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2024年07月04日の見解

昨日の為替相場ですが、NY市場の米経済指標で軒並み弱い数字が出て、市場は乱高下することになりました。

ドル円は長期金利の低下と共に一時160.763円まで下落するも、引け間際には買い戻しされる「行って来い」の動きとなります。

株価に関しては、経済指標による長期金利の低下で、再びS&P500は最高値を更新するなど、堅調な動きを見せています。

日経平均株価も堅調な動きを見せていて、高値を目指す流れになっています。

では昨日の流れをまとめていきます。


昨日はまず以下の経済指標の発表がありました。

【豪小売売上高】

  • 予想+0.2% 結果+0.6%(前回+0.1%)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-03/SG0YDLT0AFB400


結果は強い数字となり、豪ドルが買われることになります。

小売が伸びていて経済が悪化していなければ、まだインフレに対して悩んでいるRBAからすると、「利上げ」が出来るという内容になり、市場では年内の利上げ予想が強まる結果につながりました。


そして欧州時間からは以下の経済指標がありました。

【仏非製造業PMI【確報値】】

  • 予想48.8 結果49.6(前回48.8)

【独非製造業PMI【確報値】】

  • 予想53.5 結果53.1(前回53.5)

【欧非製造業PMI【確報値】】

  • 予想52.6 結果52.8(前回52.6)

【英非製造業PMI【確報値】】

  • 予想51.2 結果52.1(前回51.2)


上記の結果で欧州通貨が動くことはありませんでしたが、底堅い展開が続いています。

数字を見る限りはあまり強いとは言えない状況です。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-04/SG2MGDT0G1KW00


そして本日は英国の選挙になります。

2010年以来14年ぶりの政権交代が実現するかどうかという節目の選挙。


英国の2大政権は「保守党・労働党」になりますが、現与党の「保守党」から「労働党」に政権交代するかどうかの選挙になります。

現在は政権交代が濃厚とされ、ほぼ労働党が決定となりそうです。


労働党は1997〜2010年の13年間長期政権を担っていたので、一応国民としては安心感があり、フランスとは少し状況が異なります。


現在の労働党の公約は以下になり、ある程度「福祉」に力を入れるような流れになると見られています。


そして「新政権の政策が打ち出されるか?」がキーポイントになってきそうで、以下によってポンドが左右されると言われています。

  • 左派政策を推進(財政に負担):ポンド安

  • 中道的な政策を提示:ポンド高


上記画像の「英労働党のスターマー党首」ですが、左派のコービン氏を追い出して「中道」に持っていきたい状況とのことなので、上手く長期政権の礎を作ることが出来るのか?という所が注目ポイントになってきます。


結果自体は5日金曜の昼から夕方ぐらいにかけてハッキリしてきそうですね。


そして昨日動くきっかけとなった米経済指標が以下になります。

【ADP雇用統計】

  • 予想+16.0万人 結果+15.0万人(前回+15.2万人→+15.7万人)

【新規失業保険申請件数】

  • 予想23.5万件 結果23.8万件(前回23.3万件→23.4万件)

【米貿易収支】

  • 予想-762億 結果-751億(前回-746億→-745億)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-03/SG1REVDWLU6800


この21:30の経済指標の結果は、全体的にマチマチだったということもあり、動くきっかけにはなりませんでした。


それよりは以下の経済指標で、昨日は大きく下落するきっかけとなります。

【ISM非製造業景況指数】

  • 予想52.5 結果48.8(前回53.8)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-03/SG1WA1DWRGG000


結果は予想を大幅に下回り、50さえも下回るかなり悪い結果となりました。

この結果を受け米長期金利が大幅に低下し、ドル円は一時160.770円付近まで下落することになります。


内訳に関しては以下になります。


2022年12月から2024年4月まで15ヶ月連続で成長しいただけあって、過去3ヶ月で2度目の縮小となり、しかも製造業・サービス業も今回は大幅に落ちたということで、マーケットではサプライズな動き方となりました。


今まで比較的良かった、新規受注(NewOrders)や雇用(Employment)に関しても低下している状態。

そして一般的にビジネスは微妙に低下している状態で、インフレは緩和しているものの、一部の商品のコストが大幅に上昇している状態ということで、これは非常に良くない内容になります。


一昨日にパウエル氏がECBフォーラムにて「(利下げをするきっかけになる)データの確信が欲しい」との内容でしたが、今の所、米経済減速のサインが出てきているので、明日の雇用統計が悪ければ、「9月利下げの思惑が一気に広がるのではないか?」と言われている状況です。


現在のFedWatchを見ておきましょう。

9月利下げ予想が徐々に増えてきていることがわかりますね。


利下げの可能性が出てくればドル安方向に舵を切るわけですが、現在は「米大統領選」の影響もあります。


昨日もバイデン大統領の高齢化問題で撤退もあり得るのではないか?という報道がありました。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-03/SG21Q3DWLU6800


トランプ氏が優勢になり、大統領の確率が高くなってくると、今週何度かお伝えしている「インフレに備えた債券市場の動きで債権利回りが高止まり」する可能性も出てきます。


そうなればドル高要因となるので、「ドル安とドル高の要因が重なり綱引き状態」になる可能性も出てきます。

「どの材料で動いているのか?」を見極めていく必要がありそうですね。


そして昨日はFOMC議事要旨の発表もありました。

米国の取引は半ドンだったので、相場には反映してないかもしれませんが、発表された内容が以下になります。

【FOMC議事録公表(6月11日・12日開催分)】

  • 利下げへの確信得るための追加情報を待っている

  • 多くの当局者は経済成長の漸進的冷え込みを認識

  • 当局者はインフレ目標へのさらなる緩やかな進展を認識

  • 5月CPIはインフレ進展のさらなる証拠を示した

  • 多くの当局者は低所得世帯の負担を懸念

  • スタッフは失業率が2024年と2025年に緩やかに低下すると予測

  • 一部の当局者は労働市場を注意深く監視する必要があると指摘

  • 数人の当局者はインフレが続くか上昇する場合、利上げが必要となる可能性があると指摘

  • 一部の当局者は長期金利が以前考えられていたよりも高いと指摘

  • 目標を達成するには労働市場のさらなる緩やかな緩和が必要になる可能性

  • 一部の当局者は貿易摩擦や地政学がインフレ目標に対するリスクと認識

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-03/SG27E0DWRGG000


内容的には特に変わっていませんが、パウエル氏が言っている「確信的なデータ」が出なければ「利下げ」にはふみきれないとの内容ですね。


インフレ率の落ち方を見ても、減速のペースは落ちてきていることもあるので、「油断していては再度インフレ再燃もあり得る」と考えているのだと思います。


そして昨日は長期金利が低下したことにより、米株価(S&P500)に関して最高値更新をしております。


本日の指標&要人発言

「指標発表」タグよりご確認下さいませ。


経済指標

  • ECB理事会議事要旨公表(6月6日開催分)


上記になります。


本日は米国が祝日になり、相場は閑散としそうです。


本日もよろしくお願いします。

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