何かを「掴む」感覚とか「バチっとハマる」感覚を一緒に探してあげること 11.
自分の現役時代、「こういうことか!!!」と、“何かを掴む”経験を何度かした。
何かを掴んだ時、今までできなかったことが急にできるようになったり、多かったミスが急に減ったり、自分の打つ球が良い方に変わったりする。
コツを掴む、とでも言うとわかりやすいだろうか。
おそらく自分以外にも、何かを掴んだ手ごたえを感じたりバチっとはまる感覚を得た人はいるのではないかと思う。
指導してて思うのは、理論を教えることはいくらでもできるが、それを生徒の感覚に落とし込んでできるようにさせてあげるのはすごく難しいということ。
生徒自身に「これか!」と思わせられるような指導が今まで何回あっただろうか。
先生に何度言われてもできなかったことが、ある日突然できるようになった。言っていることの意味も分かる気がした。そしたらボールが良くなった上にミスも減った。
これが、僕の言う“何かを掴む”感覚を得るということだ。
自分が教える子には、何かを掴む感覚を持たせてあげたい。例えば、今まで入らなかったトップ打ちが綺麗な回転で入るようになり、ミスも減る様な感覚。僕で言うと、ボールを股関節でコントロールする様な感覚を持った。みたいな。あとは、2人で一本を取る感覚とか。弱い相手に対して、相手が打ちそうな方向が手にとる様にわかる感覚とか。
サーブで綺麗な回転がかかってボールがコントロールできるようになる感覚。
ボールを"持つ"感覚とか。
足で打つ感覚とか。
ちょっと違うかもしれないが、ここ大事なポイントとか、この試合の流れを左右する様なポイントを理解する感覚。
言語化しにくい感覚って人それぞれあると思う。
その感覚を掴むために必要なのが、膨大な練習量だったりする。その感覚を持てる様になるには、めちゃめちゃ鍛錬が必要。だから練習する。
そしたら、なぜかある時いきなりできるようになる。
そんな瞬間に立ち会えたら、指導者としてこれほど嬉しい瞬間は無いだろう。何かを掴んだ感覚を得た子の顔、を見るのがすごく好き。
何かを「掴む」感覚とか「バチっとハマる」感覚を一緒に探してあげること。
指導者の役割はそういうところにあるのかもしれない。
よく、「何でおれの言ったことができるようにならないんだ!」と言う指導者がいるが、それは生徒が悪いんじゃなくてお前が悪いんだよ。
生徒はいつも一生懸命だ。ただ、その何かをまだ掴んでいないだけ。掴ませられるような指導をして、一緒に頑張ってあげよう。根気よくね。
上手く短い言葉で名言風に言いたいけど、語彙力が足りなくて言えない。
何がその人にとってハマるか分からないから、根気よく色々な角度からアプローチしてあげることが重要だな。つまり色んな感覚を教えてあげて、色んなレパートリーの練習をしてあげる。
いろいろ言ったが、まずは何にせよそういうことを教えられるようにするためにも、試合を楽しくできるようになってもらう。だから試合も沢山やる。練習だけじゃつまらないもんね。
今日も練習がんばろ。
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