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弟が生まれたよ。



食道閉鎖症に纏わる手術が胃ろうの抜去と縫合を経て全て終わり。

そうはいっても、食道閉鎖症になった子は嚥下問題や、逆流性食道炎のリスクもあるそうなんですが

それはおいておいて、えどはすくすくと育っていきました。

そんな中、えどはお兄ちゃんになりました。

弟のあるが、2歳下に生まれたのです。




今までずっと、えどは私が抱っこして手を引いて、歌を歌って一緒に過ごしていました。

でも下の子を妊娠すると、つわりがひどくなり、実家の助けを借りるようになりました。

健康でいてくれて、手を貸してくれた母に感謝です。



実家に身を寄せて、妊娠中よく、近くのお寺まで散歩しました。

ベビーカーにえどをのせ、大きなお腹で参道を歩きました。

ベビーカーに乗っているとえどは私が見えないので、歌いながら歩きました。

今思うとこれも変な人ですね・・・



参道を抜けてちょっと大きいお寺に着くと、一緒に来てくれた母と、ときに父が、

えどの手をとって、歩く練習をさせてくれました。

えどは先天性側湾症もあります。

骨がかなり捩れて曲がっているため、歩くのにも練習がいるのです。




生まれてすぐの医師との面談の時。

えどにとって一番大変なのはこの、

先天性側湾症だろうと言われました。

食道閉鎖症を併発しやすいそうで、

今の段階ではまず食道閉鎖を治さないと生きられないが、

これだけ側湾症がひどいと、

ひとりで歩くことも座ることも厳しいだろうと。




この子は一生歩けないかも知れない。




いろいろな病名症状を告げられた時は、

もう頭がパンクしてましたが、

食道閉鎖症がなおりつつあると、

つぎにこの側湾症が顔を出してきました。

えどは側湾症なのでバランスが悪く、すぐに転んでしまいます。

しかも頭が大きくて重いので、頭から転んだりします。

そんな孫を、私の父母は根気よく、歩く練習に付き合ってくれました。




両手にじいじとばあば、側から見たら仲の良い光景に見えたでしょう。

あれ、リハビリしてたんです・・・

階段も、練習がないと昇り降りももちろんできません。

次男が何も教えないのに、テーブルの上に乗ってジャンプした時にはびっくりしました。

子供って、練習しなくてもそんなことできるんだと。




そんな妊娠生活を送り、予定日より2日早い陣痛で入院し。

次男を出産しました。





次男を出産後、数日ぶりに家に帰った私。

赤ちゃんをベッドに寝かせ、私はえどをうんと甘やかそうと思って、

えどを抱っこしてのんびりしていました。

すると、えどは私の手をとり、赤ちゃんのところまで連れて行ったのです。

赤ちゃんはほにゃっほにゃっと泣いていました。




えどを振り返ると、まだしゃべれないえどの目が

「赤ちゃん泣いてるから、だっこしてあげて」

そう言ってる気がして、泣けてきました。

あんなに一緒だったママとはなれて、さみしくなかったわけがない。

なのに、この小さいお兄ちゃんは、もう弟のことを自分より大事に思ってるんだ。

大袈裟かも知れませんが、私にはその時そう思えたのです。

えどはいまも弟思いの優しいお兄ちゃんです。

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