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ただいま介護講習受講中


12月から介護職員の初任者研修に通っている。
自分は介護職員には不向きだと十分自覚しているが、ヒトは絶対に歳をとるし、介護旅行にも興味があるので知っておきたいと思い、時間のできた今こそと通っている。

想像していたより18人のクラスの半分は20代と若く。私が最年長。全員がおじいちゃんおばあちゃんとは一緒に暮らした経験はなく、20代の大半は来春介護系の会社に就職が決まった子達で、3分の1はすでに介護系施設で働いている方達。
講義の始め、筋肉の老化の簡単なチェックで、頭の後ろで腕組みしながら、椅子から片足で立ち上がることができなかったのは、50過ぎの私だけ。「介護される側に最も近いヒト」を自覚させられてからの切ない始まり。

しかしながら、授業は想像以上に役立つことが多く、正直かなり面白い。
それは「老い」を少なからず自分が自覚しているからこそ想像しやすいのであって、自分が20代であったらピンとはきていないはずだ。それでも
子供時代に受けた道徳の授業並みに義務教育時代か、せめて高校時代にやるべきであろうと思う内容だ。「老うとはどんなことか?」「身体はどうなるか」「介護される側の気持」「痴呆者の感覚」などを科学と心理の面で学んでいく。誰もが確実に歳はとるのだから知っていて損はない話ばかり。講義の前半は座学が中心で、後半は生徒同士で実地シュミレーションを行う。痴呆についての講義など私自身落ち込むくらい真面目に聞き入ってしまう(笑)

ちなみに講義は1分でも遅刻したら受けられないとか、介護ベットにフラットシーツを角度45度の折り目でビシッと敷くとか、寝たきりの方には浴衣の交換の際浴衣の柄を選んでいただこうとか、出来るだけ肌を出さずに寝たきりの方を着替えさせる心がけ等、日本的な感性が感じられるポイントが時々あり、まだこの日本に高齢者(人生の先輩)を敬う僅かな習慣が受け継がれて行きそうな希望が見えてよかったと思う瞬間もあった。
なぜなら、今まで様々なアジア諸国を旅行してきたが、諸外国の中で日本は「家族との交流がそもそも希薄」と感じていたからだ。少なくとも「年寄りを敬う文化」を日常であまり感じたことはない。

資格が取得出来たら、自分で実際介護の現場に行くかもしれないし、介護旅行の企画を立てるかもしれない。
いずれにしろ介護の世界は私にとって自分を投影できるそれほど遠くない未来なのである。

講義の帰り電車の吊り革につかまりながら、「ひとに手間をかけない程度でコロリと逝かなければ」と、ちょっとつま先立ちをしてみたり。三日坊主の筋トレを再々開しよう、と思っている今日この頃だ。

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