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天狼院書店「ライティング・ゼミ」の思い出

 今から一年程前、私は天狼院書店のライティングゼミと言う文章力を鍛えるセミナーに参加していた。
 過去にnoteに投稿した「個人情報と言う砂の城に隠された「秘密」の話」「友愛と言うおもてなしで人々を喜ばせた推しと、失敗した私」「自分の価値に悩んだ時には「勿体ない」が効く」は実際にライティングゼミに課題として提出していた記事だ。
「友愛と言うおもてなしで人々を喜ばせた推しと、失敗した私」は不合格だったが、フィードバックされた部分を直して掲載させて頂いた。

天狼院書店って何?

 天狼院書店自体始めて聞いた人の為に私の解釈で紹介すると、「様々なイベントやセミナーを主宰してる本屋さん」ってところだ。
池袋や渋谷、都外だと福岡や大阪、名古屋などにも店舗があって店によってはカフェを併設している。
 池袋にある本店には四千頭身が番組で一回訪れている。その時はシンパイ賞で石の雑誌を店舗で販売してもらうように交渉して、実際販売される事になっていた。

ライティング・ゼミって何?

 天狼院書店で開催されるイベントやセミナーはビジネス系(主にマーケティング)や文章力を鍛えるセミナーが多いけど、カメラや動画編集などのセミナーもやっている。その天狼院書店の講座の中で代表格とも言えるのが「ライティングゼミ」だ。
 簡単に言えば「バズる文章を書くコツを教えてくれる講座」だ。期間は4ヶ月で講座は全8回。講義を受けるだけではなくて、勉強した事を実践してみようと言うわけで4ヶ月にわたって毎週自分で2000字の文章を自由なテーマで書いて提出すると言う課題もある。
 合格すれば天狼院のホームページに掲載してもらえるという課題なんだけど16回提出して掲載されたのは7回で、私は合格ラインを越えられなかった(合格ラインはネタバレになるので控えさせてもらう)。

 さて、この記事に辿り着いた人は天狼院書店のライティングゼミの評判について調べてて行き着いた人だと思う。それ以外の人でもライティングゼミ、というか天狼院書店自体が怪しい場所だと思ってるかもしれないし興味を持った人もいるかもしれない。
 そんな方の為に私がライティングゼミを受講して感じた事をテーマに書いた文章があるのでそれを紹介させてもらおうと思う。
なお、ネタバレは厳禁なのであまりセミナーの詳しい内容を書いてはならない事になっている。この文章は合格してホームページにも掲載されているので、大丈夫だと思う(ちなみに合格不合格に関わらず、書いた課題をブログやなんかに掲載するのはOKだそう)。


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ライティング・ゼミでラブレターが書けるようになろう


 最近、天狼院書店のライティング・ゼミについて知人から「ライティング・ゼミってどうなの?」と聞かれるようになった。それに対して私はこう答えていた。
「講義は文章を書くノウハウをしっかり学べて良かった。文章の書き方は勿論だけど、ライターとして生きていく事について考えることも出来た」
「毎週課題として提出する2000文字の記事を提出するのは大変だったけど、誰かに読まれる文章を意識して書く習慣を身に着ける事は役に立った」
「……だけど、推し語りをしたいなら、ライティング・ゼミは受講しない方がいい」
 私は10年以上お笑いオタクをやっている。仕事の合間を縫いながら、月に3回以上はお笑いライブに通い詰めていた。新型コロナウイルスが蔓延して簡単にお笑いライブに行けなくなった今もオンラインの有料配信でお笑いライブを観ている。最近はテレビ出演がかなり増えている人気若手芸人を好きになったのでテレビのチェックも欠かさない。推してきた芸人はもう20組以上を超えている。
 私にとってお笑いは人生の全てだった。人生で躓いた時はお笑いを見て、時に芸人から励ましてもらって元気をもらっていた。お笑いがきっかけで何でも話が出来る親友も出来た。お笑いを好きなことは周りの人も知っていて、「お笑いについて知りたいことがあったら環さんに聞くといいよ」って言われることもあった。お笑いオタクをやめる事なんて自分にはありえないと確信していた。
 そんな私は自分の推し芸人をプレゼンする文章を書いたり読んだりする機会がとても多かった。私が書いた芸人の紹介記事やライブレポートを読んで「この文章を読んで〇〇という芸人に興味を持った」「レポートをきっかけにしてライブを観に行った」と言った感想を貰えた時は本当にうれしかった。推し芸人が私のライブレポートを「毎回お願いしたいくらい」と言ってSNSで文章を拡散してくれた時は「推しの役に立ててよかった」と思ったものだ。
 だからメディアグランプリ※に記事を投稿するときもお笑いに関する記事を書いていた。だけどそのほとんどが掲載に至らなかった。
 そもそもメディアグランプリに掲載されている記事でお笑い芸人に限らず好きな芸能人のファンであることを取り上げた記事は少なかった。それで私は天狼院書店ではオタクの推し語り系の記事はあまり求められていないのだろうと思い、お笑いについて書く事を出来るだけ避けていた。


