阪神はサイン盗みをしてないと言いきれる6つの理由

 20日、金村義明氏がYouTubeで行ったラジオで日本球界が揺れるような発言がされた。
「サンズはセカンドランナーにコース教えてくれ言いよるらしい」
 つまり阪神のサイン盗みはクロだと言うのだ。
 

①金村義明を信じれるか問題

 まずは金村氏を信じられるかという所から始まる。関西出身と言うこともあり、主に阪神の情報などのトークで人気を集めていたが実は阪神タイガースには縁もゆかりも無い。

 
それ所か横田慎太郎選手が現役時代に病気が発覚した際、球団は治療に専念して貰うために公表せず秘密を貫き通した。その際に何も知らない金村氏は
「情けない、何休んでるねん」
「こんなんで休んでるようじゃ無理」
等と発言した人物である。

 プロは怪我をすれば一般人である。言っていること自体は間違いでは無い。
 しかし評論家として活動している身で、何も知らずにこういった発言が出来る人物を、サイン盗みの情報源として信用は出来ないだろう。

②ランナー2塁時の成績は普通

 何より1番面白いのは、ランナーが二塁に居ても成績は大して良くなって無いというところだ。

 〇佐藤輝明

ランナーが二塁にいる場面
85打数19安打 打率 .223 本塁打1本
それ以外の場面
340打数82安打 打率.241 本塁打23本

〇サンズ
ランナーが二塁にいる場面
102打数30安打 打率.294 本塁打4本
それ以外の場面
306打数71安打 打率.232 本塁打16本

 佐藤輝明に関しては二塁にランナーが居る場面では数字を落としており、本塁打は1本しか放っていない。

 サンズは二塁にランナーが居ると成績が上がっては居るが、ランナー三塁のみの場面でも驚異的な成績を残しているのでサイン盗みが原因で数字が伸びているとは考えにくいのでは無いだろうか。
それにサイン盗みをしているなら二塁にいる場面での本塁打ももう少し増えておかしくない。

そして両者に共通するのは、
「走者二塁では打てているのに、二・三塁では成績が悪い」
と言ったような数字の矛盾が起こっている。
 もし仮にサイン盗みをしているのであれば、二塁にランナーがいる場面ならどのケースでもいい成績が残っているはずだ。ある一定の場面だけはサインを出さないというメリットが見当たらないからである。

③手を出さない佐藤輝明

一部で問題視されている
〇二塁ランナー・サンズ 
〇打者・佐藤輝明
の場面。

サンズは捕手が構えている方に動いてサインを伝達しているとイチャモンをつけられているが、

 佐藤輝明は外の緩いカーブに対して、踏み込まない所か若干腰は引き気味で完全に打ちにいっていない。外角へ来ると分かっていたなら、これと無い絶好球である。タイミングが合わなかったから見逃したという可能性もあるが、踏み込まないメリットが無い。サイン盗みをしていないと言える場面の1つだろう。

④言及されない菅野智之

 近本光司がヤクルト戦で二塁への帰塁準備の為に手を伸ばした所サイン盗みを疑われたが、怪我予防の為には大事な準備動作である。実際、後日ジャイアンツの菅野智之がこの動作を行っていたが何もお咎めは無かった

 近本の行為がサイン盗みだというのであれば菅野のこの行動も問題視されるべきだろう。しかしそうはならなかった。と、いう事はどういう事か。
近本も菅野もサイン盗みでは無いのである。

 ただ阪神を叩きたい一部の野球ファンがココぞとばかりに便乗し騒いだ結果、怪我防止の行動がサイン盗みと語釈され拡散されてしまった。少しでも野球をプレーしていればこの行動がサイン盗みでは無いことくらい普通に分かることである。

⑤サンズにサインを出す選手が居ない

 今現在、二塁からサインを伝達したと言われているのは近本光司とサンズの2人である。つまり、サンズは近本のみからサインを伝達してもらっていたという事だ。

 阪神は6月8日から27日までの15試合は1番近本6番サンズという打順を組んでいる。近本からサンズまで4人の打者がいる為、サンズが打席に立つ時に近本が二塁に居ることは不可能だ。
(近本が先頭で出塁し三塁へ留まったまま二死満塁になる以外サンズの打席で塁上に存在できない)

その間の成績は54打数16安打 打率.296
6月6日までの打率が.280だったこと、近本とサンズの間を打つ選手にサイン盗みの疑惑が出ていないことからサインが無くても打てることが証明された。

⑥終わりに

 以上の5つが私の見解だ。
 確かに紛らわしいことはしてはいけない。だが証拠や根拠も無い中で選手を誹謗中傷したり、それまでの名誉を傷つける発言はそれ以上にしてはいけないことである。命懸けでプレーしている選手達にもっとリスペクトを持って接するべきだ。

 またここで言及しておくが、佐藤輝明の不振は梅野隆太郎の怪我による不調が原因だと考えている。サイン盗みがどうとかの理由では無い。

 開幕から7月頃までは6番佐藤7番梅野という並びが定番であった。脅威の得点圏打率を誇っていた梅野がバックにいることで、佐藤を歩かしたくないという心理がバッテリーに働き甘いゾーンに集まることが多かった。

 しかし梅野はオリンピック終了後は怪我や疲労の影響もあってか打撃に精彩を欠いた。すると佐藤をプロテクトする打者が居なくなり、バッテリーは大胆に勝負に出れるようになったのだ。

 サイン盗みが指摘された7月7日以降佐藤の成績が落ちていると言われているが、その2週間前の6月24日の中日戦からの12試合の成績は44打数7安打打率.159である。明らかに調子を落としている兆候があった。それを他球団のファンが無理やりサイン盗みが出来なくなったとこじつけているだけなのだ。

まだまだ書けることはあるがこの辺にしておこう。何か反論があるようであれば、コメントなりTwitterのDMなりしてして欲しい。


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