神経科学から考える、多様性社会における精神的な「健常」と「異常」の境界線の哲学
僕は神経科学を研究している、つたない学部4年生ですが、神経科学を勉強していると、「精神疾患」と「健常」とみなされる境目は、人間社会により、実に恣意的に決定されているのだなと実感します。
僕は大学以降、理論物理や神経科学に興味があり、人間の知能とか情動を、脳内の化学反応 —— 究極的には物理法則に還元して考えることが増えました。
今世紀になり、例えばうつ病といった心の症状には、医療的なアプローチが必要であるという認識が一般社会でも常識になりつつあり、個人の意志を前提とした「