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「秋の音」を探しに
四季の中で、私が一番郷愁を感じるのが「秋」という季節だ。
最近は9月になっても、驚くほど暑い日が続いたり、
10月になっても、まだ半そでで過ごせたりする。
かと思えば、急に寒くなって、薄手のコートを引っ張り出さなくてはならないような状況が襲ってくる。
いわゆる「秋」という季節を、しんみり感じている間が無いのだ。
私が子供の頃は、今よりずっと四季を感じて暮らしてきたように思う。
小学生の頃、登校班の集合場所で朝からたき火を焚いているおうちがあった。それを見ていると、「秋が来たんだ」という季節の移り変わりを感じることができた。
いつも元気な男子が、半ズボンから長ズボンに変わるのもこの時期だ。
(長ズボンの男子は、なんとなくかっこ悪かったよなー・・・。)
一人が履いてくると、まるで何かの許可が下りたかのように、
みんなが長ズボンを履いてきた。一番に履いてくる男子はきっと勇気が必要だっただろう。
私が知る「秋」とはそんな季節だ。
大人になった今、「秋」という季節が一番自分にしっくりくるように感じている。
厳しい暑さを過ぎ、凍える寒さを待つまでの
ちょうどいい季節。
それが「秋」だ。
人生の「曖昧さ」を学んだアラフィフにはその良さがよく分かる。
秋は彩りを楽しめる季節でもある。
秋の夕焼け、よく熟れた実、木々を彩る紅葉
目にも美しい季節。
ファッションも楽しめる季節だ。
だが、私が一番楽しみなのは、視覚ではなく聴覚・・・
「秋の音」だ。
最近はスマホのアプリでも、いろんな音を楽しむことができる。
●焚火の(パチパチ)という音
●落ち葉を踏む(カサカサ)という音
●枯れ枝を踏んだ時の(パキッ)という音
●お鍋が(グツグツ)煮える音
全て「秋」を感じることができる美しい音だ。
ここ数年、スマホで済ませてばかりいたけれど、
今年の秋は、本物を聴きに出かけよう。
空が高く、透き通った空気の中 どこまでも続くケヤキ並木。 お気に入りのブーツを履いて、歩きたい。
今年の秋、私がやりたいこと。
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