Like a Sylvester Stewart

テキストは久々の更新です。
去年リリースした新しい音源「...Still Riot Goin' On」、皆さんもう聞いて頂けたでしょうか?

「FUNK」と言えばどんな事を思い浮かべますか?唐突ですが。
皆さんのイメージと言えば「アフロヘアの人が暑苦しい歌を歌っている」だとか「星形サングラスをかけたキラキラの人がノリノリのディスコチューンで身をくねらせている」とか、そんな感じだと思います。

神とも呼ばれる「JAMES BROWN」が発明したと言われるFUNK。
アフリカンミュージックの複数のパーカションのアンサンブルをそれぞれの弦楽器などに置き換えて、頑なな反復でトランスさせる、まるでドラッグのような音楽です。
パーカッションというのは本当にすごい楽器なんですよ。
世界中どこの文化を見ても、最古の楽器は打楽器だったりします。
人類は歌を手に入れて、その次にリズムを手に入れました。
それは宗教や儀式には欠かせない存在でした。

雨乞い。
乱世の終焉。
疫病退散。

人々は穏やかな日々への祈りを込めて、打楽器と共に夜明けまで踊りました。
例えば日本人がサンバを聴いても何となく祭りの高揚を思い出すでしょうし、フランス人が和太鼓を聴いても心が躍るはずです。
そんな人類共通のプリミティブな感覚を呼び覚ます、それが打楽器です。
それをバンドスタイルとして弦楽器や鍵盤、管楽器などに落とし込んだというのだからこれはもう発明と言わずしてなんと言いましょうか。

そんなFUNKが発明された少し後の1969年、アメリカでは今でもロック史に燦然と輝く愛と平和の元祖野外フェス「WOODSTOCK MUSIC&ART FESTIVAL」が開催されました。
それはベトナム戦争に辟易としていたアメリカの若者達が愛と平和を謳うこのフェスに大挙して、ロックが社会的に認知された(せざるを得なくなった)というエポックメイキングなフェスでした。(この愛と平和を謳うことに関するの是非については長くなるので今回は割愛します)

しかしこのフェス、もう一つのエポックメイキングな出来事があったのです。

JIMI HENDRIX。
SANTANA。
SLY&THE FAMILY STONE。

そうです。
「大観衆の前で白人と有色人種の混成バンドが演奏した」という事です。
しかも複数バンド。

このフェスからロックは産業として成熟していき、アメリカ西海岸は次世代のロックスターを目指す若者達が集う場所となりました。
まるでカリフォルニア州がホテルになったかのように。
ちなみにEAGLESはHOTEL CALIFORNIAの中で
「当店では『SPIRIT』という酒は1969年以降取り扱っておりません」
と歌っています。くぅ〜。

とそんなWOODSTOCKの映像を機に、様々な古いバンドを聴く様になりました。
色々聴く中である日手に入れたSLY&THE FAMILY STONEのアルバム「Fresh」。


それまで「STAND!」や「DANCE TO THE MUSIC」を聴いていた俺は、全く違うアプローチの「踊れないFUNK」のサウンドにぶっ飛びました。
さらに特筆したいのは「Skin I'm in」というタイトルです。

ぶっ飛びました。

そこから視点を変えてタイトルや歌詞などを改めて見てみると。

Don’t Call Me Nigger, Whitey
Stand
There's Riot Goin' On

Sly&The Family Stoneは、愛と平和と階級闘争を歌うRebel Musicでした。
まるでPUNKやHARD COREのように。

俺は大好きだったSly&The Family Stoneが、もっと大好きになりました。

Stand

There's Riot Goin' On

まぁその後中心人物のSly Stoneはドラッグや人間関係や契約や色々なものに振り回されて色々あるのですが、ネットで調べる限りはまだご存命の様です。
観れないかなぁ。

いまこんな時代にこの国に生まれて育ち、色々と思うことがたくさんあります。
そして2011年3月11日以降から今日この日まで、多くの哀しみや憤りや分断やため息がありました。

そんな時期に感じた思いを凝縮しまくったアルバムを去年リリースしました。
ツアーも思うように出来なくて、多くの人に迷惑をかけ、それでも何か力になれればと前を向き、また心が折れて、それでも守りたい人や守りたいものがあって。
葛藤でどうにかなってしまいそうなぐらいの日々は今も続いています。
自分の力でどうにか出来ないことの多さに挫けそうな中で、自分に出来る事は何だろう。

祈ろう。
考えよう。
感じよう。
そして、踊り続けよう。

そんなシングル、出来ました。
ぜひ聴いてみて下さい。

「みんな。ピースサインを俺にくれ。平和を祈ろう。恥ずかしがらずに。何か理由が必要かい?」/Sly Stone

いよいよツアーが出来そうな空気になって来ました。
このご時世、例えお客さんが1人でも、いや、誰もいなくても。
俺たちは、愛と平和と反抗を歌いに行きます。
アルバムプラス、新たなシングルを携えて、あなたの街へ。

画像1

"Resisdance(Like a Sylvester Stewart)"
TDR-007
¥500(TAX IN)

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