんな美しい嘘吐きたちにこの上なく相応しいユニット名だと思います。

②映画撮影と共同生活
(ドキュメンタリーやノンフィクションを除き)映画は、演技の集合体であり、嘘の象徴です。映画は、演者たちによる無数の嘘や虚構によって成立していると言っても過言では無いでしょう。
対して、共同生活者に嘘を突き通すのは非常に困難です。些細な綻びから、様々なことが相手に伝わってしまいます。朝寝坊をすることも、酔うと手がつけられなくなることも、相手に憧れていることも、純情な少女であることも、バレてしまうものです。少なくとも、このコミュにおいて、互いの「嘘と真実の差」ならびに「アイドルの姿と素の姿の差」こそが2人を結びつける要素であり、映画撮影と共同生活のどちらか片方でも欠けてしまえば、彼女等がここまで深く、互いの本心を語り合うことは無かったのではないかと、私には思われてなりません。


§4.まとめ

 
冒頭で述べた通り、本考察においては「言語化」が最大のゴールになります。では、ミステリアスアイズとは一体どのような存在なのか、なぜ私たちは彼女らに惹かれるのか、これまでの考察を踏まえて能う限り言葉にしてみよう思います。

まずは軽めの方から。ミステリアスアイズの2人は、(少なくとも奏さんは、)このコミュを通して相互に影響しあって成長し、”大人”に近づいたのだと思います。私は大人のお姉様方がとても好きです。子供と大人の両要素を併せ持つのとか、素晴らしいですね。

ミスアイはいいぞおじさん「ミスアイはいいぞ」。

妄言はこの辺にしておいて、まとめに移ります。
結論から申し上げると、私が彼女たちを推しているのは、

ミステリアスアイズが「アイドル」だからです。

なんだよ今更、当たり前やろ、ふざけてんのか、という声が聞こえてくるような気がしますが、私はこう見えて真面目です。彼女たちは紛うことなき「アイドル」だと言いたいのです。
ではまず、「アイドル」とは何者でしょうか。
アイドル/idol は、日本語では「偶像」と訳されます。
つまり、それは嘘であり、存在しないのです。アイドルを見るとき、私たちは偶像を見ています。すなわち、逆説的になりますが、「ホンモノのアイドル」とは、「ホンモノの偽物」或いは「ホンモノの嘘つき」であると言えるでしょう。
大衆のために、ファンのために、弱さを隠し続け、強かに嘘を吐き続ける彼女たち。ミステリアスアイズの2人は、吐く嘘に微妙な差こそあれ、最も「美しい偽物」であり「美しい嘘つき」、すなわち『Pretty Liar』であると思うのです。ミステリアスアイズは、紛うことなき、正真正銘の「アイドル」であり、私はアイドルを愛しており、だからこそ、私は彼女らに惹かれるのだと思います。

「アイドルという美しい嘘」


これを最も体現し続ける彼女らを、私はこれからもずっと、応援していくことでしょう。少なくとも『Pretty Liar』がライブでオリメン披露されるまでは死ねません。嗚呼、ファイナルday2、お前はどうして...。

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§5.あとがき

まずはここまで読んでくださったあなた、こんな駄文に長々と付き合わせてしまって本当に申し訳ありませんでした。
そして、ありがとうございます。
一貫して述べているように、これは私の「感想文」の域を出ません。
「考察」と名乗るのも烏滸がましい限りです。
1人のPに、1つの解釈。そういう時代です。多様性とか。よく知りませんけど。一方で、文章構成の仕方に大きな問題がありますがそれはちひろさんデスクに一旦置いておくとして、この駄文の果たすべき「言語化」というのはある程度成功したかなという印象を受けなくもないです。
何度も言います。ここまで読んで下さり、本当にありがとうございました。泣いて喜んでいますよ、今まさに。

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