【本レビュー3】狼たちへの伝言
狼たちへの伝言の著者は、作家で国際ジャーナリストの落合信彦さん。
最近テレビで引っ張りだこの落合陽一さんのお父さんである。
落合信彦さんは、貧しい家庭に生まれながらも、高校卒業時にアメリカ留学を目指して猛勉強。
鬼のように勉強した結果、オルブライト大学から合格をもらえた。
しかし、渡米するお金がなかった。
落合さんは、なんと移民船に潜り込んだことで、アメリカへ渡ったのである。
大学卒業後は、オイル・ビジネスで大成功。
そんな行動力と知性に溢れた落合さんの人生論が、この本には書かれている。
落合さんは言う。
「小利口に生きることを捨て、大きなバカとして生きれば、世の中はどんなにおもしろいか。退屈しないか、それを伝えたくて人生論を書いた」
力強い言葉、今のあなたの生活を考え直すきっかけとなる。
偉大なエゴイスト
落合さんのお父さんは、エゴイストだった。
女をつくって、女房と子供の落合さんを捨てるくらいに。
お父さんが家を出るときには、「俺はお前たちのために生きてるんじゃない。自由にさせてくれ」と言った。
その後、お母さんが一人で家族を養ってくれた。
お父さんがお亡くなりになったとき、お母さんが元亭主の棺桶をみて「あんたは本当に幸せだった。やりたいことやったもんね」と言い、大泣きした。
お父さんのエゴイスト、お母さんの精神の自由さをみて、著者は育ったのである。
生きるのは攻めること。防御的な人間におもしろいヤツはいない
今の世の中つまらない人間ばかりで、破天荒な人間、滅茶苦茶な人間、個性のある人間がいなくなった、と落合さんは言う。
落合さんのお兄さんは、高校卒業後に貧しい家庭を助けるために、電電公社に働こうと思っていた。
しかし、最終面接に落ちた。
理由は、母子家庭だから。
お兄さんは「そんなの全く関係ない」と泣き崩れる。
落合さんは、そんな日本に見切りをつけて、高校卒業後にアメリカの大学に行く決意をする。
オルブライト大学に合格するものの、アメリカへの渡航費がなかった。
著者は、外国船に片っ端から入学許可証をみせて、「船で働くから連れてってくれ!」と土下座した。
三日目にして、ブラジル移民船に乗り込めてアメリカへの渡航が叶ったのである。
本当に死んでもいいという覚悟がなければ、政治家にはなれない
著者がアメリカに渡った頃、ジョン・F・ケネディが大統領になろうとしてる頃だった。
ジョン・F・ケネディは、何度も命懸けで演説に臨んだ。周りの警察に危険だからとめられようが、演説して国民に訴えた。
明確なビジョンを示して、国民に夢を与えた結果、大統領選に勝った。
日本には、命懸けでやってる政治家がいるか?今後のビジョンを国民に示しているか?残念ながら、今の日本には、真のニューリーダーはいない、と著者は言う。
イイ女を抱きたかったら、ブランドに身を包むよりエキサイティングに生きることだ!
著者がアメリカでの大学生活中には、何度もアメリカ人と喧嘩をした。
別に著者から挑んだワケではないが、売られた喧嘩はすべて臨んでいた。
そして、全て勝っていた。
さらに、誰よりも勉強した。毎日毎日、授業の教科書を読み漁っていた。
その結果、成績は上位だった。
喧嘩もつよく、勉強もできる。さらに自分の意見もはっきり述べられる。
そんなエキサイティングな生活をしていると、特段に綺麗な・可愛い女の子とも付き合えた、とのこと。
日本では、いろんなブランドを買って見栄を張る男が多いが、本当にそれで自分を磨けているか?
ブランドよりも、エキサイティングな道を選び続けることで、結果も女もついてくるのである。
すべてをさらす勇気、そしてたとえ敗れたとしてもまたのしあがる気概。それがサクセスへの王道だ!
著者は大学卒業後に、石油を掘り当てる会社を設立。
オイルビジネスは、何億もかけて土を掘って石油が出てくれば何十億の利益、当たらなければ損失というものである。
著者は、初めて掘ったのがナイジェリア。
目星をつけていたナイジェリアのエリアは、内戦していた。
ヘリコプターで見に行ったが、下から銃を打たれるくらいだ。
本当に石油が出てきそうなエリアか、上空からでは見えにくく、高度を下げるようにパイロットに指示した。
「これ以上下げると本当に危険だ!」とパイロット。
著者は、ニューヨークにいる従業員や従業員の家族の顔を思い浮かべて、パイロットに拳銃をむけて、「今高度を下げろ!」
そしてそこのエリアは、間違いなく当たる匂いがしたとのこと。
結果的に、初めて石油を掘り当てて、何十億円の利益を獲得した。
金も名誉も人生も、すべて賭けて勝負すれば男を磨く。
すべてをさらけだすんだ。
そしてたとえ負けたとしても、また這い上がる気概。
それがサクセスへの王道なのである。
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