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かつて8月31日が特別な日付であった年代のくりちー☆が思うこと

8月31日。
それは日本人にとっては特別な日付であったはず。
2020年は特別な日付とはならないであろうけれど。

かつて8月31日が特別な日付であった年代のくりちー☆が思うこと。


やった~!!
海だ!プールだ!キャンプにアイスにカレーにカップラーメン、スイカに花火だ!!

と、エネルギーの有り余った子どもなら誰でも思う、終業式の日。
当然、夏休みの宿題も盛沢山。

ところが。
確かくりちー☆が小学3年生の夏休み。
くりちー☆の父がPTAと先生に掛け合って、その夏休みの宿題をゼロにしてくれた。
授業参観の中、クラス中が振り向いて父を絶賛した。


くりちー☆の夏休みはどうなったか。

そりゃ、遊び三昧に決まってる。
真っ黒に日焼けしてTシャツ短パンから伸びる、すらっとした手足。
すっきりした顎に良く似合うショートカット。
父の出前カブの運転席にまたがった、まぶしい写真が残っている。

え?その写真を見てみたい?
ああ、今度探しておくよ。

海まで歩いて5分。
そりゃ、毎日、海さ。

朝は朝顔を眺めて、打ち水すると涼しくなるということを覚え。
空を見上げて雲を眺め。
日食はガラスにロウソクでススを付けたもの、セロファンやフイルム、サングラスを通して見るものなのだと知り。

友達情報で、魚が入れ食い状態だと聞けば釣りに行き。
大量に釣ったさばなご(サバの幼魚)をドヤ顔で持ち帰り、父に煮付けてもらい。
川で捕ったカニが美味しいと聞けば、網を持って川へ。
大量のサワガニを持ち帰って、素揚げにしてもらい。
皆で磯ガネを持って磯へ集合、貝やウニを採って、どんどん焼き。

たまには料理も研究した。
自分で作る、親子丼にはまった。
食パンで作るコーヒーケーキ。
カスタードタルト。
アイスボックスクッキー。
ああ。夏休みの、なんて美味しかったこと。
自然の素晴らしかったこと。


美味しい記憶が主だが、音楽もエステもあった。

セミの声、波の音、風の音、笛に太鼓。
ケロケロカエルにウシガエルの歌。

足の裏が感じる、波打ち際の砂の冷たさ。
砂を掘る手に触れる海水の心地よさ。
乾いた砂がさらさら落ちるピーリング。
海に川に、アクアテラピー。
夕暮れのオシロイバナの香りに包まれる町。
海に沈む夕陽を眺める、濃密なオレンジ。

ああ。思い出す。やはり、夏が一番好きだ。


セミの声がヒグラシに変わって、草むらの虫の声が歌い始める頃。
なんだか学校に行きたくなって来る。

あいつも、あいつも、どれだけ黒くなっただろう?
どれだけセミの抜け殻集めただろう?
カブトムシにクワガタに、一番大きなのを捕まえたのは誰だろう?

知ってる? カブトムシ、気持ち悪いの。
ギーギー鳴いて、虐められてるみたいだった。
虫かごに白い液が飛び散ってて。
幼虫も見た!

チョウチョにトンボに、誰か標本作ったやつ、いないかな。

そろそろ給食食べたいな。
跳び箱の練習したいな。
鬼ごっこしたいな。


あー。その頃のくりちー☆の友達は、男の子だらけだったんだな。


女の子の友達は、みんなみんな美人ばかりだった。
くりちー☆は、その頃から美人が好きだったからな。
男子たちは見る目が無かった。おこちゃまだったからな。
美人の女子たちよりも、一緒に走り回れる女子たちが好きだったようだ。


文科省のモデル校となっていたその小学校は、翌年から宿題が復活した。


くりちー☆の嫌いな宿題は、絵日記と自由研究、観察日記だった。
漢字ドリルや計算ドリル、プリント問題集は大好きだった。

好きなものは夏休み初日に全部終わらせて、残りは8月31日に適当に創作した。

宿題の無い夏休みと宿題のある夏休みの両方を経験したくりちー☆の思うこと。

やれと言われるほどに、やる気が失せる。
夏休みは好奇心の赴くままに、やりたいことを突き詰める40日間。
それ以外は適当にやってても、問題なし。

8月31日は、それを学ぶための日付。

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