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2024年07月10日の見解

昨日の為替相場は、やはり注目されていたのはパウエル氏の議会証言の発言になります。

現在の弱い米経済指標のデータが出ているだけあって、マーケットは「利下げ時期について言及やヒントがあるか?」という所に期待していましたが、結果的には「そこまでのハト派発言はなかった」という内容になり、失望感からドルが買われる結果となりました。

では昨日の流れをまとめていきます。


昨日の東京時間に関しては、日経平均の上昇につれる形でドル円も上昇することになります。

一時161.127円まで上昇することになりましたが、日経平均株価に関しては終値ベースで史上最高値を更新するなどの急騰を見せております。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-08/SGBPO3T0G1KX00


そして東京時間で失速はするものの、160.738円が底値となりそのまま欧州時間に突入します。


欧州時間では、パウエルFRB議長の発言を控えていたため、レンジの動き(160.962〜161.169円)が続きます。

昨日は特に重要な経済指標が控えていなかったこともあり、そこまでの動きには至りませんでした。


そして迎えたパウエルFRB議長の発言が以下になります。

【パウエルFRB議長】

  • 最近のインフレデータは2%への穏やかな進展を示唆

  • 会合ごとに政策決定を続ける

  • 我々が直面するリスクはインフレの上昇だけではない

  • より良いデータが増えればインフレに対する確信が強まるだろう

  • 労働市場は強いが過熱してはいない

  • インフレが持続的に2%に向かうという確信をさらに高めるまでは利下げは適切ではない

  • 1-3月期のデータはより高い信頼性を裏付けるものではなかった

  • 労働市場は完全にバランスを取り戻したようだ

  • 次の動きが利上げとなる可能性は低い

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-09/SGD08WT0AFB400


まずポイントとなったのが、「1-3月期のデータはより高い信頼性を裏付けるものではなかった」という点になります。

ただ2%のインフレ目標に向かってかなりの進歩を遂げていて、最近の月次データは緩やかな更なる進歩ということで、「ハト派的」な発言をしておりました。


また「インフレだけが我々の直面するリスクではなく、最新のデータは労働市場の状況が2年前に比べて著しく冷え込んだ」ということなので、インフレだけではなく、労働市場の動きも当然見ていると指摘しています。


一方で利下げが早過ぎたり、多過ぎたりした場合は、インフレ面での進展が失速または反転しかねないとも話していました。


上記のように今までよりはハト派に踏み込んだ発言をしているのですが、事前のハト派への期待が高すぎたのと、利下げ時期ヒントが無かったことにも失望することになり、金利が上昇しドルが買われた状況だと認識しております。


これを受け、ドル円は一時161.516円まで上昇し、欧州時間のレンジを上抜けする形となります。

本日も下院に対しての議会証言がありますので、質疑応答に注目ですね。


そして昨日の米株価に関しては以下になります。

S&P500の続伸が続き、昨日も過去最高値を更新して引けています。

かなり強い状況が続いていますね。


昨日パウエル氏の発言によって、年内に利下げが可能になるとの市場の見方は変わらなかった状況です。


本日の指標&要人発言


経済指標

  • 中消費者物価指数

  • 中生産者物価指数

  • RBNZ政策金利&声明発表

  • 10年債入札


要人発言

  • ピルMPC理事

  • ナーゲル独連銀総裁

  • パウエルFRB議長の議会証言(半期に1度の議会証言、下院金融サービス委員会)

  • ボウマンFRB理事

  • グールズビー米シカゴ連銀総裁


上記になります。


本日もパウエルFRB議長の議会証言になります。

内容は昨日と一緒だとは思いますが質疑応答に関して注目なのと、FRBメンバーの発言も控えていますので、微妙な変化があるのかどうか、読み解いていきましょう。


そして特に米経済指標も控えていませんが、10年債入札などが控えていることから、債券市場の動きにも注目していきたい所ですね。


本日もよろしくお願いします。

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