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「DRAGON ASH LIVE HOUSE TOUR"VOX in DA VOX」@zepp 羽田 2024.3.31

 コンプラ大国日本ではモッシュ&ダイブは衰退、消滅すると思ってた。今年フジロックに来日するTURNSTYLEのライブ映像など見て、こんなん日本で絶対無理やん。Xに投稿して叩くやつ出てくるやんと思ってた。(オーディエンスがステージに上がりまくってそこから客側にダイブしていくやつ笑)
 しかし、井の中の蛙大海を知らずで実は日本のダイバー達は衰えるどころか進化していた。このSHANKとDragonAshのライブはダイバーの数がもの凄かった。半端なかった。パンクスもスケーターもピンク髪も金髪も女性も男性も、どこからともなくニョキニョキ現れコロコロ飛んでいく。私の頭上を10人は通り過ぎていった。全体で100人以上飛んでいるはずだ。しかもみんな飛び方が上手い。

「ライブ楽しいぃ!」
とんでもないダイバーの数に応えるように庵原(Vo.)に笑顔が広がる。2,3週間やる事がなく家でネトフリを見続け、自分が何者かわからなくなったという庵原から素直な喜びが伝わってくる。この日はリフが鳴り始める度にどの曲も歓声が広がった。特に初期の名曲locofranc直系アンセム「Wether is beautiful」が始まった時は大歓声。
また、男鹿フェスでモンパチを見ていた時にkjからお前達もこういう素直な曲を書けと言われ書いたというエピソードが前置きされ「どのツラ下げてって感じだけど。」と言い始まった「Sandpaper」。If I could say that I'm sorryと歌うそれは長年バンドを共にして昨年袂を分けた池本(元Dr.)との事かどうかまではわからない。後悔をしているという素直な歌。

MCで庵原が来年20周年という事を、今年20周年の間違いと松崎(Gt.)に訂正されるなど和やかな瞬間はあれど熱狂の16曲。ほぼツーマン。もみくちゃの45分だった。

 機材の置き直しなど、DragonAshが始まるまで30分あった。場内は完全にSHANKの熱は冷め、なかなか始まらない事にkjの体調がまだ完調ではないのではないかと思ってしまった。しかし振り返るとkjの体調云々ではなく、SHANKのライブに応えるようにDragonAshもFor Diver'sセトリにこの時間で組み直していたのではと思う。

 お待ちかね「Entertain」のイントロが会場に流れる。「さあ始めよう」音源とは別の曲かと思うほどの割んばかりの大合唱。声が届いてかkj(Vo.)の瞬きが増える。涙が眼に溜まるように見える。花粉症ではないであろう事はここに来た人たちなら知っている。去年色々とありすぎた。その去年から続いたツアーの終着点。万に上るであろうネットに書き込まれたクソみたいな誹謗中傷よりもライブハウスの俺達の声を信じろと言わんばかりのシンガロング。kjに届いてる。

 あっという間にダイバーが続出し、「VOX」のコールレスポンスの大きさにもkjは涙を拭い歌い続ける。四方八方からのモッシュが激し過ぎてリンチを受けている錯覚をした「ROCKET DIVE」の後にはまさかの「For diver's area」。ダイブがタイトルに入ってる曲がこのライブで続いたら、人が死ぬぞ笑 実際脱水みたいで後方に人の手を借りて下がっていく人がいた。

「皆さん、大丈夫でしょうか?SHANKが素晴らしいライブをしたのでウチらも上げて行きました。」と櫻井(Dr.)。少しここからLOUD&PIECEでいうPIECEな曲が続く。良かった。死ぬかと思った。サプライズで初期の名曲Never ending friendshipを歌う「Melancholy」、個人的にCDが擦り切れるほど聴いた「Let yourself go,Let  myself go」が聴けた。四半世紀前に勇気づけられた曲を書いた本人が今目の前で歌ってくれている事が嬉しかった。20年前先輩からのビーフでkjは音楽を辞めていておかしくなかった。結成当初のメンバーが亡くなって解散しておかしくなかった。新しいメンバーが逮捕されて全部投げ出したって良かった。nidoやsteady&Co.The Ravensが楽しくてDragonAshはなくなっても不自然じゃなかった。けど続けてくれたから生で聞けたよ。大好きな曲だよ。一昨年zepp横浜でも聞けたけどね。

そこから自らのアイデンティティの象徴として使われる百合を冠した曲が2曲続いて「Fantasista」で完全ピークアウト。モッシュ&ダイブが頂点に。「誰かのベースじゃなくてTSUYOSHIのベス!誰かのドラムじゃなくてサクのドラム!」kjの仲間への信頼は固い。そして「逃げて逃げて逃げまくってやっと辿り着いた自分達がやりたい音楽やっていきます。」と言って鳴らされた「New Era」。「今日だって僕達は生まれ変われるよ」

 アンコールで「Fever」、「Iceman」、「Curtain Call」が披露されライブは終了。「ありがとうございました!!」マイク無しで叫んだkjのその口に添えられた手が震えてたのが、俺たちの声が届いた証拠。もみくちゃ最高。

SHANK

1.Surface
2.620
3.Good night Darling 
4.Life is…
5.Set the fire
6.Midnight Grow
7.Take Me Back
8.Whether is Beautiful
9.Sandpaper
10.Wall Ride
11.Departure
12.Extreme
13.Wake Up Call
14.Honesty
15.Cigar Store
16.submarine

DragonAsh
1.Entertain
2.House of Velocity
3.Mix it Up
4.VOX
5.Stardust
6.ROCKET DIVE
7.For divers area
8.朝凪Revival
9.Melancholy
10.Let yourself go,Let myself go
11.Lily
12.百合の咲く場所で
13.Fantasista
14.New Era
En1.Fever
En2.Iceman
En3.Curtain Call

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