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映像研究のすすめ ~音楽の演出のバリエーションをつくるために~

(2022.01.30 加筆修正)
演出のバリエが音の強弱しかなくて、楽譜の書き込みが「もっと強く!!!」とかいっぱいで、真っ黒になったことありませんか。
私はあったし、過去にもたくさん見ました。それで困ったりした話。
それで、目で見る資料もあるよって話。

昔の自分の話

ここは飛ばしていいよ

OBとして作ってた、メモ的な旧ブログの記事から、上記の真っ黒楽譜について抜き出してみると、色々書いてはあるのですが。
音量だけで演出をしがちな傾向が強かった時期、こんな風に書いてました。

「前から感じるのですが、近視眼的な演出の指定が多い。
小節単位でのクレシェンド・デクレシェンド。
なぜそういうことになるのか、譜読みをどれだけしてあるのか、わからないのですけども。”とりあえずクレシェンド・デクレシェンドを入れとけばいいだろう”というのは安易にして愚行。
どれも同じ味しかしない、そんなメニューのお店はつぶれます。」

なかなか、辛口です。書いた人間の若気の至り的な切りっぱなし感がすごいですねぇ(自分だけど)

しかし、この頃、それで何を出来たかというと、ほとんど出来なかった気がします。
何かの感覚を「言葉にして伝える」って、すごく難しいのです。
自分の中の無意識でやってる部分、聴き手へ与える印象の計算とか、パート同士ののバランス調整とか、体力温存策とか、その場面のその瞬間って色々あるけど、そういうのブラックボックスになってる。

こうしたらいいよって、なかなか、言えない。この時期も、いろいろ思うことはあったけど、言葉にできたのが上記ブログ記事の文章程度だったんです。
もう一歩進められたらよかったのにな。まぁ何年も後になって考えることだから言えるんだろうけどw

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演出=音量調整 一択だったとき、音量だけで何とかしようと試行錯誤を頑張りすぎた結果、すごいことになってびっくりした話。

練習を見に行ったとき、「聞いて下さい」と出されたのが。
「作曲者の指定とは逆の演出にしてみました!」
って、強弱記号をひっくり返した演出、写真でいえばネガフィルムみたいなもので、ゐ先生とふたりしてあまりの前衛感に打ち震えた、てことがありまして。
ゐ先生はもう少し優しい言葉で伝える努力をしていたけれど、私は「…気持ち悪い…」しか言えなかったです。正直すぎるな。
しかし今となってみれば、なかなか滅多にない実験のブツを聞かせてもらえたようなw 

バリエーションとは? 変化をつけるとは? という部分で、何をとっかかりにするか、というのは、いろいろありますが。
もちろん楽譜の上の音を再現するのは前提で、楽譜にある「パーツをどう活かして組み上げるのか」という作業、ここが個性につながるかなとも思うので、あまり深くは言いたくない気もするのですが、あまりに手を出さないとこういうことにもなるのだなとか…w

まぁそんな話は置いといて。
実際どうする、どのように「道筋を探させる」のがいいのかなって、ちょっと考えまして。
映像で例えることが、この頃からけっこう増えてきたかな。

バリエーションを考える

①基本的な演出のバリエーションが少なすぎる
②スパンの短い演出になりすぎている
③続く場面に対しての効果を考えられていない

当時、どうしたらいいか改善点を考えてて、そのときに上げていたのが上記三点。

旧記事から続きで、抜き出してみると。

スパンの短さは、曲にもよるけど、でも細かいシーンがつなぎ合わされているとかのときでも、一連の塊をゆーっくり上げていってメインでドン!ってやるやり方もあるからなぁ。一概には言えない。
(こういう演出のバリエは、オーケストラとかクラシック音楽の方が豊富よね、色々聞いてみるといいと思う。)

うん、器楽曲はバリエーションの勉強教材にしやすいと思います。オーケストラは敷居が高い、というのであれば、室内楽の小編成をいくつか聴いて、構成×演出のサンプルを探ってみるのも面白いかも。

音の動き方も、長調の時と短調の時と、同じ楽器の音なのに出し方で色が変わるので、そういうときの音の作り方、場面の作り方も、参考になる気がします。

余談。
私は箏をやってて、音のパツパツな単発感が嫌だったので、一時期バイオリンを聴いていました。滑らかのひとつ=音の粒をそろえるってことを、「バイオリンのように弾く」と意識して身に着けた気がします。

楽器の特徴を最大限に活かす、というのもありなんですけど、演出に使える音を増やす、幅を広げるという意味では、真逆の音を出すように練習してみるというのもアリなのかなぁ。

映像研究のすすめ

そうそう、で、演出の研究。
映像がどれだけ音を意識的に使ってるかは、ホラー映画を無音で見たらわかると思います。セリフは字幕表示でね。全然怖くないから。ほんとうに全然怖くない。ぐろいのはだめだけど。

「雰囲気」って一言でいうけど、わりと物理で作られているものなのですね。受け手の心をどう操作するかは、意図的につくられてある。
だから、映像の演出には、色々ヒントがありそうです。
(こんな記事を書いちゃったけど、別に映画や映像に造詣が深いわけでもなく、単純に私が見た範囲で感じたことですけど、参考になるなら……;)

過去ブログからもう一回。映画を例えにひいて。

緩やかな上下以外にも、びっくり箱的なのとか、もっと使うべき。
たとえば、水面下に潜んでじりじりと気配だけして姿を見せない、という「焦らし」。
ホラーやパニック映画の最もスタンダードな形だと思うのですが。
そこからいきなり飛び出してきて襲う「カットイン」が、そういうときのパターンですよね?

私は音楽的にはこういう演出が大好きなのですが、映画やドラマでは大嫌いです。w 怖いからね!びびりまくるから!
でも、そういう演出も、飽きさせないように必要ですよ。

ほかにも。
・長回しのスローで、ジワジワと引き込む。
・短いカットを次々入れ替えての、スピード感。(この辺は音楽系のPVとかでもよくありますね)

①カメラワークの考え方

▶ 「カメラワークの考え方」を、そうはっきりと言葉にして教えてくれたのは顧問の先生なんですけど。
演出の種類が分かりやすいのは、音楽よりもどちらかというと映像で、目で見る方が理解が早いのかなっていうのは、自分でも思っていました。(演出効果=自分の受ける情動の変化が実感しやすいのではと)


②演出に使われる音の意味

映像には効果音とかBGMがついていることが多いんですけど。カメラワークにプラスされる、動きにリンクする音や音楽って、どうなってる???
そこも気がつけたら、より面白いかもです。

例えば、怖がらせるためのSE(効果音)、泣かせるためのBGM(楽曲)。
種類と使い方も意識してほしいんだけど。
その使われてる「前後、間とタイミング」をみてほしい。

たとえば、
・バァンとくる前は、すんごく静かでいやーな感じに抑えてあるとか。
・泣かせるときは、盛り上がった瞬間か直後に、キラキラ感のある曲がスッと、とか。
こういう時の、低音 or 高音の差し込み方ってあると思うので。
それを演出に活かすのも、ありかなと。思います。


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