鏡花水月

　空を見るのが好き。なんて言う人はあまりいないけど、僕は見上げる度にいろんな色を見せてくれる空が好きです。真っ青できれいだなと思っても、帰り道に見る夕焼けの赤い色も、もくもくでごわごわとした雲も、ずっと同じ空は見られない。悲しいけどそんな空が好きなんです。

　「趣味は、空を見ることです。」と言ったのは北川悠里さん。ほんわかしながらも常に明るくて優しい人。クイズ番組でも活躍していた彼女は先日、乃木坂46の４期生として初めてグループの卒業を発表しました。

　そして今日、４期生の早川聖来さんも卒業を発表しました。僕が乃木坂46を好きになった頃から好きだった人の卒業と芸能界引退はとても辛くて、彼女のブログを読んだときは涙が止まりませんでした。

栞と物語　　早川聖来

　彼女の紡ぐ言葉にはいつも読み手への思いやりが溢れていて、みんなが幸せに楽しい１日を過ごせるようにと願うその優しさが大好きでした。彼女の発することばを見るたび、「あぁ、この人は心から幸せを願い、小さいことにもたくさんの価値を感じることができる人なんだな、素敵だな。」と思っていました。

　そんな繊細な彼女だからこそ、理不尽なことやおかしいと思ったことに対しても真っ直ぐに向き合ってきたんだな、と感じます。

　貪欲にも少しずつ前に進み続けた彼女にもらったものの大きさは計り知れず、でもそんな彼女のことを知ることができ応援できていたことは僕の誇りだと強く思います。

　芸能界を引退して姿を見ることができなくなっても、彼女の言葉や優しさはずっと胸に抱いていたいと思います。今度は僕が彼女から学んだように、優しさや安心を周りにあげられるような人にいつかなりたいな、なんて思います。

　いつもそこにある空でさえも移ろい変わりゆくように、まして人間はなおさら、ずっと同じ場所に同じようにいられるわけなんて無いんだよなって改めて感じます。近くて遠いアイドルがもたらしてくれる幸せも、そして今、身の回りにいてくれる人たちと笑い合える愛おしい時間も大切にしたいと身に沁みて感じた今日でした。

　また今日からの日々の一瞬を大切に生きていきたいです。

　

2023.6.17