柴犬とラッコ

「Twitterのおすすめのタイムラインが嫌な話題ばかりになっていたから、可愛い動物のツイートをいいねしまくって穏やかにした」というツイートを見て、なるほどと思って自分も同じことをしたら確かに穏やかになった。
適当に目についた可愛い動物の写真をいいねしていただけだったが、次第にその種類が柴犬とラッコばかりになっている事に気づいた。
自分って柴犬とラッコが好きだったんだ。
そして、目に映るものは可愛い動物だけど、結局やられているのはコンピューターによる選別(あなたはこういうものが好きで、こういうものに興味があるんですね。じゃあこういうのはどうでしょう、と情報を意図的に制限されて目の前に出されている)で、こういう事で社会の分断が起きていると聞いたことがある。
表面は可愛いけど中身がグロい。
ちょうどハズビンホテルを見終えたばかりだから別の良かったけど。
良くないけど。

ちょっと気を抜いていたらタイムラインが動物ではなくて、また嫌な話題ばかりになってきた。早く動物をいいねしないと、と思って気が付いた。
やっていることが現実と何にも変わらない。
見たくないものが多くてクソみたいなものに囲まれているでお馴染みの現実。
そこから一瞬でも目と気を逸らすために、エンタメ(食事とか散歩とかそういうものも含めて)は存在していて、それによってクソみたいな現実だけど仕方なく生きるかと思う事ができる。
かつてはSNSもそのエンタメの中の一つだった。
家に居ながら全世界の人と繋がる事ができて、情報が即座に伝達される。
それ自体がエンタメとして成り立っていたはずなのに、今は、まあご覧の有様。
それによって、冒頭の方法が「ライフハック」になってしまった。

”現実の世界から目を背けるためにアニメを見る”
”SNSの世界から目を背けるために動物を見る”

と同じような状況になってしまっていた。
なんでわざわざ見たくもない世界を増やしてしまっているのか。
現代人は集中力が落ちているとか、承認欲求が強くなっているとか、スマホ脳になってしまっているとか、まあなんか理由は色々あるんでしょう。
そして、その代わりにスイカゲームをいくらやっていても、スコアは伸び悩んで結局SNSを開いてしまう。

図書館に行ったらみんな本を読んでいた。
ずっと図書館に行ったらみんな本を読んでいる世界であって欲しい。

SNSで最近特に嫌だったもの3選

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