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8月19日事実無根日記

5:30に祖母に起こされて起床する。何故こんなに早いのかと言うと、友人とカラオケに行く約束があるから。
朝ごはんはいつもと同じレタスとキュウリとミニトマトのサラダ、バナナヨーグルト、そしてスイカがあった。いくつになってもスイカは凄く嬉しい。スイカは歯がなくても食べられそうだから私は後期高齢者になってもスイカが食卓に出されたら後期高齢者らしからぬ素振りで喜ぶと思う。
私はいつもサラダに塩と胡椒とアマニ油をかけて食べている。別に私が健康を意識している訳ではなく祖父母がそういうものに凝っているから、私は小学二年生の時から祖父母宅では朝のサラダには塩と胡椒とアマニ油をかけている。しかし、ここ最近、朝はあまり食欲がなく朝食を食べるのが少し苦しい。今の私にとって朝食とは、それなりに咀嚼して飲み込む、という作業でしかないのである。
この時、私の睡眠時間は3時間ほどだった!
何故なら、昨夜、インドネシアに帰国してしまった親愛なる友人を羽田空港まで見送っていたからだ。23:00に家に着き、24:00には床に就こうとしたが、ここで長電話をしてしまい、私の睡眠時間はいつもの2.5分の1(5分の2って言った方がいいのか?)になってしまったのである。
ところで私は今、ナニの2.5分の1が3になるのかわからなかった。これの計算方法を私に優しく教えて欲しい。
メイクはあとでにして、日焼け止めだけ塗って、6:10に家を出た。


家から駅までは徒歩14分ほどだ。6:30に駅に着く気持ちでいたが、あまりにも全体的に朝すぎて私は結局ギリギリ間に合うか間に合わないかのスピードで歩いた。これは、かなり遅い。
道中に、1週間ほど前から取り壊し中の雑居ビルがある。ここに来て1ヶ月は経ったし、赤ちゃんの頃から度々長期間この地域で過ごしてきたはずだが、いくら考えてもそこがなんの建物だったか思い出せない。
そう、取り壊し真っ最中の雑居ビルの退廃的感慨のパワーが大きいので毎朝毎夜見入ってしまっている。建物だったものから、ボロボロでむき出しのコンクリや鉄片や細長くて密集してる金属の棒の塊などの名前のないもの、巨大な彫刻へとゆっくり時間をかけて変化していく姿を見るのは、よく分からないエモーショナルさがある。よく分からない、と言ってしまったが、例えばFF7にてエアリスが初めて登場する教会?みたいな場所、見たいな良さがあるのだ。まあ別にこれは全然適切な例えじゃないから(60%くらいしか当てはまってない)よく分からないと言わせて欲しい。
LINEにて友人二人が遅刻するという旨を連絡してきてくれたため、あまり急がず駅に向かうことを、まだ開店してないモスバーガーの前を通りながら心に決めた。モスバーガーのノンアルサングリアティーが美味しいらしい。飲みたいなあと毎朝毎夜ここを通る度に考えている。
駅に着いたのは06:29、06:30の電車に頑張って乗る必要は無いため、私が駅のホームに着いて4秒後に発車した電車に対しても無感情でいた。いつもは、ショックを受けつつそれを無い感情としたり、我慢ならず心の中のいらだちを認知して自分にガッカリしたりする。あまり感情的に声に出すことはここ最近無い。横須賀にいた時はあった。

11分後の電車に乗った。
それにしても私は、他者にくらべてあまりにも汗をかきすぎていると思う。ここだけの話、予備校についてから私はトイレットペーパーで汗を吹いている。あまり良くないだろう。
ホームの空調室から電車内にかけてノルウェイ
の森の続きを読み進めた。


駅にて友人たちと合流し、コンビニに寄ってからカラオケに向かった。彼女たちは朝食を買っていた。朝07:00程だった。
そう、カラオケに行くために時間の合間を縫って朝に集合するのはすごく良さげだな、と柔らかな気持ちになる。
朝のカラオケは苦しい。でもすごく楽しかった。09:07に私たちはカラオケを出て、私は彼女たちを駅まで見送った。

予備校開始は10:00なため、時間をどう潰そうか迷い、結局予備校の画集コーナーに行くことにした。世界各国の椅子、彫刻と素描、はあまりパッとしなかったが、パウル・クレーの画集はよくわからないけどいいなと思った。ドローイングしか知らなかったけれど、キュビキュビした絵画なんかも描いていて、ふーん。と言った感じであった。(美大受験をする人間が、間違えても絵画に対して「ふーん」なんて言ってはいけないだろう)
そして、付箋が数枚貼ってある「目で覚える美術解剖学」を手に取った。人物をデッサンする上でかかせない知識である骨格や筋肉がかなり分かりやすく表されていて、本当にためになった。Googleなどで出てくる画像より何倍もわかりやすいものであった。画像の大きさと紹介する筋肉の明快さが良かった。ネットのものはなんかすごい見づらい。
09:42に画集コーナーのある予備校本館を出発し先端の教室に向かった。