 そんな時に私は高校時代の友人に起きたある出来事を思い出した。友人が一度も話したことがない同級生から告白されたのだ。
 彼女は相手からの告白を断った。元々恋愛に興味がないからと言うのに加えて「私を好きになった理由を延々と聞かされ続けてしんどかった。気持ち悪かった」と言うのが理由だった。
 私は気づいた。誰かに読んでもらう事を意識して文章を書く事は、話したこともない片思いの人間にラブレターを書くようなものなのだと。きちんと相手にわかりやすく思いを伝えたってフラれる事はある。だけど相手が聞く気が起きない愛の告白をして成功する事はまずありえない。自分の思いを一方的に伝えても相手が受け取ってくれなかったらラブレターとして意味がないのだ。
 私が本当にするべきことはどんなテーマでも「面白い、ぜひ掲載したい」と思ってもらえるような記事を書く努力をする事だったのだ。実際、フィードバックの多くは中身を否定されると言うよりは「書きたいことを相手に伝えやすくする為にここを気を付けましょう」という指摘が多かった。自分がお笑いが好きだと言う気持ちが先行しすぎて相手の事を意識出来ていなかったのだ。
 それに気づいたのは9/14にライティング・ゼミ課題の15回目の提出の時。ライティング・ゼミで提出する課題は16回なので、あまりにも気づくのが遅すぎた。
 だけど遅かったとしても、誰かに私の思いを伝える技術をライティング・ゼミが教えてくれていた事に気づけてよかった。大好きな物への愛以外にも伝えたいこと、伝えなければならないことはたくさんあるのだと記事を書いていて気付いたから。
 私は絶対に告白が成功するラブレターが書けるライターを目指して精進していこうと思う。なぜなら、この世にあるすべての文章は誰かに思いを伝えるラブレター。多くの人に読まれる文章を書く人は自分の思いを届け、受け止められ続けているから。
 これから私はライティング・ゼミについて聞かれたらこう答えようと思っている。
「ライティング・ゼミは好きな物への愛を一方的に語りたい人には向かない」
「だけど誰かに自分の思いを伝えたい人にはオススメの講座だよ。例えば愛とか」

※メディアグランプリ:天狼院書店のスタッフやライティング・ゼミを含めたセミナーを受講している人たちが文章記事のアクセス数を競う天狼院書店内で行われているコンテストの事。ライティング・ゼミを受講した時の課題として毎週2,000字程度の自由課題の文章を提出して、合格ラインを超えると掲載される

ライティング・ゼミを受講しようか迷っている人へ

 出来るだけフラットに書くように心がけたが、これで伝わっただろうか。
 私は天狼院書店のライティング・ゼミは為になったとはいえ結構課題を出すのは苦しかった。それでも楽しいと思えたから、私は続けてこられたし、それ以外のセミナーにも参加している。
 断言するけど天狼院書店のセミナーは全てにおいて、合わない人には合わない。なので申し込みをする前に以下の事をやっておいた方がいいと思う。
 何しろ天狼院書店のライティング・ゼミは40,000円もするのだ。目的によっては別の文章力を鍛えられるセミナーに行った方がいいと思うので。

・天狼院書店のメディアグランプリの記事を読んでみる(私も記事を読んで大丈夫そうだと思ったので申し込みした)

・天狼院書店の店長である三浦崇典さんの本「殺し屋のマーケティング」を読んでみる(私はライティング・ゼミの受講が終わった後に読んだけど面白かった。ただ、口コミを見ると賛否両論なので合わない人にはきっと合わないと思う)

・行ける範囲なら天狼院書店の実店舗に行ってみる(ライティング・ゼミに関わるスタッフが実際に店舗で接客してたりする)

 個人的にはプロのライターがブラッシュアップする為に勉強すると言うのには合わないかもしれないと思った。
 私がお笑い雑誌に記事を投稿した時にプロのライターさんから校正とかフィードバック受けたのと同じ内容を指摘されたのと重なる部分もいくつかあったからだ。多分ライターとしての初歩中の初歩を学ぶ場所なんだと思う。
 それが悪いとは思わないけど、それを期待して受講する人もいるみたいだったのであえて書かせてもらった。

ライティング・ゼミを受講してどう思ったのか

 ライティング・ゼミを受講したこと自体は良くも悪くもよかったと思っている。それは「文章を書くを仕事にするのを目指すのはやめた。自分の書きたい文章を書きたいように書きたい」と目標を見つけたから。
 メディアグランプリのフィードバックを受けて不合格になって実際に悩んだし、苛立って仕事に支障が出た時期もあった。他のライターを目指す講座を受けていれば違ったのかもしれないけど、ここで完全に心が折れてしまって新しい講座を受講する気もなくなった(この先必要なら探して受講するかもしれないけど)。
 私が文章の勉強をしようと思ったのは二年ほど前に起きたある出来事がきっかけで人生を考えるようになった事だ。そこでまず思い当たったのが大好きな文章を書く事だった。そんな時に天狼院書店の広告を見てライティング・ゼミを受講する事に決めたから、最初から完全なライター志望じゃなかったってのもあるかもしれない。
 今は自分の書きたいものを自由に表現できる、私の為だけのオウンドメディアを作りたいと思っている。文章以外にもやってみたいことはあるけど、まずは文章で好きな物を書きたい。
 天狼院書店のライティング・ゼミはオススメと断言はできないけど、私自身は受講してよかった。とだけは言っておこう。

 今は別の資格勉強をしてるので新しい文章を書く時間はないけど、時間があるときに少しずつ書いていけたらと思っている。
 それまではライティング・ゼミで出した課題を掲載していこうと思う。まぁ明日コロナワクチン一回目を受けに行くので、どうなるかわからないけど……。

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