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花の名前

秋の花で有名な彼岸花。

ふと、祖母が彼岸花のことを「シーレー」と呼んでいたことを思い出した。



当時の僕は彼岸花には「マンジュシャゲ」という別名があることを知っていたので、花にも色々な名前があるんだな、としか思っていなかった。



彼岸花の別名は方言のものも合わせると1000以上あるみたい。

「死人花」

「地獄花」

「毒花」

これは、お墓によく植えられていることや、花の球根に毒があることに由来するそう。

これを知って、祖母が言っていた「シーレー」は「死霊」から来ているのかな?と推測。

答えは分からなかったが、
先日、宮本常一の「忘れられた日本人」を読んでいたところ彼岸花に関する面白い話を見つけた。


天保のキキンの時はずいぶん伊予からたくさん来て、シライ谷に小屋をたてて住んでおりました。

シライ谷というのはシライの多い谷のことで、シライはシレエとも言い、彼岸花のことです。

もともと救荒植物として土佐藩ではこれを田畑の畔に植えさせたようですが、シライ谷は今行っても初秋には火が燃えているようにこの花が咲きそろうと言うことです。




救荒植物とは、凶作や饑饉が起きた時に食べることのできる植物を指すそう。

当時の土佐や伊予では、「彼岸花=シーレー=シライ」の球根の毒を抜いて、飢饉の際に餅にして食べていたらしい。

「毒花」や「死人花」、「シーレー=死霊??」と呼ばれる花だけど、人の命を救う大切な花だったのかも

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