「Mr.ノーバディ」

源田の毎日映画 26日目。前々から少し気になっていて、配信終了が近いので鑑賞。

見る前からなんとなくわかってたけど、やっぱり好きな映画だ。身が詰まったジョンウィックって感じ。
話が面白い。ちょくちょく挟まる小ボケのセンスも最高だ。この小ボケのおかげで映画全体の密度が高まっている気がする。実はめちゃくちゃやばいお父さんでしたっていうのはあるあるだが、そこに反抗期の息子や激ヤバおじいちゃんが加わることによって飽きがこない映画になる。ただ、反抗期要素が少し勿体無いというか一悶着終わったその後の展開で全く息子に触れなかったのはちょっとなあという感じだ。最初の強盗であれだけ父に情けないと文句を言っていた息子が父を誇らしく思うようになりましたっていうのがないと、ただ主人公のダメ親父という前振りのためだけのシーンでしかなくなっているのがもったいない。
カメラワークは最高。めちゃくちゃ分かりやすい。ただちょっとグロさが強いので少し目を細めてしまったが、そこもバイオレンス描写がうまく効いているということだろう。車のシーンで主人公が消化器をかけるシーンで、あえて運転手とかの反応を一切描かずに空からのショットで車の様子だけ描くのがめちゃくちゃ良かった。ほんとにこれは色んな映画に通ずることだが、穏やかな曲に乗せてやばい映像を流す対比の演出は良いのだが、この映画はそれが何回もあるのでちょっとくどくて醒めてしまった。ジョンウィックみたいにクラブミュージックを流すだけで全然良い。
主人公の俳優の苦労を知ってる顔の感じが良い。初めて見る俳優だが、良い感じにおじさんな雰囲気が適役すぎる。あと娘がほんとに可愛い。
会社で電話で話してる黒人のやつはなぜあんな珍しいやつで電話をしていたのか。あと、主人公がなぜあんな大金を持っていながらあの工場にこだわるのかがよくわからなかった。あそこまであるなら自分でオーダーメイド要塞を作ることもできたのではないか。

面白かった。最後のオチを頭に持ってくるのはすごい良いし、どうせ「ノーバディ」って言うんだろうなってわかっててもめちゃくちゃかっこよかった。割と好きな映画に出会えてよかった。

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