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ミリアッシュの好きなものレビュー

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イラスト制作会社ミリアッシュのメンバー(杉山、寺井、竹谷)が好きなものを好きなだけ書きます!拡がれ好きの輪!!※竹谷がレビュアーとして寄稿している「東京マンガレビュアーズ」の記事…
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2022年1月の記事一覧

漫画レビュー:ドラクエ好きが思わず反応してしまう名台詞を冠した『ゆうべはお楽しみでしたね』

最近公開された映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』の効果か、『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(以下ドラクエ5)が現在、有料アプリランキングで1位になっています。 ドラクエ5ではサブタイトルの通り、花嫁を決めるイベントがあり、「ビアンカ派・フローラ派」論争として今なお熾烈な舌戦が繰り広げられております(リメイク版からは第三の花嫁・デボラも加わり、議論に一石を投じています)。 余談ですが、竹谷は5回プレイしており、実績はビアンカ2・フローラ2・デボラ1です。 さて、

漫画考察レビュー:『3月のライオン』の英題「March comes in like a lion」が意味するもの

皆さん、才能はありますか。 竹谷には、そう呼べるものが現在ありません。しかしそれでは万事生きるには大変だからと、道中拾った石ころを磨いて周囲に玉であると認めてもらえるよう、日々どうにかなりそうだと少し切歯扼腕しながら生きています。 今回のレビューを書くにあたり、「才能って何だろう」などと青そうなことを改めて考えました。もちろん、その答えは千差万別でしょうし、真の天才というような方々からすれば「考えたこともない」と一蹴されそうな問いだとも思います。 しばらく黙々と首を捻っ

漫画考察レビュー:『進撃の巨人』と北欧神話

先日、『鬼滅の刃』を神話として読まん、という暴挙に出たところ、ありがたいことに色々な方より「面白い」とご好評いただけました。 本当に嬉しいです。レビュアー冥利に尽きます。 その記事でも少し触れたように、世界に遍く神話や英雄譚は、なぜか似たようなストーリーラインを形成します。そういう無意識下で繋がった人類の感覚のようなものを、ユング心理学では「シンクロニシティ」と定義しています。 ユング心理学については、竹谷の大好きなゲーム「ペルソナ5」と併せて書いた記事もあるので、もし

漫画考察レビュー:『彼方のアストラ』に熱狂した漫画読みが、今こそ『SKET DANCE』を読む3つの理由

漫画業界で話題を席巻した『彼方のアストラ』、その作者篠原健太先生の連載デビュー作。 2019年、『彼方のアストラ』という漫画があちらこちらで話題になっていました。 すごいストーリーテリング、全5巻とは思えない密度、随所に散りばめられた伏線、等々。 私も篠原健太先生のいちファンとして、前半丁寧に拡げていった風呂敷を後半余すところなく畳んでいく展開に粟立ち、興奮しておりました。計5回は周回読みをしました。『彼方のアストラ』は全5巻に対し、前作の『SKET DANCE』は全3

漫画考察レビュー:『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎少年は神話となる

3つの「英雄・ヒーロー」の意味 英雄という言葉があります。「才覚や膂力でもって崇められるような男性」といった意味で、豪傑と換言することもできます。歴史上の人物で言うなら、フランスのナポレオン・ボナパルトや古代ギリシャのアレクサンドロス大王、日本ではみんな大好き織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などでしょうか。 そして英雄は、英語では「ヒーロー)」です。大人気漫画『僕のヒーローアカデミア』や先日新シリーズが発表されたアニメ「TIGER & BUNNY」のように、窮地に陥ると助けに

漫画考察レビュー:『吾峠呼世晴短編集』の中に竈門炭治郎を探す

2019年9月をもって、アニメ『鬼滅の刃』の第1期が終わりました。皆さんはご覧になりましたでしょうか? 竹谷はすべて観て、大体おろろと泣いていました。 呼吸の表現や、鬼の怖さ、各キャラクターの声。各自の思う「ぼくのかんがえた最強のアニメ化」を地で行くクオリティだったと思います。続編となる映画も楽しみですね。どなたか一緒に行きましょう。 『鬼滅の刃』連載当初「これはちょっと合わないなあ」と言っていた知り合いも、「いやあ、漫画の時から思ってたけど、アニメも本当に面白い!」と

※ネタバレあり考察※『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のエンディングテーマはなぜここまで熱いのか。

去る2022年1月7日金曜日、『スパイダーマン』最新作となる『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が公開されました。 先行して上映されている全米での興行成績は、なんと全米累計興行収入の歴代TOP10に入り、スタートの興行成績としては『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を越えて歴代2位となっているそうです。 アイアンマン亡き後、トニー・スタークの意思を継ぐピーター・パーカーにフォーカスしたMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の最新作としても、2002年公開