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「急行北極号」ーーサンタクロースを信じる子どもたちが乗れる夢の急行列車

読み聞かせ記録第7弾は「急行北極号」著:クリス・ヴァン・オールズバーグ、訳:村上春樹(あすなろ書房) です。

「シュシュポポがいい!」

と、まだ「蒸気機関車」を覚えない息子が、ジャケ借りしたこの本。

確かに表紙の絵が美しくて、本棚に表紙陳列したい感じ。

私も「いいねいいね、シュシュポポにしよ~」と意気揚々と借りました。


が。……借りたのは2月上旬。

はい、完全に読み聞かせる時期を間違えました。
クリスマスのお話です。


サンタクロースの存在を信じる主人公は、クリスマスイブの夜、物音を立てないように慎重に布団の中に入り、外の音に耳を澄ませます。

やがて真夜中になるとトナカイの鈴の音ではなく、蒸気機関車がやってきます。

どこに向かうかはわからないまま乗り込む主人公に、車掌は北極点に向かうのだと告げます。
北極点に着くとそこにはサンタクロースがいて……という展開。


息子的には蒸気機関車のページ以外はさほど興味がないらしく「ふーん」ってなくらいの反応でしたが。。

珍しく読み聞かせの場にいた夫が「これ、いい話だねぇ」と、読み返し、もう一度息子に読んでいました。


私が一番印象に残ったのは、主人公が蒸気機関車に乗り込んだあとの客車の光景です。

子どもたちがパジャマやガウン姿で、温かいココアや甘いヌガーを楽しむ様子は、サンタクロースを信じる子どもだけが楽しめる一夜限りのサロンのよう。

私だったらサンタクロースに会う以前に、この急行北極号に乗れただけで満足してしまいそうです。


ほっこりと暖かい部屋で、クリスマスツリーの飾り付けをしたあとに、ゆったりした気分で読みたい絵本でした。

(といいつつ、我が家にクリスマスツリーは無いのですが……笑)

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