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20204年07月26日の見解

昨日の為替相場ですが、東京時間から欧州時間にかけて引き続きドル円・クロス円中心に下落し、キャリートレードの巻き戻しの動きが引き続き出る形になります。

しかしNY時間に入ってからは、米経済指標が強くドルの買い戻しが入る事になり、ドル円は一時151.935円と底をつけていましたが、154.276円まで上昇する流れになります。

日経平均株価に関しては一時1200円を超える下落となりました。

6月25日から上昇し始めた日経平均株価が全戻しという結果となっています。

では昨日の流れをまとめていきます。


昨日は東京時間から水曜日や木曜日の動きで見られた米系ヘッジファンドを中心としたキャリートレードの巻き戻しが続きます。


そして日経平均株価も大幅下落している事によって、ドル円やクロス円に関しては頭が重たい展開が続き、一時ドル円に関しては151.935円まで下落することになります。


欧州時間では以下の経済指標が発表されました。

【独IFO景況指数】

  • 予想88.9 結果87.0(前回88.6)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-25/SH66OXDWLU6800


EUにとってドイツ経済は非常に重要なのですが、その景気がやはり減速している状態。

一時的に2024年前半では回復気味でしたが、後半に差し掛かるにつれて減速しているのがグラフを見てわかると思います。

IFOのフュースト所長は「危機から抜け出せずにいる」とのこと。


この影響を受けてユーロは若干売られますが、そこまでの影響には至っていません。


そして要人発言が出ます。

【ナーゲル独連銀総裁】

  • データが今の路線通りなら利下げは可能なはず

  • 9月に何が起こるかについて事前に約束できない

  • ECBは会合ごとにアプローチを取っている

  • ユーロ圏の賃金の動向はまだ非常に堅調

  • 利下げに関して自動操縦モードではない

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-25/SH6G8CT1UM0W00


そしてNY時間に入ってからは以下の経済指標の発表があり動き出します。

【新規失業保険申請件数】

  • 予想23.8万件 結果23.5万件(前回24.3万件→24.5万件)

【米第2四半期GDP【速報値】/個人消費【速報値】】

  • GDP:予想+2.0% 結果+2.8%(前回+1.4%)

  • 個人消費:予想+2.0% 結果+2.3%(前回+1.5%)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-25/SH6IW9T1UM0W00

【米耐久財受注&【除輸送用機器】】

  • 前月比:予想+0.3% 結果-6.6%(前回+0.1%)

  • 前月比・コア:予想+0.2% 結果+0.5%(前回-0.1%)


特に米GDPが予想を上回る伸びを見せ、ドルの買い戻しが入ります。


米国経済の7割を占めている個人消費に関しても予想を上回る強い数字となりました。

個人消費を率いたのは主に自動車や家具といった耐久財の持ち直しによるもの。


不動産投資に関しては、少し厳しい状態です。

以下がGDPの内訳の一部になります。


そして新規失業保険申請件数に関しても強い数字が出ています。


一時期は24.5万件と失業保険申請が伸び、経済が悪化しているかと思われていましたが、今回は減少したことによって、まだ強い経済ということがわかります。


失業保険申請だけで考えると、利下げは遠のいた印象ですね。

上記の強い経済指標を受け、結局ドル円は「154.276円」まで上昇する事になります。


そして昨日はイエレン氏の発言が入りました。

【イエレン米財務長官】

  • 我々は市場が決定する為替レートを信じる

  • 時間の経過とともにファンダメンタルズは為替レートに反映される

  • (金利によるドル高について)それが仕組みだ

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-25/SH6VERT0G1KW00


そして昨日の米株価指数に関しては以下になります。


大手ハイテク株への売りが再燃した状態でしたが、米経済指標が強かった為、堅調に推移する銘柄もありました。

エネルギーや資本財、金融など景気に敏感なセクターが上昇することになります。

そして日経平均株価に関してですが、冒頭でもお伝えしているように、1200円以上安くなり心理的節目の3万8000円を下回る事になりました。


米国でテクノロジー関連企業の決算が期待を下回り、大手のテクノロジー株を中心に大きく売られたことや、急速な円高で業績不安が広がったことが要因として挙げられています。


本日の指標&要人発言


経済指標

  • 米個人所得/個人支出

  • PCEデフレーター/PCEコア・デフレーター

  • ミシガン大学消費者信頼感指数【確報値】


上記になります。


本日はPCEデフレーター/PCEコア・デフレーターの発表を控えています。

個人所得なども控えていることから、米経済の状態や強さを再確認する経済指標が並びます。


水曜日頃から「日銀利上げ観測」の影響により、大きくドル円・クロス円が売られている状態が続いていますが、この勢いが全体的な市場の下落につながっている状態で、株価だけではなく、ゴールドや暗号資産の下落にも繋がっている状況です。


この「何でも売れ」の下落の勢いが一旦止まるかどうかという所の節目に来ています。


直近でもお伝えしておりますが、現在は月末の「FOMC・日銀会合」がかなり意識されているので、クロス円を触るのは短期的であればいいですが、中長期で持つのは少し手控えた方がよさそうです。(ボラが高い)


本日もよろしくお願いします。

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