09:44に教室に着いた。教室には誰もいなく、電気も着いていなかった。壁に課題説明のプリントが貼られているが、なんと今日は友人像だった!先程「目で覚える美術解剖学」にて筋肉を凝視していたため、とてもラッキーなことだ、今日は高い完成度を出そう、なんていったって夏期講習最後のデッサンなのだから、と強く思った。

10:00~18:00の間に、形式上12:00~13:00の休憩がある。しかし私は大抵12:15~20くらいまで描いてしまい、そこからササッとご飯を食べて、友人たちと少し話したりなんかしながらデッサンをまた始めるみたいな感じでやってきている。
この日も同じようにゆるっと昼食をとった。

祖父の作ったお弁当を食べていると、先端の生徒の存在がいきなり陽だまりになった。黄色くて眩しい物体になった彼らの会話は僅かしか聴き取れず、存在感はどんどん圧力を増していき、私の心の中には(身体的にも)エアーバックが分裂して私を大部分を占めていってしまった。
ここから私はデッサンがほとんど出来なくなってしまった。描こうとしてもエアーバックがどんどん大きくなり、私は水張りした木製パネルに頭を押し付けることしか出来なかった。

外の空気を吸うべきだろう、と思い床がフェンス状になっているベランダに出た。そこには先客のフェレットがいて、フェレットと同じ空間を共有するなんて初めてで私は変に緊張してしまった。5呼吸くらいおいてから話しかけてみたが「無理に話しかけるくらいなら最初から話しかけなくていいですよ」と言われてしまい、何だか悲しかった。私はフェレットとお喋りしてみたかった。フェレットと私の間にはもう飲み込めない壁が生まれてしまい悲しかった。最初からあったとしてそれが可視化されて悲しい。別にフェレットな何かのメタファーではなく本当にそこにフェレットはいたし、しっかり私は分かち合えなかった。しかしいつかまた会うだろうしその時はもっと違うアプローチで接することが出来たら良い。?
今日の課題は友人像だからあまり席を外しすぎると良くないだろうと思い教室へ戻った。戻ったけれど私の中のエアバッグはとうとう私の全てを占領してしまい時間をあまり置かずすぐ教室のドアから外に出てしまった。

屋上へ繋がる階段の踊り場で私はへたりこんでしまった。唸ることしか出来ず、「ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーー」と弱々しい声が口から放出され続けた。唸らずにはいられなかった。
ぅぅぅぅぅぅぅ
ぅぅぅーーーー
ぅぅぅぅぅーーーーーー😣
だってこのまま唸って倒れ続けてもどうにもならないけど本当にどうしてくれるの?
莫大すぎる青空が気持ち悪かった、遠くを見つめると茶色くて横長のマンションの角部屋のベランダに大きなシーツのようなものが干されていて、それがあまりにも衝撃的で鮮明で私は大きな声で泣いてしまった。泣いたり泣き止んだり唸ったり泣いたりを繰り返し、上手く泣き止んだタイミングで教室に戻ってみたが、あからさまに呼吸が出来なくなってしまったため、外に出てから友人に先生を呼んでもらった。
「私自身なんでこうなっているかわからないけれど小さな出来事の堆積だと思います」という旨を伝えようとしたが、喋るなと言われた。それな、と思った。

そこから先生は私に良い呼吸を促しながらカウンセリング散歩をしてくれた。美術予備校講師はカウンセリングも職分に含まれているなんて、なんて変な仕事なんだろう。と考えたりした。
500ml炭酸を2本買って頂いた。ひとつをがぶ飲みしひとつを体に当てた。過呼吸になってる時は炭酸をお腹に入れるとそこに意識が向くから良いらしい。
一緒に歩いてるうちに先生の体はファミマ向かっていき、(この時、私はなにかお菓子を買ってくれるのかと一瞬思った)店内ではなく駐車場の方へ行き、喫煙所に向かい、一服をし、また歩き始めた。
この時、心は良くなってきていたが体はまだ強く痺れ、呼吸も少し気が離れたらすぐに乱れそうだった。
先生は私にたくさんの話をしてくれた。私は別に悩んでいることなどは何も無く、先生がただ私に色々お話をしてくれて、それがすごく助かった。4秒吸って8秒吐きながら、足を大袈裟に動かしながら、近辺を散歩した。
先生と私は教室にたどり着いたが、まだ体が痺れていて、まだ、ふとした時に呼吸が乱れてしまいそうだったため、屋上に行った。そこでも先生はずっと私に色んな話をしてくれ、結局「うんお腹の調子とメンタルって本当に直結してるからさ!1回全部出してからウォシュレット整いしてきな!そしたらねうん結構いいと思うよ!」と言われ私はやっと元気になった。

