「クラスの完璧すぎる女の子の弱点を暴きたい」という言葉を今月2回聞いた

「クラスの完璧すぎる女の子の弱点を暴きたい」という言葉を今月2回聞いた。
2008年の話ではなく、2024年2月の話。
2回とも聞いた瞬間の私は似たようなものだった。1回目は喫茶店だから立ち上がらず、2回目はライブ中だったので立ち上がった。

最近は全員が知らない言葉が出てきたら、丁寧に説明するのが普通だと思うがあえて当時のマインドで「ggrks」とだけ言っておく。

当時高校生だった私の周りには同じ趣味を共有する仲間がほとんどおらず、かといってネットの中で常駐するようなコミュニティも無く、ただ一人でニコニコ動画の面白い動画に「wwww」や「ここすき」などと打ち込むだけの健気なオタクだった。

それにしても「推し」という言葉はとても便利なものだと改めて思う。
定義は人それぞれだが、人それぞれだからこそ広義に扱う事ができ、その対象はアニメキャラから食べ物まで多岐にわたる。
日々生きているだけで溢れ出してくる「推し」の波に紛れて、アニメオタクたちは「あなたはそれが推しなんですね。私はこれが推しです」と推し活仲間のような顔をする事ができるようになった。

高校一年生の自己紹介で、クラス全員の前で「攻殻機動隊が好きです」と言った彼の姿は今ならどう映ったのだろうか。
あの瞬間ハルヒの自己紹介がよぎり、すぐに頭から追い出したのは私だけでは無かったはずだ。
彼らは今、どこで何をしているのだろうか。

私は新宿のライブハウスで「クラスの完璧すぎる女の子の弱点を暴きたい」という言葉が聞こえた瞬間、立ち上がり「ハスメド⁉」と言っていた。

人生に無駄なんて瞬間は無い、なんて言葉がこの年齢になって本当だと分かってきた。
暗く狭い部屋で自分だけで好きなものを消化していて、誰かに話したいなんて事を考える余地も無くて(インターネットはインターネットの中にだけ存在していて、現実とは切り離されていた。その感覚は今後も一生残っていくのだろう)、一人で「俺はこれが好きなんだよな」と言っていたものを沢山の人と共有できる。
こんな瞬間が訪れるなんて、当然思いもしなかった。
けど、人生にどうやら無駄な瞬間は無い。
壮大な人生の伏線回収が始まっているのかもしれない。
そして、今この瞬間も伏線を張っているとしたら、これからの30年が楽しみで仕方ない。

ライブでは自分の好きなボカロの話はあまりできなかったので、ここでする。

ライブで少し話したが自分のボカロの始まりは間違いなく「メルト」で、
「みくみくにしてあげる」などを聴いていた可能性はあるが、明確にボカロのハマったのはメルトからだった。
その流れで歌ってみたにも大ハマりした。
メルトでまず、ガゼルとhalyosyにハマった。halyosyはabsorbというグループを組んでいて曲も出していたらしい、というところまで調べてその時の曲もよく聞いていた。ガゼルは今でも一番好きな歌い手の一人。サリヤ人とRe:と組んでいたユニット「ガリれ:お」もめちゃくちゃ聞いていた。
第2回ではほとんど話せなかったが、私は当時の歌い手にめちゃくちゃ詳しい。しかし当時の歌い手文化に精通している人は、今もまだ現れた事が無い。私は言っている当時の歌い手とはニコニコ組曲を歌ってみた、を歌っていた初期メンバーの事で、J、社長、のど飴、nayuta、yonji、いさじ、内緒妹、かにぱんなどの事である。要はランティス組曲のメンバーとか、パランティス組曲とかそこら辺の時代の事。まふまふとかは自分にとっては新しい。

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