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「A FLOOD OF CIRCUS 2024」@東京キネマ倶楽部

 a flood of circle主催の「A FLOOD OF CIRCUS 2024」の3日目が2月9日(金)に東京キネマ倶楽部で行われた。キャパ500。対バンで先行はドミコ。出待ちの時間はずっとサーカスの音楽が流れてた。

 「easy money」と共にDomicoのネオンが光って、長谷川(Dr.)とさかした(Vo.Gt.)が出てくる。さかしたひかるはサングラスをかけて両肩タンクトップのラインを出している。エロい。ギターとドラムを鳴らして、さかしたが足をドラムに乗っける。何かを叫んだけどまた聞き取れない。「びりびりしびれる」と「てん対象移動」からライブは始まり、警報のようなリフで即座にドミコロックに連れてかれる。そして3曲目でまさかの「ペーパーロールスター」。前重心でかっさらうセトリみたい。いつもの歌詞をスルーしての「ハロォォォオーー!!」のシャウト。あっという間に会場は最高潮の中、2人のスパーリングセッション。さかしたがもっと来い、という手振りを長谷川に送って、そのままみんな見ろと言うようにドラムを指さす。立ち上がりそうな力強いドラム。永遠に聴いてられるギターのグルーヴ。そこから先日リリースされた異(上)から、「まどろむ」「まどろまない?」へ。「まどろむ」は以前から演ってたセッションがそのままパッケージされてリリースされたもの。「まどろまない」をアレンジした「まどろまない?」はアンニュイが退行し、分厚く暴力的な音に変わっている。俺は最強のリフで頭を殴られたおかげで多分嫌な思い出が一つ消えた。

 曲終わりで「Thank you-!!」とは言うがMCはほとんど無し。ストイックでミニマルな姿勢が現れている。ライブの2日程前に発表された異(下)のリリースの中から「深海マリアナ海溝旅行にて」が演奏される。「深海旅行にて」を思いっきり縦ノリにアレンジした仕様。ハードロックにありそうなギターソロが披露され、すご過ぎてオーディエンス呆然。ドラムのソロも続きライブは終盤へ。いつの間にかサングラスを外していたさかしたは「ユナイテッドパンケーキ」のループを重ねていく。初期からのアンセムで再度熱狂に満たした後、「フラッドありがとう、あと一曲ー!」(聞き取りにくかったけど多分)と叫び「なんて日々だっけ?」でガレージとサイケデリックをキネマの床に叩きつけて2人は帰っていった。さかしたひかるがエロかったのはその服装だったからではなく、没頭と葛藤で辿り着く色気を持っていたからだった。

 機材の準備が整い、後攻のa flood of circle。メンバーが入ってきて、最後に佐々木亮介(Vo.Gt.)が酒を持って登場。オーディエンスを見て酒を大きく上にかかげる。「a flood of circleです!」初めてフラッドをライヴで見るのだが、佐々木亮介、黒のグレッチ!歌っている時の頭を横に傾ける仕草もチバみたいで、絶対好きだった間違いねぇ。チバ狂としてはフォロワーミュージシャンがいる事は嬉しい。そういえば何かのインタビューでチバとよく飲むって書いてた。

 「Lucky Lucky」ではアオキテツ(Gt.)が歌うパートで「東京キネマ倶楽部よろしくー!」と叫ぶ。「狂乱天国」ではハンドマイクに変わり、酒を持って両手を大きく掲げる。歌詞に合わせ身振り手振り、そしてオーディエンスの中へ突っ込んでいく。しかも結構奥の方まで。曲が終わりステージに戻ると、「…客席に降りたらロックだと思ってますよね。」会場に笑いが溢れる。「みんな…みんなって何?君1人にって言えよ…」だいぶ酔いが進んでいる。今日は何度か背中を大きく反って飲んでいた。アコギを手に取り、「月に吠える」。
 「みんなイライラしない?イライラしたらギター弾くといいよ。」思いっ切りギターがかき鳴らされた後、「くたばれマイダーリン」が優しく始まった。

「死んだり、やめたり…人間ね?あると思うんだけど俺は続けてるんだ」「これが俺のサーカスなんだけど。安定してる?安定って気持ち良い事ね。」「象の空気が抜けそうで。(キネマ倶楽部のステージ横にあった風船のゾウ)なんとか立ってる俺みたいだ。」曲間で挟まれたMCだ。自虐の裏側にある哀愁も観客は暖かく受け止めているようだった。オールナイトニッポン聴いたけど、そこでも自虐していて徹底しているので、もしかしたらロックスターなのに自虐的という珍しいポジションを確立しようとしてるのではないかと思った。もし戦略的にそうだとしたら激レアさんはじめテレビに露出する日も近い。とりあえず初めて見る目に写った彼はどっからどう見てもロックスターだ。

「時速36kmのしんちゃんとか、俺以上に自分の事好きな奴で。ユニゾンスクエアガーデンとか、分けて欲しい、一緒にして欲しくない…。冗談ですよ!?ドミコのひかる君は本当俺好きで。それでしつこくて、ひかる君怒らせちゃったんだよ。結局何が言いてえんだよ?って。だからフラッドオブサーカス誘った時も出てくれないと思ったんだけど出てくれて。何が言いたいかと言うと、しつこさって大事。」拍手が鳴った。「さっき死んだり、やめたりって話したけど必ずくるんだよね。俺笑っちゃうんだけど。瀬戸際は必ず来る。瀬戸際に俺はこうしている。」

 「月夜の道を俺が行く」では俺の夢を叶えるやつは俺しかいない 俺は行く いつもの道を をマイク無しの生声で歌う。オーディエンスとの疎通と信頼は固く、どの曲も一体感が生まれる。アンコール前最後の曲「I LOVE YOU」へ。フラッドでこの曲が飛び抜けて好きだ。佐々木の声が出にくくなっていたけど、一体感は変わらない。本当に楽しそうに多くの腕が上がる。アンコールで「Blood Red Shoes」と「The Beautiful Monkeys」の二曲を演ってアクトを終えた。
 今日佐々木は俺について来いとも、俺がお前らをハッピーにするとも言ってない。言ったのはやり続ける意志と自虐だ。そこに契りはない。だけど大切な約束は言葉でかわさないから、フラッドのファンの人達はどれだけ売れようが、落ちぶれようがその行く末を暖かく見守る気がする。

ドミコ

1.びりびりしびれる
2.てん対象移動
3.ペーパーロールスター
4.まどろむ
5.まどろまない?
6.ねむれよ、ねむれ 
7.のらりつらり
8.深海マリアナ海溝旅行にて
9.ユナイテッドパンケーキ
10.なんて日々だっけ?

a flood of circle

1.Flyer'z Waltz
2.Party Monster Bop
3.Lucky Lucky
4.狂乱天国
5.月に吠える
6.くたばれマイダーリン
7.バタフライソング
8.青く塗れ
9.キャンドルソング
10.ロックンロールバンド
11.花
12.月夜の道を俺が行く
13.I LOVE YOU
En1.Blood Red Shoes
En2.The Beautiful Monkeys

 

 

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