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#レポート|南相馬・仕事づくりセミナーメンターがお届けする番外編|事業アイデア構想から事業化検討フェーズへ

MYSH Magazineをご覧いただき、ありがとうございます。
#3は、前回の南相馬・仕事づくりセミナーの続編プログラムのレポート記事となります。

以前noteにてご紹介した2021年11月〜2022年2月にかけて実施した「南相馬・仕事づくりセミナー」は、年度を跨ぎ、「事業化実現プログラム」と形を変え、引き続き活動を行なっている最中です。

事業化実現プログラムでは、参加者の皆さんが、昨年度セミナーで立案した事業企画の事業化を「検討」し、実現することを目指しています。

今回のnoteは、そんな事業検討者の相談役としてセミナーの立ち上げから参加者の皆さんに寄り添い続けてきたメンターの方による「メンター視点」でのレポートです。

地方で首都圏在住の20代が「事業を通した自己実現」を模索、奮闘する姿を、企画者でもない、参加者でもない、「斜め横からのレポート」をお楽しみください!

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第一幕「仕事づくりセミナー」の振り返り

1年目の「仕事づくりセミナー」では、南相馬市の同じ時間、同じ場所、同じ物や人、を体験した17名の参加者でしたが、出てきた事業計画は、視点も、内容も、時間軸も、何もかもが異なり、個性豊かな参加者の在り方を体現する様な15事業となりました。
 
参加者全員にとって「まちが自分ごとになりはじめた」のが、ほぼ唯一と言える共通点です。「なぜ」を追求すること、目の前のことを自分ごととして捉える、を計った企画冥利に尽きる結果となりました。

2年目となる「事業化実現プログラム」は、事業化を目指す参加者(以下、起業家)が、緩やかな連帯の下、刺激しあい、応援しあい、それぞれが独自に進む、新しいフェーズに入りました。
起業家にとってはオーナーシップ、リーダーシップが求められる孤独な戦い、が始まろうとしていました。

プログラムにおけるメンタリングの立ち位置

メンターは、起業家と定期的に面談を実施します。
このプログラムでのメンタリングの特徴は、まず「元気?」を確認する点です。
事業の進行は、起業家のコンディションそのもの。整えるのは、起業家の責任ですが、どのような状況で、どのように関わるかは常にオーダーメイドのメンタリングです。

事業検討者と向き合った最初の3ヶ月

第二幕「事業化の検討」が始まって3ヶ月、

このレポートでは、ライフコーチでもあるメンターが3事業(計4人)にフォーカスし、等身大の姿を丸ごとお届けします。

story1  春の小川のように進む

チームで事業化に取り組むRさんとHさん。メンターの私から見て、2人はキャラが異なる不思議な組み合わせです。デフォルメするなら剛と優。
 
そんな二人は、南相馬の懐の深さならではの、儲かる儲からないを超えた、将来の町の姿に関わる事業を考えています。そして、蓋を開けると、剛のRさんが見守り、優のHさんが引っ張る、という予想外の展開となりました。
 
Hさんは着実に計画を進め、関係者と調整し、計画を更新し、頼るべきことは外を頼り、更に仲間を増やして行きました。Rさんは、助言をし、自分が得た情報を共有するなどでサポートしています。春のような華やかさと穏やさを持った2人が着実に歩む姿は、小川の流れを眺めている様でした。
 
さて、開始時点から2人はチームでしたが、7月からは更に人数が増え、「チームで進める事業化」が拡大します。「事業化実現プログラム」では「チームビルディング」をテーマとした研修も行われたばかり。学びと実践が同時進行する、本プログラムならではの展開に、メンターとしても心が躍ります。

story2 力を抜くこと

柔らかな佇まいに、力強い原動力とイメージ力を併せ持つMさんは、第二幕開始直後の3ヶ月間、ずっと荒波に揉まれていました。外の波、内なる波。小舟のように見えますが、確かに前進して行きました。
 
「とりあえずやってみる」を目標にしたいと始まった4月。その1ヶ月後、5月に会った時には、予想以上に早く、学業やその他の活動が一気に忙しくなっていました。同時に、事業化検討は身動きが取れなくなっているように見えました。
 
「とりあえずやってみる」は、Mさんにとって、ハードルが高い目標設定だったようです。一度決めたことはやり抜きたい、せっかくやるなら満足いくまでやりたい、という元来Mさんが持つ、意識の高さが出て来ていました。
 
本来の姿と反対に見える目標を冒頭で挙げていたことは、Mさんの自身への期待、変化への期待でもあり、いかにMさんがこのプログラムに本気で取り組もうとしているかが分かります。
 
「周りは気にしなくて良いんですよ!自分のペースで!」と声をかけました。逆に言うと、「自分で決めて、自分で進める、それをするのは、あなたなのだ」と突き放したわけですが、Mさんは「安心した」と言っていました。
 
これからは、事業化に向けた調査に時間をかけることになりました。長期戦を通して、Mさんにとって、つい夢中になってしまうような事業に発展していくことを心から願います。

story3 仲間の姿、自分の姿

断言力と勢いで、人にインパクトを与えることが持ち味のKさんは、2年目もプログラム継続を決めた一方、生活は一変していました。
最難関資格を目指し、本格的に勉強漬けの生活を開始。一見、事業化検討と真逆に見える行動です。

 聞いていると、Kさんは「仕事づくりセミナー」で出会った仲間の姿に刺激を受け、何者かになりたい、という思いが強まった、と語りました。本人の中に、以前から秘めていたに違いない、強い意志が、南相馬をめぐる体験から表出し、人生の転機となっていたのでした。 Kさんは「仲間をサポートしたい」という想いを何度も口にし、4ヶ月共に歩んだ仲間との絆がいかに強く、大きな存在になっているかが、伝わってきました。

一方で、Kさんがサポート役としてリーダーシップを発揮できるとしたら、どの事業で、何を、いつ、どのように、ははっきりしません。 一月以上かけて、今やりたいこと、今すべきこと、今できることを問うた結果、Kさんはプログラムを離脱することとなりました。 

しかし、これは単なる活動の終了ではなく、いつかKさんがプロフェッショナルのサポートとして仲間に合流する日までの、小さな分かれ道のようにも見えます。仲間と南相馬で再会する時には、間違いなく笑顔で迎えられることでしょう。

メンターとして見えて来たもの

起業家に伴走するメンタリングは、「メンターであるあなたは、どれほど強い思いで、あなた自身の人生のオーナーとして、ここで関わっているのか」と鏡のように問い続けられる活動です。それは醍醐味であり、スリルでもあり、成長の機会でもあります。
 
そんな伴走を通して、見えて来たもの。

それは、南相馬と仲間への「感謝」、夢への「チャレンジ」、地域や関係者に見守られて得る「楽観」、そして何より事業化の根幹を支える「自分らしさ」。このプログラムには、幸福論で言われる幸せの要素が全て揃っているではないか、ということです。
 
関わる全員が大変なことは間違いありませんが、振り返れば、幸せ、しか見えないだろう、そんな構造のプログラムになっています。
 
ここからも、起業家の姿、南相馬の姿、に興味と好奇心を持って関わっていきたいと思います。

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