触媒

アマゾンプライムで『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を観た。
昔から何度も名前を聞いたことがあり、大学生の時にTSUTAYAでDVDを借りようとしたが「うる星やつらをちゃんと見た事がないし、2だし、今はやめておくか」と棚に戻す、という事を繰り返していたらこんなに時間が経ってしまった。
改めて今の時代は本当に恵まれている。

結局うる星やつらをちゃんと観た事が無いし、1も観ていないけど観た。
そしてとても面白かった。

観終わったあとにこれが40年前の作品だという事を知って驚いた。
古さを感じる瞬間もあったけど全く気にならなかった。優れた作品は時を容易に超える。

観終わった後にこの作品がアニメにおける「ループもの」の元祖だと言われていることを知った。
今やループやタイムリープはアニメとしては当たり前の手法になっていて「ループ×○○」の組み合わせによって様々な進化を遂げてきた。

自分が観てきたものを振り返ると、一番最初はやっぱり『涼宮ハルヒの憂鬱』のエンドレスエイトだろうな、とか『シュタインズゲート』や『僕だけがいない街』も衝撃的だったなとか色々懐かしくなった。
そしてループものが結構好きだった事も思い出した。

話は変わるが『思考の整理学』を読み始めた。
異様に売れ続けている本で、表紙などは目にしたことがあると思う。
書店にまた平積みされていたので(改訂されたらしいので読んでいない人はそれを買うのもありだと思う。ブックオフとかにもよくある)、久しぶりに読みたくなって本棚から引っ張り出した。

そこで「触媒」という考えが記されていた。

〈新しいことを考えるのに、すべて自分の頭から絞り出せると思ってはならない。無から有を生ずるような思考などめったにおこるものではない。すでに存在するものを結びつけることによって、新しいものが生まれる。〉

おそらく世間に衝撃を与えたであろう『ビューティフル・ドリーマー』の手法も40年を経て当たり前になり「素材」になった。
その素材を活かして別の角度から○○(サスペンス、ヤンキー、異世界など)を組み合わせる事で新しい作品が生み出される。

40年間も第一線で活躍し続ける、強度の高い素材を生み出してくれてありがとうという気持ちと、素材のままでも面白さが損なわれない強度に観終わった後はずっと感動していた(そもそも『うる星やつら』という作品を素材にしているから、この考えも少し違う気がするけど、まあいいじゃないですか)。

昨日は喫茶店で3時間ネタを考えて何も思いつかなかった。

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