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20代東京住み 外資経営コンサル勤めの私が、南相馬市にハマるワケ

1. 簡単に自己紹介

こんにちは。きのぴーです。

私は現在 東京都に住み、外資経営コンサル会社で働く傍ら、南相馬市での様々なまちづくりプロジェクトに携わっています。基本リモートワークですが、2ヵ月に1度くらい南相馬に通ったり。

南相馬市を知り、関わりを持ち始めたのは、2021年の冬頃から。
それから1年ちょっとで、すっかり南相馬にハマり、2023年度中には南相馬に会社を作って、いくつかの新規事業を立ち上げようとしています。

現在検討しているのは、地元企業向けのコンサルティング事業や、農業にNFTを掛け合わせた付加価値創造事業など。

そんな私がなぜ、南相馬にこんなにハマることになったのか、南相馬との関わりの入口となった「事業化実現プログラム」を振り返りながら書いてみたいと思います。

南相馬市・事業化実現プログラムとは?
チャレンジの余白があるまち・福島県南相馬市をフィールドに、自分の人生の解像度を上げ、仲間と共にやりたいことを実現していく3カ年のプログラムです。 2021年より1期生がスタート。地方で働くことに関心を持つ若年層を集め、現地視察により、ビジネスの種を発見、自分自身がやりたい“仕事”で解決するワークを実施。その後はビジネスメンターサポートによるビジネス性検証を実施を行い、現在実行に向け取組んでいます。

2. 南相馬との出会い、きっかけは前職同期

新卒で入社した製薬会社から転職し、経営コンサルタントとして働き始めて1年が経った頃、製薬時代の同期である後藤彩(通称G)から、会社を辞めるとの連絡がありました。

どうやら、まちづくり会社(MYSH合同会社)に転職し、南相馬市で支社立ち上げをやるらしい。しかも、支社長として。

久しぶりに近況など、ざっくばらんに話した後、Gから「南相馬で ”事業化実現プログラム” を企画中だから、参加してみないか?」と誘ってもらったことが、南相馬と関わりを持ち始めたきっかけです。

正直、誘われた当初、私は南相馬についてほとんど知らないどころか、地方に全くといって良いほど関心がありませんでした。
しかし、製薬時代、常に周囲から一目置かれ、私自身も尊敬していたGからの誘いだったので、迷いはなくプログラムへの参加を決定。

同じ会社で働いていた同期と、それまでとは全く異なる環境で関われることに、とてもわくわくしたことを覚えています。

3. 願ったり叶ったりな「事業化実現プログラム」

「このプログラムすごい」

事業化実現プログラムに参加してみて、すぐに思ったことです。

はじめに衝撃を受けたのが、超豪華な講師・メンター陣が揃っていることでした。

某有名大学の准教授 兼 凄腕マーケター、Apple社CEO Tim Cook来日時の通訳に従事したブランドディレクター、元リクルートで現在は個人からエグゼクティブまでの組織・人材領域支援を行う母、などなど。

「このプログラム、参加費取ればいいのに・・・」

そう思うくらい、すごい方々。
(皆さん色んなことをやりすぎていて、肩書きを書くのにも一苦労。こんな機会も中々ないよな、と書きながら感じているイマ)

そしてもちろん、すごいのは肩書きだけではなく、熱意溢れる講師・メンター陣が実施してくれた研修やメンタリングは、「目から鱗」な内容ばかりでした。

ワークショップの様子

また、プログラム参加者たちも、自分とは異なるバックグラウンドを持つ人ばかり。
大学時代から「薬学」という比較的狭い世界を中心として生きてきた私にとっては、刺激を受けることがたくさんありました。

4. 初訪問から2ヵ月で市長にプレゼン

さて、そんな願ったり叶ったりなプログラムが進む中、人生初となる南相馬市を訪れることに。

訪問の目的は、南相馬市の課題や魅力を見つけ、事業アイデアを考えること。
空き家や廃校、ロボットテストフィールド、シェアファームなどに足を運び、現地の方々からお話しを聞いたり、参加者・メンターたちとディスカッションやワークショップを行い、南相馬市について理解を深めました。

