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わるい王様とりっぱな勇者 プレイ日記(ネタバレ感想)

日本一ソフトウェアから先日発売された、絵本を旅するRPG『わるい王様とりっぱな勇者』のエンディングをむかえました。簡単に感想を。コレクションはすべて埋めましたが、トロコンは未了という段階での感想になります。物語に関してはほぼ押さえているはずです。いつも通り、プレイした人にしか分からない感想になっているので、クリアしていない人はまず買ってください。絵柄に惹かれたなら、何も調べずに買ってしまっても後悔しないと思います。

『嘘つき姫と盲目王子』の精神的続編に位置づく本作は、前作に比べゲームシステムと物語の相乗効果に磨きがかかっており、絵本ではなくビデオゲームの形態で出す意義がある作品に仕上がっています。初報キャッチコピーの「これは、いつか君に倒される物語」、もう悲しい結末の香りしかしない。

ここからはネタバレしかないので閲覧注意ですよ……









・過保護王様がかわいい。ひょこっと顔出してひょこっと隠れるのかわいすぎる。
・かえん切りや岩壊すのも王様がお手伝いしているの、後半の演出の伏線になっているのとってもえらい。
・サカサ戦でしっかり王様が入れないことを朗読で説明しているあたり、ギミックあるんだろうと思っていたけど、かえんぎりを使うまでまったく気づかなかった。その後はかえんぎり(?)のシーンばかりだけど、最初の「あ、そりゃそっか」感を味わえてよかった。
・サカサ、ストーリーラフの前日譚を読むと、とってもいいキャラしてて、本編と合わせてお気に入り。実際元の魔王様に戻ってほしい魔物たちも多いんだろうな……

・魔物の村、システムの都合上何度も往復することになるため、愛着が湧く。山の住処よりも実家の安心感ある……お祭りに行くことができて心底よかった
・前作と異なり、一本道のストーリーを描くのではなく、サイドストーリーで魅せる物語で、まさにビデオゲームらしい表現になっていた。『ゼノブレイド』シリーズもそうだけど、サイドストーリーが充実しているおかげでちゃんと自分でプレイしたくなる。
・戦闘と物語との連関、かえんぎりもそうだけど、特にフローラがすごい。最初は隠れることしかできないくらいステータス低いのに、泉の試練を乗り越える時にはすでにゆうと一緒に戦えるくらいに成長している。
・加えてフローラは、どういう戦法をとるべきかを強制的に教えられる仕組みになっていて、コマンドバトルRPG初心者にやさしくロール観念を教えてくれるゲームになっていた。
・サカサも分かりやすいキャラしているし、コンコはへんしんの習得で文字通り化けるキャラで、動かしていて面白かった。
・そこら辺にウヨウヨいる好戦的な魔物、今作の見逃しシステムだと完全にはみのがせないので、倒すのは必然になってる。ゆうはどう思っているんだろう?

・前作の経験から、1回目のお父さん戦でエンディングだと思っていたので、その後の展開は驚きがあってよかった。
・前作に比べカラフルになった本作の世界と悪夢の世界との対比がとても日本一ソフトウェアって感じ。
・悪夢サカサのセリフがエンディングにかかってきて、長いこと王様を慕っているサカサが想起される。
・泉後の覚悟を決めたゆうさん、お父さんを助けに行くメインクエストをピンすると、覚悟を決めた表情に変わる演出がとてもよかった。ひとだすけが残っている間は、ひとだすけをピンすると元の笑顔ゆうに戻るけど、すべてのひとだすけが終わった後は、覚悟を決めてお父さんを助けることに一直線に向かうゆう、という感じになる……

・ヒヅメさん、王様みたいに片方の角欠けているの、何かありそう。角にアクセサリー垂らすのかわいい。これは採用されるべきファッション。
・3姉妹のクエスト、1回目はお姉様方にあしらわれてゆうが凹んでるけど、覚悟を決めた後のゆうは全く動じずポジティブになってて成長を感じた……
・ガウハリーヤマネコのお話が良い…ハリーとネイサンの話があるからこそ、3匹の話が光る……
・トリニク(うささん肉)手に入れてくるクエストで、ハリーが肉に火入れられることをすごいって言うシーン、前作の姫が火苦手な設定が生きてる。

・最後はコンコと一緒に行きました。コンコのものまねスキルをラスボス直前に習得して、コンコの本領初発揮になっていいバトルになった。
・コンコのものまねは眼はそのまま(メタモン的)だけど、他の完成度が高すぎる……勇者の剣まで完全再現してる。しかもステータスの関係でゆうより威力出るし……
・魔王様、状態異常付与ばかりしてきて、本作のバトルシステムの欠陥を理解した戦闘スタイルでよかった。全体状態異常回復アイテムが存在しないため、状態異常を2人に付与することでひたすらこちらの行動ターンとHPを削ることができる正しい戦法……手加減してお膳立てするお父さんを見たせいで、ラスボスにありがちな手加減をしない本物の魔王様との対比がしっかり表現されててよかった。
・誰と一緒に戦うかによって、最後のケラへのセリフ変わるんだけど、コンコは「コンコン」しか言わないため、ケラが翻訳役になってた。しかも他の2人に比べて内容が少ない。大事なシーンなのに重くなくなって、コンコで良かったと思う。
・元々同じ願いを持っていたサカサは想像以上にあっけらかんとしたセリフだった。もともとケラとそんなに仲良くなかったのかな?二人とも王様の側近みたいな感じだったし。

・お祭り、背景が豪華すぎる。この短いイベントのためだけにこれだけ豪華にしたのか……志方さんの曲の演出もすばらしい……
・ハリーの家の前、装飾が多すぎる……ネイサンのために必死に集めたのかな?尊……もしくは巫女に選ばれたヤマネコが計らってくれた?尊……
・これ、ひとだすけ全部完了していなかったら、このイベントどうなっていたんだろう?未了の子たちが登場しないのか、そもそも星祭り自体ないのか…?衣装途中でヤマネコちゃん完了とかで衣装ないとか、専用会話あったら嬉しい。

・うささん、名前もデザインもお話も可愛くてとても好き!デザイン的にはねずみが好き……耳ふわふわねずみは天才のそれ……
・日本一ソフトウェアの『マッドラットデッド』は一本道で24時間を描いたことで、プレイヤーの多くが同じ体験を共有する一体感があったけど、今作は一人一人別々の体験を得られそうで、二次創作が多様化しそう。
・最後、圧倒的バッドエンドぶち込んできたと思ったら、救いしかないエンドで安堵した。
・育児初心者王様かわいい。
・泉の精霊になる前に持ってたのがおうちのなべで気づくべきだった……

絵本ではなく、絵本を舞台にしたゲームとして素晴らしい作品でした。画集の発売が待ち遠しいですね。

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