そこから私は1人でイトヨーのトイレに行きベンチに座りふぅってしてからデッサンに戻るという選択をとった。
イトヨーのトイレは一階には無い気がしたためエスカレーターで2階にあがり、フロアの隅っこの隅っこにあるトイレへ行った。正直排便は出来なかったしウォシュレットもしなかったけれど、その道のりを1人で歩めてこれたのが嬉しかった。
そこから一階に階段で下がり(そこですれ違った少年を見て何となくこころが緩んだ自分を認知して安心をした)大きめのソファベンチに座り何となくLINEをしたりした。LINEをしたらすぐLINEが帰ってきて、LINEをしてよかった、と思った。

もうあからさまに大元気になった私は教室へ行き、友人に謝罪をし(スマホで写真を撮りそれをデッサンしたのだ、申し訳ないと思っている)デッサンに復帰した。残り1時間位だった。
1番手前の肩に設置した空想上の木炭をまずB系を重ねてから硬い消しゴムでハイライトを入れH系で溝を書いたりなどして仕上げた、頭首肩の構造を整理しつつ加筆して、手前のかたをガシガシ適当に描いて、ゆったりと顔を決めに行った。奥の綿は書き上げることが出来なかった。でも先生にアドバイス頂いたように、格闘しつつ描いて行けば形になったかもな、と今思う。

正直、私の中で顔を似せ切ることが出来なかったと思っていたが、似てると講評を頂いたから、意外と頑張ったところは入っていくんだなと思った。
友人の首をみんなで見ていた時に、先生がお話すべきタイミングに間違えて大きな声で「胸鎖乳突筋、僧帽筋」と大きな声で言ってしまい、かなり後悔した。こういうのを無くしたい。
18:30から美容院を予約していたため、18:20に伸びている授業を途中で抜けて走って美容院まで向かった。

18:25に、美容院から、18:50にして欲しいという旨の電話をもらった。少し悲しい気持ちになりつつ、確認のため店の前まで行った。
雑居ビルの二階を見てみたら大きな窓に美容師らしき男と目が合い、会釈をされた。
予備校に戻ることも視野に入れたが、面倒くさいため、数十分間道端のちょうどいい所に腰掛けてノルウェイの森を読み進めていた。
読みながら、親愛すべき友人の彼氏のことを少し考えた。まず、彼も時間が余ったら道端に座って本を読んでいそうだなと。

昨日、彼と一緒にその友人の帰国を見届けたのだが、本当に不思議な体験だったなと思う。彼にとっては、彼女と1年間会えない訳だが、正直私は現実味がなく噛みきれない肉が口の中にずっと残っているような気持ちだった。しかし彼氏なのだしさすがに泣き出してしまうのかなと思ってたが、彼氏も私とはまた違う種類の噛みきれなさを所有していそうで、私はそれがまたよくわからない気持ちにならせた。もしも私がいなかったら彼は1人でその悲しみを感じることが出来ただろうけれど、私がいたから、私の存在が噛みきれなさを産んでしまったのでは無いかと思っている。
まあ別にどうであれ、一般的な友人の彼氏とはあまり共有しないであろうあの時間はなんだかかなり面白いものだった。何回も思い出して考えたい。
約束の時間が近ずいてきたから、再び私は美容院へと向かった。

美容院は雑居ビルの前に先程目が合った美容師が立っていた。たくさん謝罪をされてしまった。携帯の充電が2%しか無かったため、携帯の充電をさせてもらった。
私は今金髪のショートボブなのだが、1週間後、夏休みが終わり学校が始まってしまうため髪の毛を暗く戻さなければならない。しかし、それを美容師にバレてしまったら要らぬ勧誘を受けてしまうかもしれないため、バレないようにしたかった。
美容師との会話は壮大だった。覚えてる限り流れを再現する。

