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2024年07月01日の見解

金曜日の為替相場は、37年半ぶりの161.286円とドル円は高値更新を記録しております。

更新後は、決済確定なのかドル円は下落することになるのですが、その後の米経済指標でも弱い数字が続き下落することになります。

しかし、米大統領討論会の影響もあり長期金利が上昇し、そのまま引けを迎えることになりました。

では金曜日の流れをまとめていきます。


まずは東京時間から以下の発表がありました。

神田財務官が退任し、後任には三村淳国際局長が就任。

三村淳国際局長が就任

(日本経済新聞)

神田財務官後任に三村国際局長 次官は新川主計局長https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA281DT0Y4A620C2000000/

寄り付き後、東京仲値に向けたドル買いで1986年12月以来の37年半振りとなる161.200円台を付けることになりましたが、上記の報道を受けてドル円が失速する流れとなりました。


そのまま月末・期末ということもあり、決済の動きが出たのか?欧州時間もそのままドル円は失速する動きを見せます。


そしてNY時間に発表された経済指標は以下になります。

米・経済指標

【個人所得/個人支出】

  • 個人所得:予想+0.4%結果+0.5%(前回+0.3%)

  • 個人支出:予想+0.3% 結果+0.2%(前回+0.2%→+0.1%)

【PCEデフレーター/PCEコア・デフレーター】

  • 前月比:予想+0.1%結果+0.0%(前回+0.2%)

  • 前年比:予想+2.6%結果+2.6%(前回+2.7%)

  • 前年比:予想+2.6%結果+2.6%(前回+2.8%)

(ブルームバーグ)

米PCEコア価格指数、5月は伸び減速-年内利下げの論拠補強https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-28/SFSIW4T1UM0W00


PCEの結果は全体的に予想通りではありますが、前回発表より鈍化傾向が続く形となりました。


この結果を受けて、

  • 9月に利下げ実施

  • 12月に追加利下げを実施

上記の観測が高まったことになります。


マーケットは、FRBがPCEに注目(信憑性がより高い数字と認識している)していると認識している為、今回の結果を受けて年内2回利下げを予想しています。


FedWatch

この結果を受け米長期金利が低下することになり、ドル円は下落します。


一時160.270円付近まで下落し、金曜日の底値を作りにいく形となりました。


そして以下の経済指標も発表されます。

【ミシガン大消費者信頼感指数】

  • 予想65.6結果68.2(前回65.6)

  • 1年先インフレ:予想3.2%結果3.0%(前回3.3%)

  • 5年先インフレ:予想3.1%結果3.0%(前回3.1%)


ミシガンでも期待インフレが鈍化し、弱い傾向となりました。

インフレが落ち着いてくるという見方です。


しかしこの発表後は長期金利が上昇してくる流れとなりました。

材料的に出尽くした所もあると思いますが、この日の日本時間に「バイデン大統領とトランプ前大統領の討論会」が開催されました。

(ブルームバーグ)

「こうなると恐れていた」、討論会のバイデン氏を同盟国から憂慮の声https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-28/SFSPHVDWLU6800?srnd=cojp-v2


結果はトランプ氏が優勢ということになります。

バイデン氏は回答を間違えるなど、しどろもどろになりながら返答をするなど、「高齢者」として世間には捉えられた様子です。


トランプ氏が優勢ということで、米長期金利が上昇という形になるのですが、理由はトランプ氏の政策自体が「インフレ再燃」しそうな政策が多いことです。

(赤枠)トランプ氏の政策になりますが、「エネルギー開発・減税・移民を抑制・関税を引き上げる」という内容になります。


トランプ氏は「アメリカ・ファースト」の考えの持ち主になるので、例えば関税を引き上げることによって物価上昇を引き起こしたり、移民を抑制することで雇用がタイトになったりとインフレになりやすい政策が多いことから、金利上昇に繋がったと推測しています。


金曜日の1日の動きをまとめると、討論会は午前中に開催されたもののそこまで反応しなかったのはPCEデフレータなどの重要指標待ちという見解。

さらに月末・期末も重なって決済などの動きが出ましたが、経済指標も全て出尽くして結果が出たので、討論会でのトランプ氏が優勢という所にフォーカスされ始め、債券売りの金利上昇に繋がったのではないか?と考察しています。


そして米株価は、上記の影響で金利上昇したということで下落することになります。


そして、30日にはフランス下院選・第1回投票が行われ、ルペン氏率いる「国民連合(Rn)」が最多の票を得た様子です。

マクロン大統領の政党は左派連合に続く3位に転落する見通しとなり、この影響を受けてユーロが本日窓開けとなり買われています。

(ブルームバーグ)

ルペン氏極右最大勢力へ、仏下院選第1回投票-中道・左派は候補調整もhttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-30/SFWNGCT1UM0W00


今回ユーロが買われている状況というのは、欧州議会選挙の時からユーロは大きく売られ出すキッカケとなり、ほぼ市場が織り込んでいた状況かと推測されます。


そして結果がほぼ出てきたので、「buy the fact(事実で買え)」として買われているのではないかと考えています。


本日の指標&要人発言


経済指標

  • 第2四半期日銀短観

  • 仏、独、欧、英、製造業PMI【確報値】

  • 独消費者物価指数【速報値】

  • 米製造業PMI【確報値】

  • ISM製造業景況指数


要人発言

  • ナーゲル独連銀総裁

  • ラガルドECB総裁


そして今週のスケジュールは以下になります。

<火曜日>

  • RBA議事録公表(6月18日開催分)

  • 欧消費者物価指数【速報値】&【コア】

  • ラガルドECB総裁

  • パウエルFRB議長

  • 米JOLTS求人

<水曜日>

  • 仏、独、欧、英非製造業PMI【確報値】

  • ウィリアムズ米NY連銀総裁

  • ADP雇用統計

  • 米新規失業保険申請件数

  • 米貿易収支

  • 米非製造業PMI【確報値】

  • ISM非製造業景況指数

  • ラガルドECB総裁

  • FOMC議事録公表(6月11日・12日開催分)

<木曜日>

  • ECB理事会議事要旨公表(6月6日開催分)

  • 英建設業PMI

<金曜日>

  • ウィリアムズ米NY連銀総裁

  • 米雇用統計

  • ラガルドECB総裁


上記となります。


本日から下半期スタートとなりますが、期初めということもあり為替相場の動き方を注視しようかと考えています。


今週は、

  • 4日:英国選挙

  • 7日:フランス決選投票

など、政治が動く影響、さらに米経済指標も第1週目なので雇用統計など、重要指標が並びます。


ファンダ的な影響で乱高下する可能性があるので、まずは動き方を見ていきたい所です。

短期的にドル買い方向をやるなら、十分引きつけて参入することを推奨します。


本日もよろしくお願いします。

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