#君と夏が鉄塔の上読書感想文
私は、ひと夏の淡く不思議な体験をした。
この物語は、鉄塔マニアの男の子・伊達が、鉄塔マニアだったからこそ巻き込まれ、経験したお話だった。自転車で空を飛ぼうとする破天荒な同級生・帆月を発端に、幽霊が見えるという不登校児・比奈山と不思議な縁で結ばれ、帆月が目にしたとある「鉄塔の上に座る男の子」の謎を三人で解き明かしていく物語だ。
私がこの本を初めて読んだのは昨年の九月の終わり、社会人になり知らない東北の地に引っ越した友人に会いに行く新幹線の中だった。肌寒くどんよりとした天候の