熱心なメンバーが集まっていたので、濃くて、記憶に残る時間を過ごすことができました。
夜は日付けを越えるまで参加者たちと交流したことも、横のつながりを深める貴重な機会になりました。

南相馬の農業について話を伺う様子

そして、南相馬初訪問から2ヵ月弱、東京での複数回のワークショップや、様々な調査・検討を経て、いよいよ市長をはじめとする南相馬市の皆さんに向けた、事業アイデア発表の日が訪れました。

私は、”自分のできる”と”南相馬市の課題”を掛け合わせ、「南相馬市の体験販売EC事業」というテーマでプレゼン。

事業アイデアをプレゼンする様子

南相馬には、乗馬や農家民宿など、この場所ならではの貴重なコンテンツがありながら、オンライン上では魅力が伝わりきっていない。南相馬を訪れて感じた課題を、事業で解決しようと考えたのです。

発表後には、オーディエンスの皆さんから応援の言葉を頂き、事業化に向けて歩みを進める意志を固めました。

5. 避けては通れない ”問い”

プログラム開始から約半年、事業アイデアもサクッと決まり、順調に進むと思っていた矢先、早い段階で事業コンセプトをピボットすることになります。

調査を進める中で、極めて似たコンセプトのECサイトを見つけました。実際に運営されている方に話を伺うと、どうやら本当に近しいコンセプト、しかも既に事業化を進めている。

これを契機に、事業コンセプトの方向転換を決め、再び新たな事業アイデアを模索し始めることにしました。

そうやって様々な事業アイデアを検討しているうちに、「そもそもなぜ自分が南相馬市で事業をやるのか?」「これは本当にやりたいことなのか?」という避けては通れない ”問い” に衝突。

「腹落ちしないと、とことんやらない性格」の私にとって、この問いを放置してとりあえず事業検討を進めることは、無理ゲーでしかありません。

6. たどり着いた ”答え”

その後は、事業検討というよりは、”自分が南相馬でやろうとしていることの本質” を考えることに、数ヶ月の時間を費やしました。

これをやる上で大きな支えになっていたのが、メンターの存在でした。
私を担当してくださったメンターの専門分野のひとつである「コーチング」のスタイルが、このときの私の状況にピッタリだったのです。

月に1度のメンター面談に加え、その間の期間で思考整理を繰り返す日々。

”人に説明したり、誰かを納得させるための言葉”ではなく、”自分が腹落ちし、前に進むための言葉” を、メンターからの問いかけをヒントに探していきました。

そして、ようやくたどり着いた ”自分がやろうとしていること”、それは、

”尊敬できる、何かに熱心に向き合っている「誰か」と、一緒に物事を考えたり、前に進めること”

言葉にしてみると、拍子抜けするほどシンプルですが、これが私が南相馬でやろうとしていることであり、これまでの人生で一貫して楽しいと感じてきたことなのだ、素直にそう思えました。

毎回の面談で様々な問いかけによって、”自分なりの答え” にたどり着くことを助けてくれたメンターには、感謝してもしきれません。

7. 南相馬で感じる、前に進もうとする空気感

最後に、なぜ南相馬なのか?

これはズバリ、時間をともにしたいと思える素敵な人がたくさんいるからです。

プログラムを通して出会った参加者や、講師・メンター陣、MYSHのメンバー、そして外モノを本心で応援してくれる地元の人たち。

「恩は返さずに送れ。」「皆と共に全力で歩む。これが私の意思表示。」などと声をかけてくれる素敵な人たち。

こういう人たちが、より良い未来に向かって本気で進んでいこうとしている、南相馬の空気感が好きだな〜と。

そして、自分もそんな空気感の中で、未来の実現を後押しするひとりになれたらいいな、なんて想いながら、南相馬に通っています。

南相馬で眺めた朝日

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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