指す将順位戦8th A級3組第2回戦 vs太一

今月15、17日は指す将順位戦が固まって行われた。
日付の調整がうまくいかないとこうなるんだなぁというところで
指す順の洗礼の一つを浴びた思いだったり、
早くも運営に迷惑を掛けたなぁなどと思ったりもしていた。

とはいえ、1回戦を勝って幸先の良いスタートが切れたところ、
このままの勢いで白星を重ねたいと思っていたが――


次の一手のお時間です

こちらが先手、戦型は雁木vs左美濃での相居飛車の将棋。
特に指したことがないということはなく、まずまず想定の将棋だったのだが……

第1図

第1図は42手目、1秒見ただけだと序盤の終わりの風情だが、
もう後手に決め手がある。
棋力は…10秒で二段、1分で1級、4分で4級といったところか。


(一応回答のため尺を空ける)



第2図

角交換から雁木の急所に一発。この3手一組で銀を取られてしまった。
呆れ果てるとはこのことで、飛車浮きで手を離した瞬間に気が付いて
血の気が引いた。
残念ながら、そして当たり前ながら誤魔化しも取り返しもつかない。

なお本譜はそうしなかったが、一応
▲2二歩△同玉▲6六銀△4四角▲2四飛△2三歩▲4四飛△同歩とすれば
銀は助かるものの、その後一方的に飛車を降ろされる。
また少し戻り、角交換に▲同金の方がまだマシの可能性もあるが、これも
△8八角と打たれ一方的に馬を作られるため、いずれも悲惨な結末は
変えられない。

以下は残念ながら指しただけになってしまった。
結果で責任は取っているとはいえ、これでは将棋としては振り返りようもなく、ただただ皆さんに申し訳なかった。

2種の原因

以下は言い訳の要素もある、盤外の振り返りになる。
エッセイか、或いは小学生の反省文でも読むつもりで
お付き合い頂ければ幸いだ。

なぜこうなってしまったのか。
色々考えたが、1つは「戦型・戦法が身体に馴染んでいなかった」
ことかと思う。

もともと、「雁木でいく。相手の陣形を見ながら、
『本雁木で先攻/ツノ銀雁木でカウンター』を使い分けよう」
と思っていたものだ。
だが、前者の先攻プランを取るなら端の位は立ち遅れの原因となるわけで、既に最序盤からチグハグになっていたと言える。加えて、後で見返せば5筋から銀を出したのも間違いで角打ちによる反撃を誘発しやすくなっている。

仮に得意戦法であれば、細かいポイントや差異についてもある程度整理
できていて、また流れとパターンで覚えているだろうからこんなミスは
しないだろう。
つまり端的に言えば、半端な状態の作戦を採った
「準備不足」と言えるかもしれない。

とはいえ。これは敗因でこそあれ、今後のためには必要な敗北と言える。
殆どの人間は身体で経験しなければ、得意になるまで「馴染」んだりしないものであり、取り組む時間も一週間二週間という単位ではなく、指す順の準備の枠を超えてもっと長期で必要になるだろう。それが当然だ。

――もう1つ、別種の原因がある。
即ちケアレスミスである。

人間だもの、プロだってするじゃん。などと言うのは簡単なのだが、
思い返せば発生しやすい状態というのはあり、そうなっていたのだと思う。
それは例えば、一つには先に挙げた「半端な状態の戦法を採択」というのがあったり、生活習慣やモチベーションなどもあったりするだろう。
これらがもう少し固まったものは「スランプ」と呼ぶ状態に相当するのだと思う。

余談になるが、自分はかつて別のボドゲをそこそこ真面目に取り組んでおり、その中で上級者のある人が、傍から見ればスランプ状態に陥っていた。
困っていたのだろう、実力実績で劣るだろう自分にもアドバイスを求められて――

――当時学生だった自分はなんと生意気だったことだろう。こう言ったのを覚えている。

「色んな戦術を知っているが故に、うまくそれらを引き出せない状態に
あるのでは」――

思い返すも赤面モノだが、なんたる偶然か。
その人は「それだ!すごいしっくりくる。納得した!」と自分に返し、それから2週間程でスランプを抜けた。

本当にそんな状態だったかは分からない。
ただ、『自分の中でうまく引き出せる状態にまで整理することが
強くなるのに必要である』ことと、
『そこを抜けると、自分の力の平均が一段階上のステージに上昇する』
ということを見せてもらった。

その姿を思い出して、今度は自分が一段階上のステージに上昇できるよう頑張りたい。(そもそもスランプじゃないことを祈る)

さあ、笑って

投了図

ということで、本局は自分の敗戦となった。
笑うしかない、或いは観ていても乾いた笑いしか出ないような
ふがいない将棋で重ねて方々には申し訳ないが、次回以降も
精一杯戦う所存だ。
これを書いている現在、既に第3局の結果も出ているのだが、
そちらも後日自戦記にまとめるつもりだ。誰が読んでるんだか

ところで。
特に指す順などで自分と対局する人には、先にお伝えしたいことがある。

第1図は42手目だったのだが、本局の総手数は132手である。
自分は、”そういう”人間だ。

さぁ皆さん、御一緒に。


「将棋は頭に金が乗るまで諦めない!頑張ります!ぶいっ!


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