「どちらにお住まいなんですか〜?」
「横須賀の方です。(あ!ちがう!)」
「お〜結構遠いんですね〜、なんでここの美容室選んだのですか〜?」
「予備校がこちらにあるので!」
「髪色は学校的に大丈夫なのですか〜?」
「あ、大丈夫なんですよ」
「あ〜、緩い感じなんですね」
「はい」
「高一の時とかは、ブリーチとかしなかったのですか〜?」
「部活が厳しいかったので、、、、、、」
「あー、運動部とか?」
「ぁ、華道部と茶道部の兼部でした、、、、」
「それはダメですね!(笑笑笑笑)」
「(笑笑笑笑)」
「てか、僕もそっちの方の学校でしたよ、海洋科学っていう」
「あ、私そこ地元ですよ!ファミマあるじゃないですか、その後ろに市営住宅あるじゃないですか、その後ろにある茶色いマンション住んでました!」
「ぁ、、あぁ〜、」
「えー、奇跡ですね、私荻野小学校でしたし」
「あー荻野小学校笑笑」
「荻野小学校の横の大楠高校は合併しちゃったんですよ」
「えー!まじか」
「近くのカラオケってカラオケbanbanしかないですよね笑」
「ああいってましたよ長井の方、友達の家があるんで笑」
「あー笑」

切り終わったのは確か20:15程だった
「まだまだ半人前ですので店長に見てもらいますね。」と言い、店長を呼んできた。私の襟足が四角く切られていたらしく、レクチャーをしながら店長が私の襟足を切って言った。いきなり強い眠気が私を襲ってきて、うつらうつらしながらレクチャーを施術を受けた。
目が覚めたら20:45程だった。最初に私を施術した美容師が、「なんか襟足が四角かったらしいです笑笑」と言ってきたため、それはどういう種類の笑顔なのだろうと思った。

モデルカットだったため、私は一銭も払わず美容室を後にした。かなり遅くなってしまったたからトリートメントをサービスでお渡しすると言っていたが渡してこなかった。あと、充電してもらっていたスマホは何故か10%しか充電されていなかった。
仕上がりは、思ったのと違った。中学バスケ部女子みたいになりたくなかったが中学バスケ部女子みたいになってしまった。でもなんか別にいいかなと思った。

帰路、駅から家へ向かって歩きながら、今日はなんて美しい1日だったのだ。と感動してしまった。間違いなく美しい1日だった。
取り壊し中の雑居ビルは依然としてめちゃくちゃかっこよかった。二階建てだった雑居ビルの天井は微塵もなく、地面から天井があった場所まで昇る柱の先端からは折れ曲がった鉄の棒が数十本飛び出ている。左端にある階段の上には拳大のコンクリート片が途方も無い量積み上がっている。そして、1階だったフロアには巨大なショベルカーが鎮座している。彫刻作品と言っても全く過言では無いかっこよさである。

家に着いたのは09:30程で、祖父母はリビングでうつらうつらしていた。私の髪の毛を見ると、もっと短くてもいいんじゃないかと言って、それもいいなと思った。
お風呂に入ったあと、祖父母と夕食を取り、ノルウェイの森を読み切った。

高二の夏に、「ノルウェイの森を読んでみたりして曖昧に大人になってく僕ら」という短歌を詠んだ、が、実はノルウェイの森を読んだことがなく、やっと読めて本当に良かった。そして改めていい感じの短歌だなと思った。
昨日、親愛なる友人の彼氏と数十分2人で話す時間があり、「私は去年の秋にノルウェイの森を少し読んで、読むのを辞めてしまい、この夏改めて読み始めたら、最初の場面が全く違うのだけれど。家出して高速バスに乗る場面から始まると思っていたのですよ、ノルウェイの森って。これってなんのお話でしょうか?」と言ったら、海辺のカフカだと言われた。それも早く読みたい。
それにしてもノルウェイの森は良い小説だった。

友人が、グループLINEを沢山抜けていたため心配になりなんとなく電話をかけてみた。電話をしながら今日あったことを伝えたら笑ってくれたから、よかったなあと思った。今の時期は受験生皆しんどそうだ。みんなよく頑張っていてえらいなと思う。本当に。私はまじでもっと頑張らなければならない。

布団の中で一日を思い返してみて、些細で細やかな事象が積み重なってキャパくなる上で、私の身体の健康さを私が徹底的に崩さなければ絶対にそうはならないのだし、それが実行出来たらいいな。と考えた。

まだあまり調子がよくなく、1人で布団の中にいると自律神経が乱れ、苦しくなってしまった。最近、自律神経の乱れがただの苦しみではなく、他者への愛情とか活力みたいなニュアンスを含む感情になっている気がしている。間違っているのかもしれないけれど、自律神経の乱れによる心拍の上昇が、そういうプラスな方向の生きる活力のような感情に私の中で変換されているのかもしれない。これは、私が無意識にやっていることなのだろうか?

24:00くらいに電話をしたが、眠過ぎて何も聞こえなかったしすぐ寝てしまった。

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