天井に近く、海は遠く
ステージよりも、天井のほうが近かった。
くるくると回る光を目で追い、このまま海とか行きたいな、行ったらどうなるんだろう、とか考えたりした。
ライブが終わった頃には、海に行きたいと思っていたことはすっかり忘れていた。
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私が嬉しかったことや悲しかったことを、他の誰も知らないし、あなたの嬉しい気持ちや悲しかったことを私は知らない。
すぐに自分のことをかわいそうとか思ってしまうけど、そんなこともないので、
もう少しだけ背筋をしゃんと伸ばそうという気持ちになった。
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新しいところに行くのが苦手だ。
いつも近くをくるくると回っている。
できないことをあきらめず、
ちゃんとはできないよ、とあきらめながら、優しく開き直ったら、もう少し楽に呼吸ができるかもしれない。
テレパシーを送り合って、お互い疲れてるんじゃないの、と友達に言われたのを思い出す。
けっきょく分からない、言葉の運び方も時間の使い方も。考えていても分からないのかもしれない。
もしくは宇宙人なのかもしれない。
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本当に嫌なことはしない、と一年前くらいに思った。
みんなが少しずつ嫌なことを我慢してるから、その結果が満員電車なんじゃないか、少しずつ積み重ねて我慢してるからいつまでも満員電車がなくならないんじゃないか、みたいなことを考える。
海に行きたい。
自分が小さいということを思い出して、それでまた、小さな生活を続けたい。