見出し画像

トレモロの修正、よくあるパターン

基礎編の続きとして。
実際の練習時に、気をつけたいところいくつか。

練習途中のトレモロ、気をつけたいこと

★とにかくリセット大事
練習をし続けると腕が疲れるので、早めにリセットをかけ、こまめに姿勢と構え、セッティングを取り直すこと。
よい練習とは、よい状態をなるべく長い時間味わえるようにすることなので。疲れてきて何回やってもいい状態が作れなくなったら、その日は一旦あきらめるという選択をするのも手です。

★うまくいかないとき
「うまくいかない」という結果には、理由が必ずあるはずなので、「何が悪いのか」原因を地道に探すことが大事です。人のやり方を観察したり、誰かに見てもらったりして、改善点を探ってみよう。

★無理な課題に+無茶に取り組んでいないか
基礎のベースが固まっていないのに、「ひたすら繰り返せばできるはず」という希望的観測のみで、難しい課題(曲)に取り組んでいないかな。
曲中の難しいところ、課題をクリアするためのステップとして、必要なこと・足りていない練習を、段階的にバラして考えることができそうなら、少し時間をかけて基礎課題に取り組むなど、練習の内容を変更してみよう。
(*これはトレモロに限らず他のものも全部そうです)

-*-*-*-*-

改善点を探す方法

★姿勢チェック

基本の姿勢の取り方、かまえ、等が崩れていないか。(姿勢は座りの位置から。かまえは特に肩の位置とひじの位置をチェック)
手元は、爪のあたり方、角度、力の入れ方など、自分のやり方のコツがあれば、チェック。
基本的な姿勢については、基礎編を見て下さいね。

★弾く位置

よく響く位置は、普段弾いているところよりも少し柱に近いところ。
響けば、大きな音を出そうと頑張る必要がなく、楽。
(ただし、あまり柱の方へ近づけると音質が変わってくるので、ボヤボヤにならない程度のよいところを探そう。だいたい龍角に手首がくるくらいかな)

★引っかかるときは

爪が深いと絃にかかりやすいです。なのでトレモロは絶対に「弾かない」
「絃の上側半分に爪の先が触れる程度」「スルスルなでるように」の心持ちでやるとかかりにくくなる。
実際、爪の先はほとんど絃より下には入らないです。弾くときは爪先3mmとか言いますけど、トレモロは入り以外、キープしてる間は触る程度でいいので。
角度の45°-45°はOKなのに絃にひっかかるときは、深さをチェックしてみて下さい。

★ジャリつく(雑音)・音が汚い

爪のヘリで絃を絃に沿って擦ってしまうと、雑音が入ります。トレモロの場合は雑音がないのがいいので、振り方・爪のあたり加減を誰かに見てもらい、ヘリが絃方向に移動しないように、改善点を探しましょう。(だいたい振りの角度(=肘の位置)を直せばよくなる気がする)

音が ガチガチ・ガチャガチャ 、汚い場合
振ろう振ろうと力が入りすぎて、手が硬くなっています。まずは手の力を抜いて、ゆっくりでいいので、柔らかく丸みのある音を目標に。
振るのに意識がいきすぎると、ガチガチになってきがちなので、必死にならずに振れるように、普段から力の入れ方・抜き方のコントロールの仕方に気をつけて練習しよう。

★振りの幅を一定に

振りの幅が不安定だと、スピードが一定に保たれていても、音はばらつきます。(往復の距離が変わると時間のかかり方が変わるので、音の間隔が一定にならない)
振りの幅をそろえるためには、力が入らないようにする、疲れないようにする。速く振らない。
「トロトロ」「コロコロ」と口に出しながら、ゆっくりと幅を見ながら振ってみるのもいいかも。とにかく、丁寧にやるのがポイントです。適当・雑・絶対禁止。休憩必須。

★隣の絃の音が入る

振り幅が大きいため、はみ出している状態です。
上記同様、丁寧に振り、幅をよく見ながら感覚を掴みましょう。

一応、絃と絃の間は18mm程度ということなので、イメージトレーニングとして、紙の上で”前後幅 40mm、中央に絃として一本線を引いた枠”を引き、右手でトレモロの構えをとって、その枠内で納まるように人差し指の往復運動をするのもアリかもですね。
振り幅は、15mmくらいを目標に、ゆるく力を抜いて振れると、いいのでは。

