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私だけの特捜最前線→62「神代警視正の犯罪!~20年の後悔を引きずり続けた妻への思い」

※このコラムはネタバレがあります。

第239回「神代警視正の犯罪!」は、神代課長(二谷英明)の妻をクローズアップした作品で、神代の隠された過去と、それを引きずる男の寂しさが描かれた大人のドラマです。

死んだはずの神代の妻が生きている?

神代は、見知らぬ男性からの呼び出しを受けて鎌倉に向かいます。駅で出迎えた女性(小林かおり)を見て、神代は驚きました。女性は亡き妻とそっくりな顔をしていたからです。

男性は危篤状態にあり、神代に「女性はあなたの子だ」とだけ言い残します。神代には身に覚えがありません。妻は、女性が生まれる前に飛行機事故で死亡しているはずだからです。

特命課が疑惑事件と、それにまつわる連続殺人を捜査する中で、神代は女性の身元を探ります。その結果、20年ほど前に樹海をさまよう「神代怜子」と名乗る身重の女性を男性が保護していたことが分かりました。

怜子は女の子を生み、間もなく男性の前から姿を消してしまいます。その女の子こそが女性だったのです。では、父親は誰なのか。神代と妻・怜子との間のいきさつを知る蒲生警視(長門裕之)が代弁します・・・

当時、神代の部下だった刑事が、妻と関係を持ってしまいます。神代は自分の気持ちを押し殺し、二人を許したのです。だが、二人が乗った飛行機が墜落し、遺体は発見されませんでしたが死亡認定されました。

死んだはずの二人は生きていると確信し、妻を探す神代ですが、手がかりはつかめません。やがて、刑事が疑惑事件の重要容疑者と関係があり、殺人事件にも関与していることが分かったのです。

神代が語る「私の罪」とは

このドラマは、事件解明に向けて捜査にあたる特命課とは別に、妻の消息を追う神代の心情を丹念に描いています。神代は妻を探し出して、何をしようとしたのか、何を言おうとしたのか・・・

蒲生警視は「あんなに自分を抑えられる男を見たことがない」と振り返りました。刑事の仕事に命を懸けていた当時の神代は、妻の本当の気持ちを察することができない、いや、察しようとしなかったのです。

妻は、神代が不在がちだったことに寂しい思いをし、それが浮気へとつながってしまいます。でも、妻は神代を忘れることができず、乗るはずだった飛行機に乗らず、やがて部下の刑事の前からも姿を消しました。

事件解決後、おやっさんこと船村刑事に、妻を探し続ける決意を語る神代。おやっさんは「探してどうする?奥さんは十分苦しんだ、許してあげなさい」と諭します。

それに対し神代は「この20年間、ずっと後悔してきた。別れてみてはじめてそれが分かった。部下の刑事をあんな男にしてしまったのは私だ。罪は私なんだ」と自戒の言葉をつむぐのです。

神代の罪とは何だったのでしょうか。もし神代が妻と再会したら、彼は素直に謝ったのでしょうか。夫婦間のすれ違い・・・そこには犯罪者も被害者もいないはずです。いろいろと考えさせられるドラマでした。


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