見出し画像

空が高いのだよ

やや、どうも。記事を一本書くとエネルギーを消失し翌日を無下にする怠惰マンです。

スケジュール真っ白マンになってからというもの、時間に余裕が生まれ続け、気分転換兼健康維持のために晴れた日にはジョギングをすることに決めました。

そんな折、ジョギングに行こうと家を出て、晴れた空に向かってひとこと。

今日は空が高いなぁ

口をついて出たこの言葉に、ひとりで感激する。言葉というのは、無意識のうちに心に染み付いているのかもしれない。

というのもこの言葉、僕が昔愛読していた漫画「ふたつのスピカ」の中で主人公の父、鴨川トモロウが発する台詞である。よく晴れた朝、トモロウは仕事のため家を出ると、空に向かって背伸びをし、「んー!今日も空が高いぞ!」とかなんとか言っていた。このシーンを読んだとき、僕は初めて言語表現の奥深さに気付いたのかもしれない。なんて素敵な表現だろう。と、小学生ながら感動した記憶がある。

空の描写と言えば「青い」とか「広い」とか、「澄んでいる」とか。どれも晴れた空を表現する言葉として、十分想像を掻き立てるものだと思う。でも、「空が高い」って、すごくない?手を伸ばしても届かないくらい高くて、宇宙まで見えそうな青空。「ふたつのスピカ」が、宇宙飛行士を題材にした物語というのも相まって、それが最適で最高の表現に思えた。「高い」なんてごくあり触れた単語なのに、無限の可能性を感じた。

もうしばらく読んでない漫画なのに、ふと気付くと自分の口から出ていた。そのことに驚いた。あのシーン、物語の中では大した場面じゃないんだけど、僕の人生においてわりかし大きな影響を持ったんじゃないかな。そんなことを考えながら、春の匂いを吸い込んで、走り出した。

余談だが、この日近所の遊歩道的な所を走ったんだけど、丁寧にも自治体が遊歩道の起点から500mおきに標識を置いてくれていた。

最近全然運動してなかったし、まずは3kmくらい走ればいいかな。なんて考えてスタート。

500mってこんなに長かったっけ…

体力の衰えを痛感しながら、やっとこさ2.5kmの標識。ご当地キャラ的な生物が底無しの笑顔で煽っている。3.0kmの標識にデコピンして帰ろ。と決意し、ラスト500m…のはずだった。

2.5kmの標識の後、明らかに500m以上走ったのに次の標識が見えてこない。疲れすぎて見落としたか…?はたまた心霊現象的な世界に迷い混んだか…?

…てか体力の限界。一旦走るのを止め、スマホのルート検索機能でスタート位置からの道のりを確認。3.5km…

むむ。むむむ。むむ。

とりあえずもと来た道を歩いてみる。なにもない。そして2.5kmの標識。嘘だろ。自治体。なぜ2.5kmまでだったんだ。せめて「2.5kmで標識終わりですよー」ってどっかに書いてくれてもいいと思うんだ。。

悲鳴をあげる足腰を労いながら、2.5kmの生物にデコピンをお見舞いし、帰路についたとさ。

余談のほうが長くなる勢い。ともあれ、「ふたつのスピカ」おすすめなんで、知らなかった方は時間があったら読んでみてはいかがでしょうか。

言葉って奥深いもんだよ。あしたの空も、高いといいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?