「ドリームプラン」

源田の毎日映画 9日目はウィルスミス主演の本作。良作だったー

画がすごく綺麗。特に夜のテニスコートのシーンは、闇に包まれつつも希望を諦めない父の明るさがほのかにある気がしてすごい良かった。テニスの戦いのシーンは長方形のコートに一対一という点で、どうしても構図は単調になってしまっていたが、肝心のテニスの試合自体が見応えがあったためそんなことを気にせずに見れた。にしても役者がすごい。私は中学生の間一年くらいテニスをしていたので、テニスの上手さには驚いた。相当練習したのだろう。
ストーリーに関しては、実話に基づいているため茶々を入れるのは非常にナンセンスだが、父があそこまで頭が固いのは「見上げた時にコソコソ逃げる父親にならないため」という理由では片付かない気がする。白人の子にタダでクッキーやご飯を食べさせてもらってた時に「無料には裏がある」と言っていたが、どの口が言ってんだっていう話だ。コーチや妻などの人格者からのマジ説教で目を覚ますわけだが、流石に人種差別に敏感すぎると思う。でも本場はそんなもんなのかな。まあわからない。あとビーナスの最後の試合に最初のコーチ来ても良かったんじゃないかな。エモいし。
メッセージはすごいよかった。敗北してリスペクトも契約も失ったと打ちひしがれるビーナスは戸を開けた瞬間大勢の笑顔の歓声を受ける。すごい良い。私も芸術を生業にしていく中で、挫折することが絶対あると思う。しかしそんな中でもお金や尊敬などではなく、自分のことを応援してくれる人のことを糧としていきたい。
物語のクライマックスをビカリオ戦で終わらせるのは良かった。ビーナスがかねてから言っていたウィンブルドンの優勝のシーンをあえて文字だけで見せることでこの映画が見せたかった娘の夢に対し全力で応援する父の姿を描くシーンをより一層印象づけれたと思う。セリーナもすごい。
エンドロールがすごい良かった。実話系の映画は大体エンドロールで実際の映像や文言を流すが、この映画のエンドロールはセリフ等もしっかりと交えて最後の最後まで観客に対して希望を与える作りになっていた。観客の心を離さない工夫だろう。
正直、あのヤンキー黒人に対してリチャードが復讐しようとして銃を持って向かっていくも、ヤンキーが通り魔にやられて帰っていくシーン。このシーンはいるか??娘を思うあまりの狂気じみた父親は他のシーンで充分観客に伝わっている。そこだけが謎。
9日目も良い映画に出会えた。明日もいい映画に出会いたい。

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