「ミッシェル・ガン・エレファント"THEE MOVIE"-LAST HEAVEN 031011-」@シネマネコ

　10年以上前にこの映画をレンタルDVDで観た。若い人はレンタルDVDって知らないですかね。あったんですよ、そういうのが。ツタヤで借りて3日とか1週間とか期限決めて見終わったら返すっていうの。さすがに知ってるのかな。どうなんだろ。正直この映画の印象は良くなかった。ライブ映像で十分じゃん、っていう。なんでわざわざ映画にした？ナレーションとか最後のシーンの加工とかいらないでしょ。色付け一切無しの装飾排除、生っぽさがミッシェルではないか。「世界を終わらせない。」というキャッチコピーにもムカついたのである。終わりだっつってんの。4人で決めたの。そのキャッチコピーにマーケティングを感じ余計嫌いになった。マーケティングがあるから自分みたいな層にもミッシェルの音楽が届いたわけなんだけれども。当時はなんか許せなかったのだ。

　けど今回その印象が180度変わった。2時間釘付けになった。それはDVDで見た時よりも4人の事を深く知っていたのもあるし、映画館の音響の良さもあった。2009年の映画だけど2003年の解散ライブ時よりも音を良くして作られた事も今回知った。めちゃめちゃ良かった。ミッシェルこんなやばいの？と思った。薄々知っていたけれども。4人のグルーヴとシンクロは唯一無二なのはわかってたけども。一曲たりとも捨て曲をこの世に残さなかった、全曲名曲なのは知ってたけれども。こんなに良いの…？これ生で見たら心筋梗塞で救急搬送されて死ぬんじゃないか、というぐらい良かった。映画にしてくれていて良かった。

　仙台のライブ公演の中止を決めて、4人が頭を下げるシーンがこの映画には入っている。前に見た時には大変だなぁ、ぐらいにしか思わなかったけど今ならわかる。そのオーディエンスへの誠実さとプロフェッショナルの責任感。解散時もまずはファンクラブの人達に報告してから、一般に公表したらしい。そんなところがやっぱり最高にカッコよかったよ。

　本当は新文芸坐の音響調節されたものや、テアトル新宿で声出しOKのものを見たかったんだけど、日程が無理だった。渋谷出やすいから、ブンカムラとかでも上映して欲しい。シネマネコも雰囲気良い映画館なのでオススメ。