坂の勾配に合わせたアクセル加減
以前別のブログで書いていた記事です。仕事で教習指導員をしているので、ぼくの文章では車の運転に関する話がちょこちょこ出てきます。――――――――――――――――――――――――――――――
マニュアル車をしはじめる前までは、坂道発進で苦しむことなんてなかった。免許を取ったときも坂道発進に苦しんだ覚えなんかなかったし、取ったあとに家の車を運転しているときも、坂道発進には苦しまなかった。
むしろ発進したあとの加速が大変だったおぼえはある。マツダのキャロルを運転していたときは、エンジンが非力だったからか、上り坂を上ろうとしたらすごいエンジン音をさせながら、えっちらおっちら上っていった。イグニスを運転しているときはそうでもない。発進したあとの加速はなんなくできた。ヒルスタートアシストがあったから発進だって楽々だ。
ところが、スイフトスポーツを運転し始めると、ヒルスタートアシストなんてないし、マニュアル車だから、クラッチが切れた状態だと後ろにどんどん下がっていってしまう。坂道の中腹で一旦停止し、車列が動き出したらそれに合わせてこちらもすぐに発進するわけだが、発進する際に後ろに下がったら後続車にぶつける可能性があって危険なので、上り坂で止まるときに勾配があるなと感じたら、毎回ハンドブレーキを引いている。限定解除の教習で教わった通りだ。それを毎日の通勤でやってるわけだから、毎日坂道発進の練習をしてることになる。マニュアル車の練習時間確保のために自分でこうなることを望んでいたとはいえ、やはり大変なものは大変だ。エンストすることは減ってきたとはいえ、完全にはなくせない。気を抜くとエンストしてしまう。まだまだ完全にはこの車に慣れきっていない。
今日書いておきたいのは当たり前といえば当たり前のtipsだ。
上り坂で停止したあとに発進する際は、教習で習った通りの手順を踏むのはもちろんだが、坂の勾配を感じ取って、その勾配に合わせてアクセルを踏む必要があるということ。ハンドブレーキを引いて下がらないようにしたいくらいには上り坂でも、勾配がそこまで急なわけではない上り坂、というのもある。今までそんなこと気にしたことすらなかったが、スイフトスポーツに乗り始めて意識するようになった。
上り坂で止まって、そのあとに発進すればいいんだろ?手順も操作もむずかしくないじゃないかとお思いかもしれない。思ってないかもしれない。どちらでもいいが話を続ける。
たしかに、発進するだけならむずかしいことはない。ハンドブレーキを下ろしながら半クラッチと強めのアクセルでいい。ただし、これが例えば渋滞の車列中であればどうだろう。アクセルが強すぎると発進したあとに急加速してしまうので、前の車に追突してしまうかもしれない。
となると、アクセルは通常の発進よりも強めだが、強すぎてはいけない。なので、その塩梅を車と対話しながら探ることになる。勾配がよりきつければ、アクセルはさらに強く踏まなければならないが、同じことだ、前に車がいたら追突してはいけないので、強すぎてもいけない。
上り坂の勾配に合わせて、強すぎない強めのアクセル加減を探ること。これがむずかしいのだ。
ここからさらに、よりなめらかな発進を追求しようとすると、まさにそのジャストなところ(=強めだが強すぎないアクセル加減)を突く必要がある。
坂道発進は奥が深い。まだまだ要練習。
2023年7月27日
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