そもそも知識がないと教えることはできない

以前別のブログで書いていた記事です。仕事で教習指導員をしているので、ぼくの文章では車の運転に関する話がちょこちょこ出てきます。――――――――――――――――――――――――――――――

指導員を始めて3ヶ月が過ぎた。その間いろいろあったが、ぱっと思いつくことを書いていってみよう。書くことがたまりすぎると、いざ書こうと思ってもなかなか筆が進まなくなってしまうものだから。

まず書いておきたいのは、教える立場と教えられる立場で、こんなにも学ぶ量が違うのか、ということだ。自分が教習生時代に学んだことは多々あったし、勉強していなかったわけではないものの、教える立場になって勉強する量を考えると、それはやはり違うと言わざるをえない。指導員になるために中研で勉強したけれども、なってからもまだまだ勉強が足りない。

こう書くと、何を大真面目にそんなことを言ってるのかと言われそうだけれども、実際問題、じゃあ第2段階の項目9「駐・停車」を教えようという段になると、その教えるという仕事を遂行するためには、駐停車禁止場所や駐車禁止場所を完全に理解していなければならないわけで、わかっていないと生徒さんがあらぬところに停めようとしたときにそれをしっかりと注意することができなくなってしまう。中研で教則の問題として駐停車禁止場所をすべて正確に書け、なんて問題があったけれど、これを書けると第2段階の仕事につながってくるよと誰かが教えてくれれば、もう少し真面目に覚えようとしたかなと思う。イヤイヤ覚えるんじゃなく(当時はそうだった)。逆に言うと、しっかり覚えた徐行場所の知識で、坂道の通行を教えるときに大変役に経っている。徐行場所の知識は特に場内を教えるときに非常に便利だ。

あるいは第1段階16~19の交差点の通行シリーズを教えるときにも、教えることがあるのとないのとでは、教習の中身が全然変わってくる。決められたコースを回りながら右左折の仕方を仕上げていく時間だと捉えているので、基本的に見ているのは生徒さんが安全確認と合図をきちんと遂行してくれるかだ。だから、必ず教習の導入の話の際には、

「右左折の合図は何メーター手前までには出しておくんだったっけ?」

「じゃあ進路変更の合図は、進路変更する地点に到達する何秒前までに出しておくんだっけ?」

と確認するようにしている。そもそもこれがわかっていないと、この時間練習コースを回る意味がなくなってしまう。右左折の合図や進路変更の合図の知識はまず絶対に持っていないと、この項目を教えることはできない。あるいは、右折する際に対抗直進車、対抗左折車がいるときの知識も持っていないといけない。これがないとそもそも免許は取れないはずだけれども……。

それに加えて、巻き込みの確認の知識もいる。右折の巻き込みチェックは、特に横断歩道上の歩行者に気づくのに非常に重要になってくる。左折の巻き込みチェックも同様で、自転車、二輪車の巻き込みチェックだけではなく、巻き込みチェックする視線の先側にいる歩行者に気づくことができるようになる。

追記で書いておくと、これを最近運転教本で教えるようにしている。そうすると非常に説明しやすいのだ。大事なことは大体運転教本に書いてある。

ひとまずここまで。

2023/11/07

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