同じスタートラインから始まるのに、差が出るのはなんでだろう 16.

中学部活では、小学校からその競技をやっていた子もいれば中学からその競技を始めた子もいる。
まあ小学生のころからやったいた子が上手なのは当然なんだけど、その他の子は同じスタートラインに立っている。

ところが、最初のスタートラインは同じだけど、その中には最終的に結果を出せる子もいれば、少し上達が遅く3年の総体までに成長が間に合わず結果を出せない子もいる。

レギュラーになれる子となれない子がいる。試合に出られる子と出られない子がいる。

その理由を簡単に言ってしまえば、能力の差だったり他スポーツの経験があるかどうかだったり、運動神経の差だったりするかもしれない。

でも僕としては、そんな理由で結果に差が出てしまうのはあまり嬉しくない。能力とかセンスとかそういう先天的なもののみで結果に差が出てしまうような指導はしたくないと思っている。

当然全員に結果を出して成功体験を積んでもらいたいとは思っているが、現実はそんなに甘くない。
せめてどうにかして成長が遅い子や自分に自信がない子にうまくアプローチして、自分の立てた目標を達成するプロセスを味合わせてあげたいと思っている。


差が出てしまう原因は、単にやる気の差、と言える場合もあるだろう。やっぱりやる気とか上手くなりたい気持ちとか、そういう根性論みたいなことも大切だと思うし、僕は根性論が割と好きだ。

練習は量と質、どちらが大切ですか?という質問に対し、

「質の高い練習を量やるんやろ?」

と答えている方がいた。

僕はこの答えは好きだ(笑)。僕も同じ考えだからだ。

他の原因を上げると、その子が努力することの大切さを知っているかどうか。今までの経験の中で努力することで何か良い結果が出た時に得られる成功体験を積んでいるかどうかっていうのは重要だ。簡単な例を出すと、勉強したらテストの点が上がった経験のある子とか。努力することの大切さを知っている子は得てして勉強もできるし、賢い子と言われることが多い。

自分で考える力があるかどうかっていうのも大切だと思う。自分で考えて課題を見つけ、それを克服することでうまくなることを理解できる子は上達も早い。

まとめると、同じスタートラインから始まるのに、差が出るポイントは「考える力」と「努力を継続できるか」ということになるかな。あくまでぱっと思い浮かぶ僕の考えなので、他にも理由はあるだろうが。

考える力の差っていうのは、中学生だと特に顕著だ。考えることが苦手な子や理解が遅い子は結構いる。そういった子にどうやって指導者がアプローチすれば良いかっていうのは結構難しい。そもそも指導者と考える力のベースが違う。
考える力がある子は、考える材料を与えるだけで勝手に伸びる。努力の方向さえ示してあげて、あとは背中を押してあげれば勝手にうまくなる。
でも考える力が弱い子は、そもそも指導者が言っていることが理解できていないことが多い。そこのギャップをうまく埋めてあげるように指導者側が頑張ることが指導者の腕の見せ所だったりする。

努力を継続できるかという話は、言い換えると「やる気があるかないか」という話になるかな。
ここで僕が言うやる気とは、単にその人の気持ちではなく、やっているかやっていないかのことである。なので「やる気はあるんですけど全然できていなくて...」と言う人は僕の定義においてはやる気がない人である。
これも、努力を継続することの大切さと重要性を自分で理解して実行に移すことができる人はよい。でもその一連のプロセスを自分でできない子にどうやってアプローチするかが難しい。単に、普段コートにいない時間でランニングとか素振りをしろと言っても、意味はない。
努力を継続させるために、小さな成功体験を積み重ねさせてあげることが必要かなと思う。一番良いのは、大会に出て勝つことがいいと思うんだよなあやっぱり...。勝てないし上達している実感がない子にいくら努力の大切さを説いたところで理解できないだろうし、そういった子にどうアプローチするかが指導者の腕の見せ所かなと思う。


できる子とできない子、やる気のある子と無い子を同時に同じコートで教えなければならないところが中学部活の難しいところ。でもそこを乗り越えて夢に向かって頑張ることとか、その時の現場の空気感とか、そういうのが楽しいんだよなあ。

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