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2024年07月11日の見解

昨日の為替相場は、日経平均の先物が大幅に上昇することで、その他の米国・欧州株が上昇することで、クロス円を中心にリスクオンの動きとなります。

特に英国の要人発言にてタカ派だったこともあり、ポンドが買われました。

しかしユーロはフランス政治不安がまだ解決している訳では無いので細かいレンジ状態という動きとなりました。

では昨日の流れをまとめていきます。


昨日の東京時間には以下の経済指標の発表がありました。

【RBNZ政策金利&声明発表】

  • 結果:据え置き(5.50%)


【RBNZ声明文】

  • 金融政策が制限的であり続ける必要があることに合意

  • 国内主導のインフレが短期的に持続するリスク

  • ヘッドライン・インフレ率は今年後半に1-3%の目標範囲内に戻ると予想

  • 国内で発生する物価上昇圧力は依然として強い

  • 生産能力への圧力と企業の価格設定の低下に伴い、インフレの持続性が緩和される兆しがある

  • 減税が個人消費に与えるプラスの影響は、確実性が低い

  • 金融政策の適切なスタンスについて議論された

(ブルームバーグ)

NZ中銀、タカ派的スタンス後退で通貨下落-利下げ観測強まるhttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-10/SGDXO4T0AFB400


RBNZの結果は「据え置き」になりました。

そして声明文の内容は、ハト派へシフトしたことによって通貨安となり、大きく売られることになります。


前回会合では2025年7-9月(第3四半期)まで利下げする可能性は低いとの内容でしたが、今回の声明では利上げへの言及はなく、インフレが年内に1-3%の目標バンドに戻ると予想されています。


「利下げ時期が早まるのでは?」というマーケットの判断ということになります。


そして昨日上昇したポンドですが、要因としては以下の要人発言になります。

【ピルMPC委員】

  • MPCはインフレの持続性を注視

  • インフレの上振れリスクを示すいくつかの指標がある

  • 利下げするかどうかではなく、いつ利下げするかが問題

(ブルームバーグ)

英中銀、利下げ時期は依然「未解決の問題」-チーフエコノミストhttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-10/SGEX3BT0G1KW00


上記の発言により、「利下げ時期後退」とマーケットは判断。


ピル氏はインフレの持続性に対して注視している状態。

ただ利下げを否定しているわけではなく、利下げはするけど、「いつにするか?」が焦点になっているとの内容。

リスクオンの中でのこの発言だったので、堅調だったという内容になります。


そして注目されたパウエル氏の発言は以下。

【パウエルFRB議長】

  • 完全雇用の実現には物価の安定が不可欠

  • 政策は制限的だと考えている

  • 中立金利は少なくとも短期的には上昇したに違いない

  • 今年後半に中立金利の見直しを検討する予定

(ブルームバーグ)

パウエルFRB議長、確信は「まだ」-2%への持続的インフレ率低下https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-10/SGEXLDT1UM0W00


発言した金融政策の内容は、前日と変わらない内容。

特に乱高下することなくリスクオンから総じて円が売られ、ドル円は161.800円まで堅調に推移している状態でした。


前日とほぼ同じ内容だっただけに、『年内に利下げが行われる』との市場の見方にも変化はありませんでした。


いずれも昨日の動きですが、本日の米CPI前日ということもあり、大きな動きにはつながることなく推移しています。

CPIの結果待ちという所ですね。


この日は世界的にも株高だったこともあり、S&P500は高値を更新することになります。

7営業日続伸となり、史上初めて5600を上回った状態です。


そして本日は米CPIになります。

現在の予想は以下になっています。

【米CPI(消費者物価指数)】

  • 前月比:予想+0.1% (前回+0.1%)

  • 前年比:予想+3.1% (前回+3.3%)

  • 前月比・コア:予想+0.2%(前回+0.2%)

  • 前年比・コア:予想+3.4% (前回+3.4%)


▼前回のデータ

前回はどちらも鈍化したことにより、ドルが大きく売られることになりました。

(今回の予想)総合の前年比が鈍化ですが、コアも鈍化であれば「利下げ時期が早まる」可能性があります。


(現在)マーケットは「年内利下げ(9・12月)」の予想に変わりないので、売り込まれる可能性もありそうですね。

またパウエル氏は、本日のCPI結果を事前に把握しており、「パウエル氏はあえてタカ派的な内容を述べていたのか?」など憶測が広がるとは思いますが、冷静に対処していきましょう。


本日の指標&要人発言


経済指標

  • 英GDP

  • 英鉱工業生産

  • 英製造業生産高

  • 米新規失業保険申請件数

  • 米CPI(消費者物価指数)

  • 30年債入札


要人発言

  • クックFRB理事

  • ボスティック米アトランタ連銀総裁


上記になります。


本日の注目はやはり米CPIになります。

結果が出るまではレンジが続く可能性もある為、余計なポジションを保有しない方がいいかもしれないですね。


本日もよろしくお願いします。

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