脳機能の安定性に学ぶ「反・脆弱性」
不確実性下の意思決定をテーマにした研究者であり,トレーダーでもあるナシーム・ニコラス・タレブ氏が著した「反脆弱性」がとても良かったです.
私たちは,システムの頑健さについて考えるとき,「脆弱か」か「頑健か」の二択で考えてしまいがちです.そこでタレブが新たに導入した3つ目の概念*が「反・脆さ」です.初めて聞くと不自然な概念のようにも感じますが,数々の事例を観察するにつれて,反脆弱性という概念がいかに普遍性の高いものであるかを痛感させられます.
反脆弱性の定義は次の通りです.