走れみょーん

みょーんは激怒した。必ず、かの邪智暴虐のアプリをアンインストールしなければならぬと決意した。(『走れメロス』太宰治 引用)

邪智暴虐のアプリとは言うまでもない。マッチングアプリのことである。

マッチングアプリとは、恋人のいない青年期後期からおよそ壮年期までの男女を対象に、その人の社会的劣等感や対人依存欲求、及び分泌されるセロトニン•ノルアドレナリン•ベータエンドルフィンからくる安心感高揚感幸福感を得ようとする人間的本能、これらに漬け込み、新自由主義的発想で自由恋愛をコンシューム(消費)せんとする悪名高いスマートフォンアプリケーションのことである(諸説あり)。

何を隠そう、みょーんこと、この私、でーみょん小暮閣下もつけ込まれた人間(悪魔(フィンランドの妖精))の一人(一体(一匹))なのである。ちなみに年齢は10万2×歳のでーみょん小暮閣下だが、謎の力が働き、無事壮年期として解釈された模様。

長くなったが、今回のnoteの主旨を説明しようと思う。硬く言えば「かのような人の弱みに漬け込むアプリの孕む問題を、快刀乱麻を断つがごとく、明らかにしようとする試み」であり、簡単に言うと「マッチングアプリ上手くいかなくてムカつくので愚痴を書く」ことである。

さて、まずはマッチングアプリにおける「マッチング」の仕組みから書いていこう。知っている人は読み飛ばしてもらって結構。

マッチングアプリではマッチング(お互いが「いいね!」という好意を示すこと)することで初めて文章でのやり取りが可能となる。片方がいいね!を送っても、相手がいいね!をくれないとマッチングには至らず、メッセージでのやり取りが基本的には行えない。
ちなみにこの「いいね!」というものを送れる回数を男性は有料で買い、女性は定期的に無料で配布される仕組みである。また、「いいね!」を送られた方は「いいね!」を返す際に送れるいいね!の回数が消費されない(無料でいいね!を送れる)。

このいいね!を送る段階での相手に関する判断材料は、登録者全員に公表している情報のみである。例えば顔写真や全身の写真、身長、学歴、年収、趣味、性格などなどである。
このようにまずマッチングするまでにこれらの情報から「ありよりの森有礼(もりありのり)」と相手に思われなければいいね!をもらえないのである。
先に言おう。

ほとんどがルックスとお金で人選ぶねん!!!!!

ここに、でーみょん小暮閣下であられる私(自分に尊敬語使う)は声を大にして言いたいことがある。

ルックスやお金でいいと思われてたらアプリなんか頼ってないねん!!!!

ここに、マリーアントワネットをでーみょんは見る。
「パンがないならケーキを食べればいいじゃない」
有名なアントワネットの言葉である(本当は言ってないらしいが)。

でーみょんはアプリにこう言われているのだ。

「恋人が作れないならルックスや年収で女性を引きつければいいじゃない」

おい、それが消費者に対する態度かね?!
そこを!苦労している!のだから!フォローするような!システムを!作るのが!あなたたちの!
仕事でしょうが!(突然の文節切り)

そして、マッチングアプリ一般の大きなイシュー(問題)についてさらに書く。それ即ち「男子有料 女子無料」である。

もちろん、今の日本は男性に比べて女性はお金を稼ぎにくい国だと言われている(らしい)。そのためこのような不平等はむしろされるべき当然の配慮とも言うことができるだろう。でーみょんもそこには異論ない。問題なのは金額に差があるという構造そのものではなく、そうした構造が二次的に生み出した質的な差にあると言えよう。つまり、男性と女性のアプリへの意識の質的な差である。

この有料無料の格差は色々な質の変化を与える。まず男側は必死に真剣にするタイプと俗に言うヤリモクタイプである。しかし、基にあるのは「お金払ってるんだし」というのはあるだろう。

女側はとりあえずダウンロードしてみた⭐︎タイプと真剣にやるタイプである。ここには「無料だし」と「無料だからこそ」がいる。
最悪の組み合わせは真剣男×適当女と、ヤリモク男×真剣女の2つである。前者は男が傷つくパターン、後者は女が傷つくパターンである。真剣男×真剣女を基本的な、それでいて理想的(イデアル)なものとしてアプリは考えられているが現実的(リアル)にはそうはいかない。

せっかくルックスや収入面の壁をクリアーしてマッチングしたと思い、メッセージのやり取りを始められる!となったのに、相手が適当だったり、ヤリモクだったときの絶望の深さたるや、マリアナ海溝も「深いンゴ」というしかないほどでキルケゴールも「そら死にいたりますわ」と同情してくれるに違いないほどである。
でーみょん的一番むかついたアプリ女子は、みょーんのあげてたラーメンの写真を見て、どこのラーメン屋さんのものか知りたいがためだけにマッチングし、お店を聞き終えるや否や返事を寄越さなかった人だ。でーみょんはラーメンウォーカーではないのだ。as soon asで返事寄越さないのだけはやめてほしいのだ。へけ!

そうなのだ、マッチングしたらはい終わり!ではないのだ。そこからが始まりなのだ!くしくし。へけ!(どうでも良いがハム太郎はメスハムスターにモテモテなので嫌いなのだ!)

マッチングしたら、次はメッセージのやりとりだ。ここで相手に「やりとりしてて面白い」と思わせないといけない。当然、話しててつまらん人とメッセージする必要などない。つまらなくてもメッセージを続けてくれるのは、相手もなかなかマッチングしない人だけである。だから俺はどんなメッセージでも基本的には返す。かならず一つは疑問文を添えて。

メッセージのやり取りが続くと「電話しませんか?」や「会いませんか?」と言った話になってくる。そして逢瀬を重ねる。そして最終的に「月が綺麗ですね」と太宰の師匠の師匠の言葉を借りて愛を伝えるのだ。

まとめると
第一段階
ルックスやステータスで相手に良いと思わせる。
第二段階
マッチングして返事が欲しくなるようなメッセージを送る。
第三段階
メッセージのやりとりを続けられるようにする。
第四段階
会いませんか?電話しませんか?の提案にのってもらう。
第五段階
実際の見た目や声のトーン、話し方などなどから色々判断される。
第六段階
諸々判断された上で複数回会ってもらう。
第七段階
告白内容に対し了承を得る。

長くない?

段階多くない?

次に一般的(?)な例として、ワイことでーみょんのアプリでの実績をチェーケラッ!

いいね!送った人数
300〜400人
マッチングした人数
30人前後
メッセージのやり取りまで行った人
20人前後
実際に会ったり電話までに至った人
7人
2回目がありかけた人
2人
実際にあった2回目の回数
0回
マッチングアプリに費やした費用
25000円 
俺の傷つき
price less

ちなみにサクラ?業者?ともマッチングした。あいつらゆるさねぇからな!

そんなワイからすると現代社会の癌にしか思えないアプリをまだアンインストールしていない。癌なら手術して摘出するのがいいが、まだ一縷の望みを残しているのである。
安西先生が「諦めたらそこで、マッチング終了ですよ」と囁く。

漫画スラムダンクでは、そこから天才•三井は神奈川県優勝を決めた。
ではみょーんはここから優勝できるのか。はたまた生まれたときから試合終了していたのか。
それは神のみぞ知る世界である。

P.S.今もマッチングした女性からのメッセージを待っているところですが、ずっと返事きません。ウザい


でーみょん小暮閣下、もとい、みょーん。


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