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リズムと旋律の関係

「読譜のとき、リズムが大事だよ。+リズムをベースにして、メロディを”しっかり”作ろう」、というのは前の記事で書きました。


でも、なんでメロディにリズムが重要なのか、というところを、ちまっと。


旋律(メロディの)定義とは

コトバンクの辞書的定義からすると。

「一般に「音楽の三要素」として、旋律は律動(リズム)と和声(和音の継続的連続、ハーモニー)に対立させられるが、旋律からリズム的要素を取り除けば楽音の無意味な羅列となり、これは旋律とよぶに値しない。

音楽の三大要素 = リズム・ハーモニー・メロディ。
強弱の差のある”拍動”でリズム、違う高さの音を複数使った”和音の調和”、その上で、「リズムをベースにした」メロディ。ということだと思います。

・リズムは、全パート共通。
・ハーモニーは、どちらかと言えば伴奏パートで重要。
・メロディはメインパートが命を吹き込むように。

…という感じで、実際は分担されていきます。

(「なんとなく合奏がごちゃつくとき、伴奏パートの整理整頓がキモ」、というのはこれ。「ハーモニー」を大事にするココロで解決)

なので、上記引用によれば、リズムの取れていないメロディは、存在してはいけないくらいのもの。
だから、3拍子・4拍子等は、読譜の時からマストで押さえるべきポイントになるわけです。

…ということで、いったん終了。
続きはおまけになります。

(メロディは命を吹き込むように、と書いてしまって、その説明をどうしようと思って保留にしていたのですが、続きは別の記事に書いたので、メロディの作り方の初歩についてはそちらで)

▲ 伴奏のハーモニーについては、絃の呼吸法を少し。
ワンフレーズという『単位』、メインメロディに添わせる感覚をつかむ考え方です。
特に同じ形を連続させていく場合は、これがないと、絶対的に合わない。
単調な伴奏をしないために。

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以下おまけ。

旋律の項を引いたので、もう少し書いてあることを見てみると。

・旋律であるためには

「旋律であるためには、楽音の連なりそのものが、なんらかの音楽的表現意図をもった一つのまとまりでなければならない。つまり、旋律は音楽的にまとまりをもった一連の楽音の継時的つながり、または運動と規定することができる。」

「なんらかの音楽的表現意図をもった一つのまとまりでなければならない。」
ここ注意なのは、”意図を持った”、とは、奏者の意図ではなく、作曲者の意図。だと思います。
前の記事でもちょろっと書いたけど、読譜の時に分解して、再構築する工程を通して、作曲者の意図を理解する。その上で、奏者の解釈をのっけるようにすると、破綻しにくいです。

・音の並びの意味

「一般に、上昇旋律は緊張、下降旋律は弛緩(しかん)、アクセントのあるリズムの旋律は興奮、均等なリズムの旋律は平静を表すとされる。」
https://kotobank.jp/word/%E6%97%8B%E5%BE%8B-89008
以上引用すべて  小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) の項より

*上昇旋律。
これは音が上がっていくメロディ。緊張、それから凝集やぐぐっと力が加わるような感覚だったり。「近接」「貫通」もしくは「加速」、と捉えられることもあるかも。行動としてはアグレッシブなイメージ。

*下降旋律。
これは音が下がっていくメロディ。どちらかといえば、緩められる開放感や、遠ざかる、リラックスするようなイメージのことも。または「失われる」「色あせる」、そういうイメージで捉えられることもあるかもしれません。

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*アクセントのあるリズムの旋律。
これは、「ノリがいい」とかいう表現が使われるようなものですね。
「ドゥーン・パッパッ パラパパ・…」みたいな、低音と高音の組み合わされたリズムは、より一層の興奮をもたらします。よくあるのがクラブミュージック。
これに、テンポが組み合わさると、より一層の興奮がもたらされることがあります(といわれています)。これについては別記事をどうぞ。均等なリズム、またはアクセントのないメロディについても、ゆるやかなテンポの所で紹介しています。↓


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・旋律にプラスする、強化する指定

・上昇していく音 +クレシェンド
「上昇旋律」と「徐強」が組み合わさると、強い情動・熱さ・激しさが加わってきます。
そこへさらに、「加速」、アッチェレランドの指定があると、さらにさらに急上昇の上昇気流になります。爽快感すらある感じの。
(* 部活ではaccel.を英語読みの口語でアクセルって言ってるけど多分正式じゃないですアレ。略はアッチェル)

・下降する音の並び +デクレシェンド
「下降旋律」と「徐弱」が組み合わさると、これまた和らいで・遠ざかる・名残惜しい感じ。
さらに「徐緩」、リタルダンド(rit. リット)がついたら、引きの美しさが。


楽譜の指定、「そのとおりにやろう」とだけすると、ちょっと間違えることがあります。
フォルテのためのフォルテ、クレシェンドのためのクレシェンド、とかになっちゃうので。
「イチゴは赤って書いてあるから、赤の色で全部塗ったよ!」て感じのグチャグチャ塗り絵みたいな、「ツールの使用=終着点」になって残念な作品になっちゃう。

表現を強化する目的でつけられた楽譜の指定を読み取って、「何を音にしてほしいのか」考えて演奏できたら、表現として成立しやすいですし。
「雑」「汚い」とか評されることは少なくなりそうかも。

この、”方向性”というの、奏者同士の意識の統一により、表現だけでなく、音の種類も似てくるので、そろったように聞こえる効果も。w
(目的を読むというと、難しく感じられるかもですが。
「ここはフォルテだからフォルテにして」と伝えるよりも、たとえば「ここは光の強さを出したいからフォルテにして」と伝えた方が、パート内がまとまりやすいですし、結果として美しくなると思います。
曲作りとまではいかなくとも、こういう使い方、「そろえる」の1つの手段かな。w)

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おまけおわり。
リズムが、曲の拍動、心臓の音なので、そこを大事にしてほしいな。
と言いたいがための記事でした。がんばろ。

合奏の基本、パートの合わせ方について、もう少し書いてみた記事あります↓

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