(試しに紙の上でペンを持ってトレモロの動きで振ってみましたが、私はだいたい10mm程度でした。まぁそんなもんかも)

★★振りのセンターを、絃の真上に

振り幅が一定に保たれていても、振りの中心がずれると、絃に対して爪の往復の距離(時間)が変わります。いったりきたりの各時間が均等にならないと、音の間隔が均一になりません。
(後で図を入れますね)

画像1

音が「タタ・ タタ・…」となるときはこれ。
自分でやってるときは気がつきにくいので、耳で聴きつつ目視でよくよく確認して下さいね。特に振り始めの最初はいいけど疲れるとずれてくるパターンが多いです。振れてるのに安定しないとき、必ず確認して下さい。


-*-*-*-*-

★入りをそろえる、拍頭を出す

トレモロの入りをそろっているように聴かせたい、小節の頭の強拍・リズムの刻み等で、トレモロの入りを強くしたい(sf、スフォルツァンド的に)したいとき。
音を強くしたい一心で、かえって振りが雑・粗暴な振り方・荒れたトレモロをすることが多いです。コツは、手を大きく振りかぶってたたき込むのではなく、爪(指先)をしっかりさせて、振りの一回目を切り込むように「カン」とあてる。

(硬めにあてると、硬めの音がします。硬い音はよく飛ぶ=聞こえやすく通りがいいので、ハッキリ強く印象に残ります。これは他の技法でも同じ)

これは、一音だけの「カン」の練習をし、一音「カン」+そのまま振りにつなぐ練習に移ると、スムーズかも。
振りは、振り始めが「手前方向」か、「奥方向」か、人によって違いがあるので、自分に合った「カン」を練習して下さい。

★移動トレモロ

メロディなど、切らずにずーっとトレモロの指定、よくある。音を切らずに手を飛ばす方法があります。
トレモロの振りを、一瞬だけ幅を広げて、瞬間移動してそのまま振り続ければ、音は途切れません。コツは、振りを、そっち方向へ振る瞬間の一回だけ、大きく開く感じ。
練習の時は、ゆーっくり「た、た、た(ひらいて瞬間移動)ら、ら、ら、」という感じでやってみて下さい。

-*-*-上級生向け-*-*-

★振り幅+微細なコントロールテクニック。(上級編)

トレモロのなめらかさにあこがれてスピードにこだわる人はわりと多いですが、基本を押さえることができるようになるまでは、それは二の次です。

速さを求めようと、変に気合いや力を入れて振る人は、無駄に力を使うのですぐに疲れてしまい、音質や一定の音量をキープできないことが多いです。なめらかなトレモロに、力はいりません。速さすら必要ないです。必要なのは、往復の幅を狭めることで、時間あたりの往復回数(=音数)を増やすこと。かつ、10mm程度の振り幅でも・余計な力を入れずに・安定した状態で・きっちり振れるようになること。
3年目くらいまでは、基礎練習でゆっくり安定して振れるようになることを目標にして下さい。まずはベースのクオリティを上げること。できるようになったら自然とトレモロは速く美しくなっていきます、あえて目指さないことを選択してほしい。

(「ゆっくりでうまく弾けない人が、速く弾こうとしても無理だよね」と普通の弾き方の時は言って納得してもらえるんだけど。なぜかトレモロはわりと、ゆっくりでうまく続けられない人が「トレモロは速さが大事」って頑張るの多いんだ。コントロールできないならやめとき笑)

★ 指先を「締める」(上級編)

振りがうまくできるようになってきたら、指先だけ力を入れられるように練習します。腕に力は入れないように上手にコントロール。
指先の力が抜けていると、やわやわな音しか出ませんが、指先を「締める」ようにすると、キリッとした音、大きく聞こえる音=ff (の表現された)音、緊張感のある音、そういう音が出せるようになります。
三年生くらいかな。強弱の変化が出せると「歌える」ようにもなってきます。締め具合を変えれば、クレシェンド・デクレシェンドも自在。

-*-*-*-*-

めったにないけど「ダブルトレモロ」について、別記事を書いたので、よかったらそっちも。


↙左下の♡マークをポチして下さるととても喜びます。(未登録の場合はポチのカウントのみです、ご安心を) よろしくお願いします❤️ もちろん投げ銭サポートもできればよろしくです!