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2024年07月12日の見解

昨日の為替相場ですが、米CPIの弱い結果でドルの全面安となり、ドル円・クロス円を中心に大きく下落することになりました。

ドル円は一時157.413円まで下落し、発表前の水準から4.3円(430pips)の下落幅となります。

その後は金利の上昇で買い戻しが入るも、159.500付近までの買い戻しで引けています。

株価に関しては、CPIによる金利低下の影響があったのにも関わらず、下落するという内容になっています。

では昨日の流れをまとめていきます。


昨日は英国のGDPが発表されました。

【英GDP】

  • 予想+0.2% 結果+0.4%(前回±0.0%)

【英鉱工業生産】

  • 前月比:予想+0.2% 結果+0.2%(前回-0.9%)

  • 前年比:予想+0.6% 結果+0.4%(前回-0.4%→-0.7%)


米CPI前ということで、特に上記で動くことはありませんでしたが、英国のGDPは回復してきているということです。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-11/SGG3X2T0AFB400


そして迎えた米CPIの結果が以下になります。

【米CPI(消費者物価指数)】

  • 前月比:予想+0.1% 結果-0.1%(前回±0.0%)

  • 前年比:予想+3.1% 結果+3.0%(前回+3.3%)

  • 前月比・コア:予想+0.2% 結果+0.1%(前回+0.2%)

  • 前年比・コア:予想+3.4% 結果+3.3%(前回+3.4%)

  • 前月比・スーパーコア: 結果-0.054%(前回-0.034%)

  • 前年比・スーパーコア: 結果+4.651%(前回+4.804%)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-11/SGGLJET0G1KW00

米CPIの結果は弱く、市場予想を下回ったことで、9月利下げ観測が強まり「円高・ドル安」となりました。


数字を見てもかなり鈍化していることがわかると思います。

この数字の鈍化をFRBがどのように捉えているか?が焦点になっていますね。


内訳に関しては以下になります。

上記赤枠の部分になりますが、総合では原油・エネルギーが落ち込んでいることがわかります。


そしてコアの部分(下の赤枠)ではシェルター(家賃)が落ちてきていることがわかります。

家賃に関しては1年越しで、ようやく低下してきたという内容になります。


これだけ数字で言えば鈍化したこともあり、マーケットでは以下のように9月利下げが90%以上を超えている状態となっています。(現在の所はほぼ利下げするのではないか?と見ている)


そしてこのCPIの結果が出た瞬間的な下落後の後(10分後)、再度大きな下落をすることになります。

この動き方が「為替介入」の動きっぽくて、市場関係者の中でも「為替介入があった」と見ている人が多かった印象です。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-11/SGGJLDT0AFB400


朝日・毎日新聞に関しては「政府関係者が為替介入を実施したと明らかにした」という報道が流れていますが、神田財務官は「為替介入があったかはコメントしない」と発言しております。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-11/SGHE0JT0AFB400


実際に介入があったかどうかは、今日の日銀の当座預金残高で推測することはできますが、確定でわかるのは月末になります。

<日銀当座預金増減要因と金融調節>

https://www3.boj.or.jp/market/jp/menu.htm


5月の為替介入のやり口(FOMC&要人発言後)にすごく似ている印象はありましたが、下げ幅から見て、介入があったとしても小規模のような印象です。

いずれにせよ、昨日は大きくドル円・クロス円が下げているので、警戒しつつ見ていきたいいなと思います。


そして昨日は要人発言がありました。

【クックFRB理事(CPI前)】

  • 経済指標はソフトランディングを示している

  • 失業率の大幅な上昇はないと見込んでいる

  • 失業率の状況が急変すれば対応策を取る

  • 失業率の動向に非常に注意を払っている

  • 政策は2%のインフレ目標に向けて良い位置にある

【デイリー米サンフランシスコ連銀総裁(CPI後)】

  • 何らかの政策調整が正当化されるだろう

  • 経済は今年1-2回の利下げが適切な軌道に乗っているようだ

【ムサレム米セントルイス連銀総裁(CPI後)】

  • 米労働市場は力強い

  • 金融政策は制限的だが、過剰に制限的というわけではない

【グールズビー米シカゴ連銀総裁(CPI後)】

  • 本日のインフレ統計は素晴らしいものだった

  • データ次第では1回、もしくは一連の利下げにオープン

  • FRBがいつ利下げすべきかについてはコメントを控える


クック氏に関してはCPI前の発言でしたが、「失業率」について注目しているとのこと。

あまりにも失業率が多くなると、「利下げ」に踏み切らないといけませんが、現在の所は注意深く見ているとのこと。


そしてCPIが発表された後の連銀総裁達は、今回のCPIデータを好評価しています。

鈍化傾向にあるということは「インフレ低下」を意味するので、「年内1〜2回の利下げ」に対して適切と判断している状況です。


後は利下げ時期がいつからか?という所ですね。


そして昨日の米株価に関しては以下になります。

S&Pとナスダックは下落することになりますが、昨日米金利が低下しているのにも関わらず下落しました。


金利が下落すると、株価は上昇するのがセオリーなので、そうならなかったということは、おそらく「利確」が入ったのではないか?と言われています。


本日の指標&要人発言


経済指標

  • 米PPI(生産者物価指数)

  • ミシガン大学消費者信頼感指数【速報値】

※大手米銀行決算(JPモルガン・チェース、シティグループ)


上記になります。


本日も引き続き米PPIが予定されています。

そして来週月曜は東京勢が祝日になります。


ボラが拡大しているので、lot調整するように慎重に動いて行きましょう。


本日もよろしくお願いします。

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